2016/04/26
ボタンひとつで自動立ち上げと自動折りたたみができるベビーカー『Origami』
赤ちゃんを片手に抱えてバスや電車を乗り降りするとき、自動的に立ち上がり、自動で折り畳めるベビーカーがあれば......と思うお母さんは多いだろう。ボタンを押すだけで、素早く立ち上がるストローラー(ベビーカー)、その名も「Origami(オリガミ)」が、そんな願いを実現した。
ワンタッチで展開・折りたためる超頼れるベビーカー
4momsというペンシルバニア州のハイテク・ベビーギア専門のスタートアップ企業が開発したこのストローラーの価格は、849ドル99セント。まさにベビーカー界のポルシェともいうべき値段だが、機能の多さは高級車並みだ。
まず、大きく目立つ黄色いボタンがハンドル部分についており、これを押すだけでモーターが起動し、折りたたまれている本体が立ち上がる。実際にボタンを押してみると、あっという間に完全に立ち上がり、途中、手で補助したり、安全ロックをかけたりする必要が一切ない。音も静かで周囲に迷惑がかからない。
ハンドル部分中央には、まるで車のナビ画面のようなLCD(液晶ディスプレイ)ダッシュボードがついており、スピード、温度、走行距離、そしてバッテリー消費量が表示される。赤ちゃんから最高18kgの重さの子供まで乗せることができ、子供が乗っているあいだはセンサーが体重を感知して「赤ちゃん顔」のアイコンがダッシュボードに表示される。もし子供を乗せているあいだに、誤って折りたたみボタンを押してしまっても、センサーが働き、作動しないようになっているのだ。
車輪内蔵の発電機で、移動中にスマホを充電!?
4つの車輪のうち、後ろの2つの車輪にはジェネレーターが内蔵されており、ストローラーを押して散歩するだけで、そのエネルギーを利用して発電できる。また、別売りアダプターを使えば、スマホや携帯をストローラーにつないで充電できるのも便利。カップホルダーにスマホを入れている人も多い。
「赤ちゃんと一緒に散歩するだけで、スマホもチャージできてしまうので一石二鳥だし、エネルギーを自家発電できるのが単純に楽しい。電源がない屋外でスマホが電池切れになり、慌てた経験がある人にとっては、非常に助かる機能でしょう」と、同社の宣伝担当は言う。ストローラー本体を素早くフルチャージしたいときは、2週間に1回のペースでACアダプターで電源につないで、一晩充電すればOKだという。
車輪を支える太いアームの上の部分のLEDライトが昼間でも自動的に光り、対向車や歩行者からよく見えるようになっている。また、夜間など周囲が暗くなると、ストローラーの下の部分に配置されたライトが自動的にオンになり、道を照らす。このライトはかなり珍しいので、ユーザーは歩行者から声をかけられることも多いようだ。
「ロボット工学で母親を助ける企業」としてスタート
同社製品にはOrigamiのほかにも、赤ちゃん用のスイングシート「mamaRoo」(240ドル)などがある。mamaRooは、人間の親が抱いてあやすように、単にひとつの動きではなく、波の動きのように揺らしたり、横にスイングさせたたり、円を描くように動いたりするなど、5種類の動きで赤ちゃんをあやし、退屈させない仕組みだ。シートが動くスピードや動きの種類は、アプリでコントロールすることができる。
ちなみに、4moms は友人である2人の男性が立ち上げたスタートアップだ。創業者の1人はロボット工学の専門家で、ロボット工学で「母親を助ける企業」としてスタートした。今後も工学の世界から、いつも育児や家事で忙しいお母さんのどんなお助け役が登場するのか、期待したい。
文:長野美穂