2016/01/27
運動して貯まったポイントが好きな商品に がんばればご褒美がもらえる新サポートアプリ
新年を迎えて、今年こそは継続的に「身体にいいこと」をしようと一念発起した人も多いだろう。紙に目標を書いて部屋に貼ったり、スマートフォンのアラートをジョギングに出かける時間にセットしたり、 日々の努力を毎日自分に思い出させる工夫はさまざまだが、それがなかなか長続きしないのもまたお約束......。
自分ひとりで頑張るよりも、誰かが一緒に努力している方がモチベーションは維持しやすい。ラジオ体操だって大勢で広場に集まって、毎日スタンプを押してもらった方が続けられるというもの。毎日のランニングの記録をTwitterなどでシェアして、友人から励ましてもらうことでモチベーションにつなげている人もいる。アメリカで提供されているウェルコイン(Wellcoin)も、そんな「ソーシャル・サポート」を実現するアプリのひとつで、誰もが参加できるソーシャル・プラットフォームだ。無料で利用できる。
ウェルコインは、運動などの活動を自己申告でアップロードする。「1日に7時間以上眠る」とか、「健康的な飲み物を選ぶ」だけでもポイントが貯まっていく。貯まったポイントで、運動用具や健康食品などに交換が可能だ。一定額のバーチャルコインが貯まらなければ交換できないようにして、継続利用を促す仕組みにもなっている。FacebookやTwitterにどのくらいコインが貯まったかをシェアすることもできるため、友人同士で切磋琢磨しながら健康的な生活に近づけていくこともできるだろう。
マーケットプレイスの画面。Wellcoinを健康に役立つアイテムと引き換えられる(提供:Wellcoin.com)
Wellcoinを使って、シェルターで暮らす保護犬にフードを寄付することもできる(提供:Wellcoin.com)
そんなサービスを無料で提供できるのはなぜか? それは、有力なフィットネス・ブランド(Adidas、PUMA、Reebokなど)、健康関連商品・サービスを提供する企業とのパートナーシップによる広告やECにより運営しているから。スポンサー企業には、会員の行動データなども集計して提供する。このデータは「健康に関心がある人たち」の集まりであることがわかっているため、精緻なターゲティングとマーケティングデータの収集が期待できるのだ。
アメリカ企業のなかには、従業員の健康が経営に直結する課題だと捉え、社員にFitbitなどの活動量計を配布し、歩いた距離などに応じて商品券などを支給する施策を採用しているところもある。
日本でも、昨今はウェルネス経営を標榜する大企業が増えてきているし、健康保険組合のなかには組合員(被保険者)に歩数計などを配布し、歩数に応じてポイントを付与して商品券や健康器具に交換できるプログラムなどを導入しているところも増えてきた。こうした流れとも合致したサービスだといえるだろう。Wellcoinのようなサービスプラットフォームは、日本にもビジネスチャンスがありそうだ。
文:信國謙司