2015/06/04

不在時も安心? 熱帯魚などの海洋生物には水槽の監視システムを

一人暮らしでも、そうでなくても、ペットを飼ったり植物を育てたりするとなると、いろいろと手間がかかるもの。日々の世話はもちろん、旅行などで長期間不在にする時にどうやって世話をするかが問題だ。また日常的にも、例えば職場にいるときに自宅のペットの様子が気になるのも、ペットを好きで飼っている以上、自然な心情であろう。

最近では、離れているときにペットの状態を確認できるテレコミュニケーションシステムが一般的になりつつあるが、これまでは室内にセットするタイプがほとんどだった。犬や猫など室内の様子が分かれば十分、というペットならばいいが、魚や爬虫類など、できれば水温など環境の状態までモニターしておきたい動物となると、少々やっかいだ。

だが、そんな悩みを解決してくれるツールが登場しそうだ。

シカゴのスタートアップ、Current Labsが開発中の「Fitbit(フィットビット)」ならぬ「FishBit」は、2015年2月にKickstarterで資金調達に成功した製品(ベータ版)。熱帯魚などを飼う水槽の内側に装着し、水の具合などをスマートフォンでモニタリングして管理することができる。まずは30台限定で349ドル、6月中に配送予定だ。

写真提供:Current Labs

水槽で魚やヒトデ、クラゲ、サンゴなどを飼育する場合、心配すべき事項は餌のみではなく、水質(pHレベル、塩分濃度など)、水温、照明と多岐にわたる。これらのセンサーを一体型にした「FishBitモニタ」と、照明器具やポンプ、ヒーターなどのコンセントを挿すOAタップのような形状の「FishBitコントローラ」の間をBluetoothで接続するのが「FishBit」である。

「FishBitコントローラ」はWi-Fiでクラウドに接続されており、水槽に入れられた「FishBitモニタ」で取得した各種の数値をクラウドにアップロードする仕組みだ。スマホ用アプリを使うと、外出先で水質をチェックしたり、「FishBit コントローラ」を通して遠隔操作することで、水温や照明などを管理できる。

FishBitの機能解説 写真提供:Current Labs

この「FishBitモニタ」、特に新開発のセンサーを搭載しているわけでもなく、「FishBitコントローラ」は既存の他社製品のヒーターなどをコントロールするだけ。だが、スマートフォンの画面上に束ねることで、面倒だったり複雑だったりしたことをシンプルにまとめ上げたといえそうだ。

ベータ版とうたっているため、数量限定で顧客のフィードバックを得て、改善していくものと思われる。また、やや割高になっても広角レンズの防水カメラを「モニタ」装置に内蔵すると、外出先から熱帯魚を眺められて、いっそう楽しいかもしれない。

文:信國謙司 サムネイル写真提供:WavebreakMediaMicro - Fotolia.com