2017/08/31

スマホで慣れたフリック入力がPCでも可能に? 「早打ちのコツ」も紹介

iPhoneの登場以降、通信機器の主流はスマートフォンという時代になった。いわゆるスマホ世代の若者にとっては、PCのキーボードよりもフリック入力する方が速いという人も多いのではないだろうか?

ご存知のように、フリック入力は2008年にiPhoneに採用されて以来、スマホの文字入力方式として急速に普及している。スマホのタッチスクリーン上で指を動かしたり弾いたりして入力する文字入力の方法のことで、日本語入力の場合はテンキーのように配置された各行のあ段の周囲に十字型や扇型にほかの段がそれぞれ配置され、あ段のキーを押しながら入力したい文字の方向に指をスライドさせることで文字を入力できるというものだ。

この入力方法は多くのガラケーで使用されていたキープッシュを連続することで文字を入力するトグル入力に比べ、作業を短縮できるため効率的で素早い。

そんなフリック入力を得意とするスマホ世代の新しい入力デバイスとして注目されているのが、インター・ラボ株式会社の「FlickTyper(フリックタイパー)」だ。これを使ってパソコンにスマホを接続すれば、スマホのフリック入力でPC上に文字を打つことができるというもの。スマホを操作する感覚でPCの文字入力ができるようになるという面白いポータブルデバイスだ。

接続後は専用アプリを起動し、スマホ操作と同様にフリック入力するだけ。顔文字や特殊文字も使用できるほか、予測変換や音声入力などにも対応。また、下部スペースをスワイプすることでマウスの代わりになり、中央のジョグダイヤルアイコンを使えばスクロールもできる。「Ctrl」「Alt」を使ったショートカットにも対応している。

PCでフリック入力をしてみる!

では、実際にFlickTyperをPCに繋いで、フリック入力で文字を打ってみよう。スマホでFlickTyper専用アプリを起動し、スマホと本体、本体とPCをUSB接続する。FlickTyperにはスマホ用とPC用としてマイクロUSBのコネクタがあるので、付属のケーブルを使用してそれぞれを繋いでいけばOKだ。

スマホ→変換ケーブル→FlickTyper→USBケーブル→PCの順番

スマホを繋ぐにはマイクロUSBから一旦USBタイプAにしなければならない。筆者は付属の変換ケーブルを使ったが、スマホの端子の種類によってこの変換器を用意する必要があるので注意。また、変換ケーブルは必ずスマホ側に接続するようにしよう。

接続が成功したら、早速文字を入力してみる。「文字入力」の大きなアイコンをタップすると画面の下半分に文字入力画面が現れるので、あとはスマホ操作と同じ要領で文字を入力するだけ。

スマホ上で言葉や文章を打ち、それをPCに送信するというやり方だ。普段、メールやLINE、チャットのような感覚で字を打てばいいので、予測変換で表示される文字などを選びながら文章をつくっていき、それをどんどん送信していく。

慣れないフリック入力に苦戦しながらも簡単な一文をつくって送信してみると、送信からPC反映までの誤差もごく僅かで、文字の誤入力もなし。

続けて文字をどんどん入力してみたが、いずれも誤入力なくスムーズに入力することができた。

実際に使ってみた感想としては、フリック入力さえ速ければ、タイピング入力と同等のスピードも夢ではなさそう。また予測変換機能はとても便利で、これはきっとタッチタイピングでいうところの「tab」のようなものだろうが、効率的でラクに入力できるという感覚があった。

色々と試していくなかで、長めのテキストを打ち込む際は改行点が難しいという問題もあったが、こちらも慣れてしまえば問題なく使えるだろうという感想だ。

筆者はフリック入力に慣れていないため、まだまだ入力に時間がかかってしまったが、フリック入力や予測変換などに慣れているスマホ世代なら、かなり使えるデバイスだろう。

FlickTyperはAndroid4.1以上に対応で、スマホに専用アプリ(無料)をダウンロードし、付属のUSBケーブルを使ってスマホと本体、本体とPCを接続して使用する。本体サイズは縦57mm×横50mm×厚み12mmで重量40g。価格は9,980円だ。

フリック入力を上達させるには、どうしたら良いのか?

では、フリック入力を効率的に上達させる方法はないのか。悩める筆者はフリック入力習得アプリ「特打フリック」を提供しているソースネクスト株式会社に、フリック入力のコツを聞いてみることにした。

ソースネクスト株式会社とは、PC用のタイピング習得ソフト「特打」などが有名なPCソフトメーカー。そこが開発・提供をする「特打フリック」は、フリック入力をゲーム形式で習得できるアプリとしての評判も高い人気アプリだ。

この「特打フリック」のソースネクスト株式会社なら、フリック入力習得を目指す筆者に、きっといいアドバイスをしてくれるに違いない! ご担当者さんに聞いてみた。

■フリック入力のコツとは?

――フリック入力を上達させるうえで、スムーズに入力するためのコツや、注意しなければいけない点やはありますか?

担当者「まず基本は、子音(各行のあ段、かさたなはまやらわ)の位置を覚えること。また指は真ん中に置くことがポイントです」

――スマートフォンを持つ持ち方は、両手の方がいい? 片手の方がいい?

担当者「片手で持てる場合は片手で良いかと思いますが、最近はスマートフォンのサイズが大きくなってきているので、指が届かない場合は両手でも良いと思います」

――フリック入力は“スマホ世代”が使うという印象ですが、今後はスマホやタブレットなどがさらに進化していくことが想像できます。このフリック入力は、もっと一般化していくのでしょうか?

担当者「スマートフォンユーザーは増えていますので、フリック入力ユーザーも今後増えていく可能性はあると思います。一方で、予測変換や音声入力など、フリック入力以外の入力方法も進化していますので、それらもどんどん一般化してくると思います」

■フリック入力のコツ

  • ・子音の位置を覚えて指を真ん中に置く
  • ・画面が大きい場合は両手で届くようにする
  • ・これを守ってひたすら練習あるのみ

この教えを守り、FlickTyperを使う場合はPCで練習。ちょっとした時間を利用して練習する場合は「特打フリック」で練習する。そうやって練習していけば、きっともっとフリック入力を上達できそうだ。

T&S編集部には、大学の論文をスマホのフリック入力で書いたという猛者もいる。理由は「フリックの方が速いしラクだから」だそうだ。なるほどそういうことなら、筆者もフリック入力をマスターしておいて損はないだろう。……FlickTyperを使ったことで、筆者はその思いがさらに強くなったのである。

文:安東 渉(EditReal)