2017/06/16

まるでCG! アニメの動きをまんま再現する『カーズ』のおもちゃが最新技術満載

「おもちゃが表情豊かにしゃべって動き回る」なんて、アニメ映画みたいなことはまだまだ夢の話だと思っていました。ところが、近年の技術はそれを可能にしてしまったようです。

猛スピードで疾走する真っ赤な喋るスポーツカーといえば、ディズニーのアニメ映画としてお馴染みの『カーズ』シリーズ主人公、マックィーン。

スフィロ社から6月23日に発売されるこの『Ultimate Lightning McQueen(アルティメット・ライトニング・マックィーン)』は、スマホ・タブレットのアプリから操作する、迫力のレーシングカーです。シリーズ最新作『カーズ/クロスロード』が7月15日に公開されるということもあり、今夏は映画界でも人気者になりそうな彼ですが、おもちゃの世界でもかなり注目を集めています。

カーズがスマホで操作するレーシングカーになって登場! ©Disney/Pixar

走ってドリフトして、笑って、叫んで、怒って・・・・・・。映画で見たマックィーンそのもののアクションに、「おもちゃなのに、なんでここまで動くの!?」と世界中のファンがビックリ。それにはいくつかの秘密が隠されていたのです。

「秘密その1」 表情の再現がスゴイ!

フロントガラスが目になっているのが特徴的なマックィーンですが、『Ultimate Lightning McQueen』は、フロントガラス(目)の部分に特別な液晶をはめこみ、セリフや動きにあわせたアニメーションをリアルタイムで映し出します。そのバリエーションはなんと400以上!

口と目、それぞれがセリフに合わせて動きます! ©Disney/Pixar

次に口元に注目。よーく見ると、セリフにあわせて口元がリアルに動くんです。触ってみるとわかるのですが、口元はやわらかい素材になっており、映画などに使われている「アニマトロニクス」という最新技術によって滑らかに動くのだとか。さらにおしゃべりに合わせて車体が上下に動いたり傾いたりする様子は、まるで本当に生きているかのよう。

「秘密その2」 車体に搭載された5つのタッチパネル

このマックィーン、実は敏感で繊細。持ち上げたり触ったりすると反応するので不思議に思っていましたが、車体のルーフやボンネット、左右のドア、リアウィンドウの5カ所にタッチパネルが搭載されていました。うっかり触ると怒られたりして、つい「あ、ごめんね」なんてつぶやいてしまうのも楽しかったりします。

ヘッドライトとテールランプは部屋の明るさで自動調整できる設定も!

「秘密その3」 メカ技術者による本格的なサスペンションシステム

レーシングカーといえば走りっぷりが命ですが、動画のとおり、マックィーンの迫力ある走行も見事に再現されています。『Ultimate Lightning McQueen』のサスペンションやステアリングを設計したのは、もともとオートバイなどのサスペンションシステムを開発してきた機械技術者です。特にすごいのがドリフト!

まるで生きているかのような表情! ©Disney/Pixar

実際にクルマ好きの20~40代の男性に遊んでもらったところ、みんなドハマり。ラジコン未経験の女性でも、最初こそ操作にとまどっていましたが、コツを覚えると華麗にドリフトを決めていました。時速は9.65キロとなかなかのスピードを出すので、マックィーンが縦横無尽に走り回る姿を十分に堪能できます。Bluetooth接続で、スマホから半径30メートル以内であれば操作が可能

アプリ画面。右側のボタンで簡単に「ドリフト」や「ターボ」を決められます。©Disney/Pixar
アプリではマックィーンたちを整備するゲーム『Pit Stop Panic』も遊べます。©Disney/Pixar

開発・発売元のスフィロ社は、2016年に『スター・ウォーズ』のBB-8のロボットをつくったことでも話題になりました。今回は、ディズニー/ピクサーがアニメーションの指導をはじめとした協力をすることで、映画製作者も納得のこの製品ができあがったというわけです。

「あえて無線にしなかった」。充電はサイドの給油口から専用ケーブルで

こだわり満載、一切の妥協なしというこちらの『Ultimate Lightning McQueen」は、税込み4万1,450円。6月23日に発売される日本語版では、マックィーンのセリフもすべて日本語版になります。声を担当するのは、映画『カーズ』でマックィーンの声を担当している土田大さんで、リアルさへの追求が半端じゃない!

今後もアップデートでアニメーションなどを順次追加していく予定とのこと。スマホと連携する「スマートおもちゃ」は続々と増えていますが、その技術の進歩の早さたるや、マックィーンもびっくり! おもちゃとしては少々お高めですが、大人にこそ遊んでほしい、ギミック満載の一台といえそうです。

文:相川いずみ