2017/05/12

世界初の“触って操作できる”VRゴーグル! 懐かしのゼビウスやパックマンをタッチで操作

VR(Virtual Reality)という言葉が身近になったことで、なにかしらの関連コンテンツをすでに体験したという人もいるだろう。VRを手軽に楽しむことができるゴーグルとしては、ダンボール製の箱にスマートフォンをセットする「ハコスコ」やGoogleの「カードボード」が有名だ。

これらを装着することで360°のバーチャル空間にまるで"没入"したかのような感覚を楽しむことができる。ただし、これまで主流だったのは、VRを映像作品として体験するというもので、ゲーム性のあるソフトを楽しむには、高スペックのPCや専用のゴーグル、コントローラーなどを用意する必要があった。

そこで今回紹介する「みるボックスタッチ」。ゴーグルにコントローラー機能を付加させることで、別途コントローラーなしでゲームを楽しむことができるという、世界初のVRゴーグルだ。

その機能が評価され、最先端テクノロジーが集まる世界最大規模の米国展示会「SXSW2016」Interactive Innovation Awards VR&AR部門のファイナリストに選出されたほか、Microsoft Innovation Awards 2016「Tech in Asia賞」を受賞している。

では、「みるボックスタッチ」は一体どんなものなのだろう?

箱の組み立ては5分ほど。そしてスマートフォンをセットする!!

ゴーグルとして組み立てるのはレンズが付いた本体部分と、カートリッジ台紙と呼ばれる別紙、そして導電回路シートの3つのみ。同封されている取扱説明書に記載される「組立方法」を見ながら組み立てていく。

ポイントとなるのは、「みるボックスタッチ」の導電回路シートをカートリッジ台紙に貼る作業。シートの粘着力はあまり強くないので、ジャストサイズにカットされた台紙に乗せるという感覚で貼ることができた。

シートを貼ったカートリッジ台紙をそのまま本体にスポッと差し込めば「みるボックスタッチ」は完成だ。シートはべったりと貼られているわけではないが、本体に差し込むことで安定する。筆者は5分程度で組み立てることができた。

あとはスマートフォンをセットするだけ。導電回路シートの飛び出し部分がスマートフォンの画面部分に接するようにセットし、フタを閉めてマジックテープでとめればOKだ。
※「みるボックスタッチ」に対応しているアプリを起動したあとにセットする。

懐かしゲームのVRアプリをプレイしてみる

みるボックスタッチ最大の特長は、本体横に実装されているTouch Interface Moduleだ。スクロール、スワイプ、タップすることで、対応しているVRゲームを楽しむことができる。

上の画像の丸い部分が「Touch Interface Module」。

現在、メーカーホームページで紹介されている対応のVRゲームアプリは、「ゼビウス」「パックマン」といったファミコン世代には嬉し懐かしゲームのアプリと、短時間で街をつくって遊ぶ「スグマチ!」、本格3Dシューティングゲーム「Motivator」の4つ。いずれもiOS・Android対応で、スマートフォンだけで遊べる通常モードと、「みるボックスタッチ」を使用して遊べるVRモードを搭載している。

さっそくプレイしてみよう。

「ゼビウス」

MilboxTouch ver. VR XEVIOUS(公式動画)

ゼビウスの「みるボックスタッチ」対応版「Mildox Touch ver.VR XEVIOUS」は、ファミコン版が進化した通常モードのほかに、視界が広がる新感覚のVRモードを楽しむことができる。

機体は自動的に前進するが、攻撃にこのコントローラー部分を使う。タップで対空攻撃、長押しで連射、スクロールで対地攻撃が繰り出せる仕組みになっている。

操作に慣れるまでに少々手こずるが、あのゼビウスの世界に没入するという感覚は、往年のファンとしては感無量だ。

「パックマン」

MilboxTouch ver. VR PAC-MAN(公式動画)

パックマンは、迷路のようなステージをモンスターの追跡を避けながらドットを食べていくというお馴染みのゲーム。「みるボックスタッチ」対応版「Milbox Touch ver. VR PAC-MAN」は、プレイヤーが操作するパックマンと一体になって3D映像の迷路を進んでいく。

コントローラー部分を時計回りにスクロールすると前に進み、逆時計回りにスクロールすると後ろに戻る。とても感覚的に操作できるので、誰にでもすぐに楽しめそうだ。

VRモードは右目と左目の視覚効果で立体的な世界観を出すため、画面が2分割される。ゼビウスとパックマンはファミコン版でのプレイ経験がある筆者だが、VRゴーグルを使ったプレイは平坦な画面に立体感が生まれ、まるで自分が実際にゲームの世界を進んでいるような感覚。

残り2つのゲームもプレイしてみたが、いずれもVRゴーグルの特徴を生かしたつくりになっている。

「スグマチ! -3分でできるインスタントシティ-」

制限時間内に集めた建設アイテムを並べて、街や建物を大きくしていくシミュレーションゲーム。保存した街を見る場合に「みるボックスタッチ」を使用すれば、横視点から街を見ながら、建物の近くへと視点を近づけるなどの操作も可能だ。

「脳内潜入3Dシューティング -Motivator-」

脳内に侵入した無気力ウィルスを攻撃する抗体ナノマシン「Motivator」を操縦し、前方から迫りくるウィルスを倒していく3Dシューティングゲーム。「みるボックスタッチ」でVRモードをプレイすれば、迫るウィルスをよりリアルに体感できる。

新感覚の"触って操作できる"機能、今後の展開にも期待!

本体サイズは約85✕108✕150mmで、ダンボール製なので重さは85gと軽い。価格は2,500円(税別)で、Amazonほか、全国のビックカメラ、ヨドバシカメラで購入可能だ。

スマホを使ったVRゲームが身近に楽しめる「みるボックスタッチ」。別途コントローラーが必要ないというのは、たとえば携帯性の面でも大きなメリットになる。VRゲームの分野ではもちろんだが、それ以外の分野での展開にも期待できそうだ。

文:安東 渉(EditReal)