2017/03/08

ソニーの『KOOV』で子どもと一緒に遊んでみました! 人気のロボット・プログラミング学習キットの魅力とは?

世界85カ国が参加するオンラインの算数大会「世界算数」や、論理的思考力と空間認識力を鍛えるデジタル教材「STEM101 Think」など、次世代の子どもたちに向けて教育事業を行っているソニー・グローバルエデュケーション。その新しい試みとして2月に発売されたのが、ロボット・プログラミング学習キット「KOOV(クーブ)」です。

KOOVは、「Play. Code. Create」という3つのコンセプトをもとに、ブロックで自由に遊び、作ったロボットをプログラミングし、さまざまなものを作り上げ、創造性を育てていくことを目的とした教育玩具です。PC(Windows/Mac)やiPadに対応した専用アプリと連携し、ロボットを組み立てたり、プログラミングの仕組みを学んだりすることができます。

こんな楽しいキットを、ブロック大好きな8歳のデジタルネイティブが遊んだら、どんな化学反応が起きるのでしょうか? 今回は実際に、KOOVとアプリをインストールしたiPadを息子に渡し、じっくりと観察してみました。

とりあえず箱を開ける

今回記事用にお借りした「KOOVアドバンスキット」は、基本の「スターターキット」と、「拡張パーツセット」をセットにしたもので、302ピースのブロックと24個の電子パーツが入っています。といっても基本パーツは7種類で、レゴなどと比べるとかなりシンプルなつくりになっています。

「KOOVアドバンスキット」
●メーカー/ソニー・グローバルエデュケーション
●直販価格/49,880円(税別)

KOOVブロックの特徴は、青や緑、オレンジに赤といったカラフルで半透明のデザインです。このブロック、実は教育玩具メーカーであるアーテックが開発したブロックをベースに作られています。オリジナルのアーテックブロックは原色が多いですが、KOOVブロックは半透明で、ソニーらしいセンスのいいデザインに統一されています。

息子にパッケージを見せると、どんなものか理解したようで、早速箱をあけて、中身をチェックし始めました。

とりあえずブロックをぶちまける

次に行ったのは、ブロックを部屋中にぶちまける行為。
「えー、すごい多い!」

と言いつつ、ブロックを袋から取り出してはジャラジャラ。さらに、モーターや加速度センサーといったパーツを物珍しそうに観察しています。さてさて、こんな調子で、ロボットはできあがるのでしょうか。

上の図はKOOVのブロック。レゴブロックよりやや大きく、立方体の「キューブブロック」がメインで、ブロックを連結する穴と、その穴にはめ込む凸部分があります。

とりあえず適当に組み立てる

ブロックを適当に組み合わせ、謎の物体を作っていく息子。その後、iPadを操作し、アプリのロボットレシピを発見。彼が最初に選んだのは、高難易度の「ジンベエザメロボット」でした。

とりあえず「ジンベエザメ」を目指す

ブロックでなにか作品を作る際、子どもは好きなものばかり作りたがります。息子の場合は、「ガチャガチャマシン」と「ジンベエザメ」。その「ジンベエザメ」が完成度の高いロボットレシピとして掲載されていたら、作らないはずはありません。

「よーし、ジンベエザメを作るぞー!」
という掛け声とともに、まずは必要なパーツを揃え始めました。

必要なブロックの数を見ただけでも、かなりの大作だと想像できます。これ、組みあがるのかしら・・・・・・と、ちょっと不安になったのですが、アプリで順を追って作り方を解説してくれるので、子どもでもわかりやすい! しかもタップすると、ほかの角度からも見られる「3D組立ガイド」になっているので、組み間違いも防げそうです。形が似たブロックが多いため。この機能を非常に活用していました。

製作開始。ジンベエザメの体を作るため、青のブロックを大量に使用します。

ジンベエザメのおなかのあたりに、ロボットに命を吹き込む「コア(本体)」をのせて、バッテリーや加速度センサー、サーボモーターと接続。

そしてひたすら組み立て続けること1時間・・・・・・。ついに最後のパーツをはめ、ジンベエザメの完成! おまけにコントローラー代わりの小魚もセットです。

しかし、これで終わりではありません。このあとは、ジンベエザメに命を吹き込む、第二の挑戦「プログラミング」が待っているのです。

KOOVのプログラミングは、専用アプリからコア(本体)にプログラムを転送し、ロボットを動かします。ひとつひとつの命令は、「スタート」「8びょうまつ」「3かいくりかえす」といった平易な言葉で書かれているので、低学年の小学生でも組みやすくなっています。ちなみに、レシピで組み立てたロボットに関しては、そのロボットにあった動きをするプログラミングがあらかじめ組まれています。

小魚コントローラーにつけた加速度センサーによって、ジンベエザメが動く仕組みになっています

ジンベエザメにも、専用のプログラムが用意されていたので、まずはそれを実行。すると、小魚コントローラーの動きにあわせて、ジンベエザメが尾びれを動かしたり、前後に動き始めました! 息子は、ゆっくりと泳ぐように動くジンベエザメを見て、「うれしい!」とひと言。たった今、自分がイチから作ったロボットが動き出したのを見て、とても満足そうに見入っていました。

プログラミングは秒数の設定を変更したり動きを変えたりと、アレンジも可能ですが、ジンベエザメのプログラムは初心者にはかなり複雑だったため、断念。まずは、アプリに用意されている「がくしゅうコース『はじめてのロボットプログラミング』」で、プログラミングの仕組みや、電子パーツの役割、コードの組み合わせ方を覚えていくのがよさそうです。

「はじめてのロボットプログラミング」では、順を追ってプログラミングを学習していけます。まずは、もっとも簡単でわかりやすい「LEDパーツを光らせる」ことから始めます。

といっても、KOOVでは必ずしもプログラミングをしなければいけないわけではありません。「ロボット・プログラミング学習キット」は、楽しんで学ぶことが大切。だから、アプリにはプログラミング不要で楽しめるロボットのレシピも掲載されています。さらに慣れてきたら、オリジナルのロボットを組み立てて、KOOV購入者のSNSで発表することも可能です。

小さなブロックがいくつも組み合わさって形になっていき、動物や楽器になる。さらに、プログラミングによって、作ったものに命を吹き込む。その過程をイチから自分で作り上げていく。そんな楽しみをKOOVでは体験できるのです。

遊べば遊ぶほどに、この自由度とデザインに惹かれていきますが、基本のスターターキットでも直販価格36,680円と、玩具として考えるとかなりお高め。ただし、プログラミング教室に通うとなると月1万円前後かかるので、自宅でプログラミング学習が思う存分できるツールとして考えれば、決して高くはないのかなとも思います。これからの季節、入学祝いなどのとっておきのプレゼントに購入するのも良いかもしれませんね。

「これ買って!」とまだまだ遊び足りない様子。検討します

大人がもう一度子どもに戻れるおもちゃ箱

大作を作り上げた息子はすっかりコツを得たようで、さらに次のロボットづくりに挑戦していました。「これ面白い、全部作ってみたい!」と、すっかり気に入った様子です。

今回は記事執筆のため観察に徹しましたが、これは親も一緒に遊んだら絶対楽しい! 難易度も色々と選べるうえ、ロボットのレシピが豊富なので、大人でも存分に楽しめます。今回KOOVに触れてみて感じたことは、遊びや学びに年齢は関係ないということ。大人ももう一度子どもに戻って、思いっきりモノづくりを楽しむ。そんな機会を与えてくれる、ワクワクの詰まったおもちゃ箱のようなキットでした。

文:相川いずみ