2016/11/29
1カ月使い倒して分かった! 『Apple Watch Series 2』がスポーツウォッチとして優れている6つの理由
結論から言おう。Apple Watch Series 2は最強のスポーツウォッチである! と。これは、日頃からランニングを習慣にしている市民ランナーの筆者が、約1カ月間ほぼ毎日、実際に装着して走った上での率直な感想だ。
なぜApple Watch Series 2がスポーツウォッチとして優れているのか? その理由を6つのポイントに分けて解説しよう。
1.簡単でシンプル。ランニング初心者でも使いやすい!
現在、各メーカーからさまざまな種類のスポーツウォッチが発売されているが、その中には多機能さを追求するあまり、操作が煩雑になってしまっているものも少なくない。一方、Apple Watch Series 2はインターフェースがシンプルで分かりやすく、ランニング初心者でも簡単に操作することができる。
Apple Watch Series 2にプリインストールされている「ワークアウト」というアプリを例にとって、使い方を説明しよう。
まずはApple Watch Series 2のデスクトップの「ワークアウト」のアイコンをタップ。
さまざまなメニューが表示されるので、その中から「ランニング」を選択。
そして「開始」を選択すれば、ランニングの計測がスタートする。
いったんスタートしたら、あとは気の向くままに走るのみ。
走っている最中は次のように表示される。
表示項目は上から「走った時間」「1kmあたりのペース」「1分あたりの心拍数」「走った距離」を示す。右上は現時刻で、その左のスマホに斜線が引かれたマークはiPhoneに接続されていないときに表示されるマークだ(Apple Watch Series 2はGPSを搭載したことで、iPhoneに接続しなくても単体で距離やルートを記録できるようになった。そのあたり詳しくは後述する)。
ランニングを終えるときは「終了」をタップ。
使い方は以上。初心者でも迷いようがないほど簡単な上、動作も小気味よくスムーズなのでストレスを感じることがない。
気になるバッテリー性能は、1時間ほど走って20%も消費しない程度(100%の状態から82%ほどに)。これなら日々のジョギングにはまったく問題ないし、5時間ほどで完走できればフルマラソンでも最後まで持ちそうだ。
Apple Watch Series 2で記録したランニング履歴はiPhoneへ自動的に同期され、「アクティビティ」というプリインストールアプリでこのように表示される。走るたびにデータが蓄積され、それをいつでも閲覧できるというのは、ランニングを続けるための励みになる。
なお、プリインストールのアプリ以外にも「NIKE+ RUN CLUB」「Runtastic」「RunKeeper」「STRAVA」といった主要なランニングサービスがApple Watch用のアプリをリリースしている。すでに使っているアプリがある人はそれを継続して利用するのがいいだろう。
2.GPS搭載。ランニングの履歴やルートを記録できる!
Apple Watch Series 2では、初代Apple Watchで非搭載だったGPSが搭載された。上の画像はApple Watch Series 2を着用し、代々木公園をぐるぐると10kmほど走り回った軌跡をiPhoneの「アクティビティ」アプリで表示したもの。自分が走ったルートが可視化されるのは無条件で楽しい。
現在、世の中のほとんどのスポーツウォッチはGPSを搭載し、走った距離やルートなどを記録することができる。しかし、初代Apple WatchはGPSが非搭載だったため、距離やルートを記録するためにはiPhoneを一緒に持ち歩かなければならなかった。これはスポーツウォッチとしては大きなウィークポイントだ。筆者はそれを理由に初代Apple Watchの購入を見送った。
iPhoneを持って走る人はたくさんいるが、一方で「ランニング中はできるだけ身軽でいたい」「iPhoneさえ持ち歩きたくない」という人も少なくない。走るときはたかだが150g前後の物体でさえうっとうしく感じる。今回のApple Watch Series 2ではGPSが搭載されたことで、単体で距離やルートを記録できるようになり、iPhoneを一緒に持ち歩く必要がなくなったというわけだ。
3.耐水性が向上。急な雨でも安心な上、さまざまなスポーツで使える!
Apple Watch Series 2は耐水性も初代に比べて大幅に向上した。アップルの公式サイトによると、初代Apple Watchは「防沫性能と耐水性能を備えていますが、水に浸すことは推奨していません」とされていたが、Apple Watch Series 2では「プールや海で泳ぐなど、浅い水深での利用に対応しました」と記載されている。つまり、ランニングだけでなく、トライアスロンやスイミングやサーフィン、あるいはスキーやスノーボードといったウィンタースポーツでも活躍してくれそうだ。
ただし、「Apple Watch Series 2を装着したまま、スキューバダイビング、ウォータースキーなど、水圧が高くなるアクティビティを行うことは想定していません」とも書かれているので、そのあたりは注意が必要だ。
4.Apple Pay対応。ランニングの途中で買い物できる!
筆者がApple Watch Series 2をランニングで利用していてもっとも便利に感じたのは電子マネーの機能だ。
Apple Watch Series 2はFeliCaを搭載し、Apple Payに対応。Suica、iD、QUICPayといった電子マネーを利用することができる。自販機で飲み物を買いたいときや、帰りにコンビニで買い物をしたいときなど、小銭をジャラジャラさせることなく、手元をピッとかざすだけで決済できるのは、予想以上に便利で快適だった。
なお、Apple Payは、iOS10.1以上をインストールしたiPhone 5以降なら使うことができる。筆者はiPhone SEのユーザーだが、Apple Watch Series 2でApple Pay(電子マネー機能)を問題なく使えている。
5.iPhoneなしでも音楽を聴きながらランニングできる!
iPhoneのプレイリストをApple Watch Series 2と同期し、Bluetoothヘッドフォンを利用すれば、iPhoneなしで音楽を聴くことができる。音楽を聴きながら走りたい人にとって、これはとても魅力的な機能だ。ランニングで使うならヘッドフォンは上の「Beats by Dr. Dre Powerbeats 2 Wireless」のような耐水・耐汗設計のものがいいだろう。
6.心拍センサーを搭載。本格トレーニングにも対応!
Apple Watch Series 2はボディ背面に心拍数を計測できるセンサーを搭載している。心拍トレーニング(心拍数を計測してその数値を運動強度の指標とするトレーニング法)を行うようなランニング上級者でも活用することができる。
【まとめ】Apple Watch Series 2は"スポーツでも使える"高機能スマートウォッチだ!
Apple Watch Series 2のすごいところは、スポーツウォッチとしてこれだけ優秀な機能を備えていながら、それが数ある機能の一部にすぎないということ。
そもそもApple WatchはiPhoneをより快適に使いこなすための子機のようなものであり、時刻や天気の確認、メールやカレンダーといった情報の閲覧、メッセージの通知、音楽の再生、MacBookの認証など、さまざまなことを手元でこなせる便利で高機能なスマートウォッチだ。
今回のApple Watch Series 2ではGPS搭載や耐水性能アップなどスポーツウォッチとして大幅な進化を遂げた上、Apple Payにも対応して利便性もさらに向上した。
筆者のように初代の購入を見送った人も、今回は見送る理由が見当たらない。
Apple Watch Series 2 の製品情報はこちら
文:榎本一生
撮影:稲田 平