2016/10/25

iPhone 7 Plusのカメラはどれだけ凄いのか? 試してみた

スマホでの撮影テクニックを探求し、SNSでたくさんシェアしてもらう写真を模索するTSスマホカメラ部。今回は、9月に発売されたばかりのiPhone 7 Plusのカメラ性能に迫ります。

最初に、先代モデル(iPhone 6s Plus)と比べて現行モデルのカメラはどう変わったのか?ざっくり言うと、「画質を落とさず2倍ズームができるようになった」「暗い場所での撮影に強くなった」「防水カメラとして利用できるようになった」というところです。

カメラに詳しくないとついていけないかもしれませんが、おもに写真関係のトピックをおさらいしましょう。

  • 1.「従来の広角カメラ」と「2倍ズームの望遠カメラ」の2つのカメラを搭載。
  • 2.広角カメラが29mmから28mmへと変更され、ほんのちょっとワイド化。
  • 3.広角カメラの明るさがF2.2からF1.8になり、暗い場所での撮影に強くなった。
  • 4.デジタルズームが最大5倍から最大10倍になり、よりズームできるようになった。
  • 5.True Toneフラッシュが倍増され、フラッシュ撮影がより明るくなった。
  • 6.今後のアップデートで背景をボカす加工を利用できるようになる。(予定)
  • 7.自撮りカメラが5メガピクセルから7メガピクセルへと画素数アップ。
  • 8.自撮りカメラにも手ブレ補正機能が付いた。
  • 9.顔検出機能に加え、人体検出機能も追加された。
  • 10.RAW形式で記録できるようになった。

常日ごろ、撮影すれば即座にSNSにアップできるiPhoneカメラの機動性に感心しつつ、その画質に納得がいかなかった筆者も、今回の望遠カメラの搭載で「これならコンパクトデジカメを持ち歩かなくて済むかも」と、iPhone 6s Plusの購入から1年を待たずしてiPhone 7 Plusに機種変してしまったのでした。

では、その実力やいかに。iPhone 7 PlusとiPhone 6s Plusを持って秋の瀬戸内に出かけてみました。

ズーム機能を比較してみた

まず、画質以前に感動したのが、カメラアプリの使い勝手の向上です。広角カメラから望遠カメラへの切り替えは、縦持ちだと画面下部、横持ちだと左右に表示される「1×」というアイコンをタップするだけ。即座にカメラが切り替わり、素早くズームできます。広角レンズに戻す場合は「2×」という表示に変わったアイコンをタップするだけ。広角と望遠をパッパッと行き来できる軽快さは、従来のデジカメになかった操作性です。

さらに1倍から10倍まで細かくズームしたい場合は、「1×」「2×」のアイコン周辺を指で上下(もしくは左右)させるだけ。従来のiPhoneのデジタルズームは人さし指と親指でつまむように操作するピンチイン・ピンチアウトが必要で、どうしても両手でiPhoneをかまえなければなりませんでしたが、iPhone 7 Plusの場合は親指だけ、つまりで片手でズーミングが可能なのです。

気になる光学2倍ズームにあたる望遠カメラの実力はどうでしょう。今回はフェリーの船上から、遠くを航行するタンカーをiPhone 7 Plusの望遠カメラと、iPhone 6s Plusのデジタルズームで狙ってみました。ちなみに望遠カメラは、被写体が近すぎる場合や、周囲が暗すぎる場合、光学ズーム(レンズの焦点距離を変えるズーム)から自動的に、より明るい広角カメラのデジタル2倍ズーム(画像データを切り取ってサイズを大きくするズーム)となりますのでご注意ください。

■iPhone 7 Plus(望遠カメラ)

■iPhone 6s Plus(デジタルズーム)

これだと違いがあまりわからないかもしれませんね。では会社ロゴの部分を切り出してみましょう。

■iPhone 7 Plus(望遠カメラ)

■iPhone 6s Plus(デジタルズーム)

iPhone 6s PlusではKの文字を始め、周辺の海や島のディテイルがガタガタしていることがわかります。明らかにiPhone 7 Plusの望遠カメラが高画質ですが、それもあくまで大画面で見たり、紙にプリントした場合の話。SNSに投稿した写真をスマホで見てもらうようなケースでは、ほとんど差が出ないと言えるかもしれません。

iPhone 7 Plus(望遠カメラ×デジタルズーム)

ちなみに望遠カメラで最大10倍のデジタルズームを試してみた野口五郎岳からの槍ヶ岳の写真がこちら。望遠カメラには手ぶれ補正機能が付いていないこともあり、さすがにガタガタしていてノイズもひどいものですが、3~4倍程度なら使用は可能。実際、Instagramにアップして好評を得た五郎池の写真(下に掲載)も、3~4倍ズームした写真を加工したものです。

暗い場所での撮影や、自撮りカメラの性能は・・・・・・?

続いて暗い場所での写りの違いを見てみましょう。

■iPhone 7 Plus

■iPhone 6s Plus

■iPhone 7 Plus(拡大)

■iPhone 6s Plus(拡大)

これらは明暗の差がとくに強い夜のステージを撮り比べたものですが、iPhone 7 Plusで撮影した写真の方が輪郭や色味、グラデーションが美しく記録されていることがわかります。居酒屋やレストランなど、暗い環境ではその威力を発揮すること間違いなしです。

最後に自撮りカメラの比較です。

■iPhone 7 Plus(Facetimeカメラ)

■iPhone 6s Plus(Facetimeカメラ)

これもまた、拡大すれば違いがわかる程度の差ではあるものの、色再現度の違いはあり、肌の色つやが健康的に写るのはiPhone 7 Plusであるように感じました。

結論として、カメラ視点でiPhone 7 Plusは買いかどうか? と言いますと、個人的には買って良かったと思っています。ただ、写真の元データを見れば差は歴然なのですが、サイズを小さくしてSNSにシェアするぶんにはその違いに気づかない人もいるだろうな、と。

そのうえでまとめると――

■iPhone 5sやiPhone 6シリーズからの機種変なら絶対にオススメ!

■iPhone 6sシリーズからだと、防水性能やApple PayのSuica対応にもメリットを感じるなら機種変の価値あり

・・・・・・というような塩梅です。今回掲載した比較写真を見て「これは!」と思われた方は、買い替えを検討してみてもよいのではないでしょうか。

文:熊山 准