2016/08/12

自撮り棒の選び方! シャッター付き「2,000円以下」の4本を試してみた

スマホでの撮影テクニックを探求し、SNSでたくさんシェアしてもらう写真を模索するTSスマホカメラ部。今回のテーマは、いまや観光地や飲み会では必需品といってよいほど市民権を得た感のある「自撮り棒(セルカ棒)」の選び方です。

「え、自撮り棒なんてどれも一緒でしょ?」と思われるかもしれませんが、機能や使い勝手はモデルごとにずいぶんと異なりますし、値段もピンキリ。とりわけ値段に関していえば、一昨年の日本上陸時に比べると、下はワンコインから、上すら2,000円も出せばフルスペックが選べるほど価格がこなれました。

いまや選択肢が豊富なだけに「どれを買っていいのかわからない」のが自撮り棒の世界。そこで今回は、Amazonにて2,000円以下で売られている自撮り棒を実際に購入して、あらためて自撮り棒を選ぶ際のポイントをまとめてみました。

【ポイント1】もっとも重視すべきは、シャッターのカタチ

シャッターはグリップ部にあるモデルと、ワイヤレスリモコンになっているモデルの2パターンある

自撮り棒の種類と、その使い勝手を大きく分かつのが「シャッターのアリナシ」です。そりゃあ、最安値を求めれば200円でも買えますよ。でも、長く伸ばした自撮り棒を手元に寄せて、スマホのシャッターボタンを押して、セルフタイマーが効いている数秒のあいだにアングルや表情を準備するのは至難の業。構図も笑顔もばっちりキマッた1枚を撮影するなら、やはりシャッター付きでしょう。

そのシャッターもさまざまで――

  • 【A】 イヤホンジャックで接続し、自撮り棒のグリップにあるボタンでシャッターを切る有線タイプ
  • 【B】 Bluetoothで接続し自撮り棒のグリップにあるボタンでシャッターを切る無線タイプ
  • 【C】 Bluetoothで接続しワイヤレスリモコンでシャッターを切る無線タイプ

――と3パターンございます。お値段的には有線は安く、無線でリモコン付きになると高くなります。

それぞれのポイントを述べますと、まず【A】【B】共に、自撮り棒のグリップ部にボタンがあるタイプはシャッターを切った際に手ブレしてしまう可能性があります。これを防ぐためには、短めのセルフタイマーをいちいち設定する手間が発生します。その点、リモコンタイプは手ブレのリスクは減るものの、リモコンを「紛失する」可能性がなくもありません。また、ほとんど心配する必要はないかもしれませんが、【B】【C】は自撮り棒自体にも電池が必要なので、電池切れというリスクもあるでしょう。

それぞれメリットデメリットをまとめると、「安くて電池いらずの【A】」「オールインワンでシンプルな【B】」「リモコンが便利な【C】」といったところでしょうか。

【ポイント2】長けりゃいいってものでもない

上からMONOPOD、SIDAROE、TaoTronics、Arespark。購入価格の安い順に並べてみたところ、高い方が長いというわけではなさそうです

自撮り棒の「長さ」も押さえておきたいポイントです。長ければ長いほどアングルの自由度が増すため、ひとまず長めを買っておけばOKともいえますが、長すぎると当然重量も増すため携帯性が落ちますし、伸ばして使うと不安定になり、手ブレの危険が増します。単純に、大は小を兼ねるというわけでもないのです。

今回購入した自撮り棒の最短は77cm、最長で1.2mでしたが、77cmだと3人幅程度の自撮りまで、1.2mだと5人幅程度の自撮りまで可能なので、「仲のよい少数名と撮れればいい」のか、「大勢で撮りたい」のかで選ぶと良いかもしれません。

左は全長77cmのSIDAROE、右は全長1.2mのAresparkを使って撮った写真。棒が長くなるほど引いた写真が撮れるので、大人数や風景を写しやすくなります。手がプルプルしますけど......

【ポイント3】自分の端末や使い方に合っているかは要チェック

ホルダー部はすべてスマホを挟み込む伸縮タイプ。ケースを装着したiPhone 6s Plusもなんとか対応した

上記のポイント1、2を踏まえたうえで、意外と見落としがちなのが自分の端末や使い方に合っているかどうか。自撮り棒によっては対応OSが決まっていて、スマホの機種によってシャッターなどがうまく作動しないこともあります(今回購入したモデルはiOS/Android両対応)。それに、なかには大きめのスマホケースを使っている方もいらっしゃるでしょうから、ケースをつけたまま装着できるかどうかも重要なポイントでしょう。

また、機能性を取るか、携帯性を取るかも、人によって分かれるところ。

左から、MONOPOD、SIDAROE、TaoTronics、Arespark。折りたたんだサイズで並べてみました
スマホホルダー部が取り外せない分、折りたたむことでコンパクトに持ち歩けるTaoTronicsとSIDAROE
こちらはArespark。自撮り棒のグリップエンドに三脚穴があれば、携帯三脚やワイヤレスリモコンと組み合わせることで遠くからシャッターを切ることができます

今回購入して試した自撮り棒は、以下の4本。それぞれメリットデメリットがあって、悩ましい限りですが、みなさんの自撮り棒選びに役立てば幸いです。

※以下、価格はすべて、2016年8月1日時のAmazon価格

「伸びるスタンド棒」(MONOPOD/214円)

シャッターなし/長さ1m/デジカメ固定可能/三脚穴あり
「MONOPOD」という名前で、多くの販売ルートから売られている格安自撮り棒。シンプルながら必要な機能は備えている。個体によってスマホの固定ネジが長すぎ、一部のスマホでは固定しきれずグラつくのが玉にキズ。

「SIDARDOE 自撮り棒」(SIDARDOE/999円)

有線シャッター/長さ77cm/デジカメ固定不可/三脚穴なし
今回購入したモデルのなかではもっとも短いものの、軽くてシンプル。とりわけスマホホルダー部までコンパクトに収納できるギミックに感動。唯一収納ポーチが付属する。

「TaoTronics TT-SH10」(TaoTronics/1,599円)

無線シャッター(手元)/長さ86cm/デジカメ固定不可/三脚穴なし
収納サイズがもっとも短いモデルで、SIDARDOE同様、スマホホルダー部までコンパクトに格納可能。バッテリーは内蔵式でmicroUSBにて充電する。

「Arespark 自撮り棒」(Arespark/1,880円)

無線シャッター(リモコン)/長さ1.2m/デジカメ固定可能/三脚穴あり
スマホの自撮り棒というよりはデジカメ用一脚の性格が強いモデル。デジカメでの自撮りに便利なミラー装備。伸縮はレバーでロックするタイプのため、機動性はやや劣る。また最長モデルだけに収納サイズも大きくかさばるのが難。

文:熊山 准