2016/04/18

スマホ撮影時にグリッドで「写真の構図」を決めるコツとは

スマホでの撮影テクニックを探求し、SNSでたくさんシェアしてもらう写真を模索するTSカメラ部。第2回のテーマはズバリ「構図」です。景色でも食べ物でも人物でも、被写体をいかにバランス良くフレームに収めるかが良い写真の第一歩。でも、絵心やデザインセンスに通じる感覚的な要素だけに「考えれば考えるほどワカラナイ」と頭を抱えている人も少なくないのでは?

でも案ずるなかれ、まずはしっかり基本を抑えれば構図は簡単にキマります。

iPhoneの場合は「設定」→「写真とカメラ」→「グリッドライン」をオンにすると表示されます

第1回 即実践!iPhone写真で『いいね!』をたくさんもらうテク」を思い出してください。その【2】で紹介したのがまさに構図でした。すなわち――構図を決めるときは、グリッドを活用すべし、です。

水平線が地平線、あるいは建物やテーブルなど、水平や垂直がビシッとキマっているだけでも写真の印象はアップするもの。そこで便利なのが、スマホカメラに表示されるグリッドラインと呼ばれる補助線です。

多くのスマホではタテ、ヨコそれぞれを三等分にした補助線が表示されていますよね。このグリッドは、「三分割法」と呼ばれる、写真や絵画の基本構図なのだそうです。

たとえば風景を撮るなら、水平方向のグリッドラインに地平線や水平線をあわせ、さらに人物やビル、太陽といった目を引く被写体をタテヨコのグリッドラインが交わるポイントに配置するだけで、バランスの取れた安定感のある写真を撮ることができるのです。

たとえばこちらの富士山写真。ど真ん中に配置するのも悪くはありませんが、水平と垂直のグリッドラインが重なる点に富士山を持っていくと裾野が広がり、「雄大さ」を強調できます

構図には「三分割法」のほかにも、「二分割法(上下対称と左右対称)」「三角構図」「日の丸構図」「透視図法」など各種あります。しかし、いろんな構図を闇雲に試すよりは、この三分割法で「風景」「食べ物」「人物」などさまざまな被写体を撮り比べてみるほうが、勘所をつかみやすく上達への近道になるはず。

そこで、この「三分割法」、つまりiPhoneのグリッドを意識して、線や交点に何を配置するかを考えながら、いろいろと撮ってみました。

高いビルの屋上から東京の街並みをパチリ。水平線をグリッドラインの下側にあわせると、空の広がりが強調できます(あいにくのお天気ですが......)

水平線を上のグリッドラインにあわせると、街の広がりが強調できます。なお、ちょっと見えにくいですが、東京タワーをグリッドラインの垂直線にあわせているのもバランスよく見えるポイントです

食べ物も三分割法を意識してパチリ。こちらは「天ぷら」「2種類の蕎麦」を三分割法で3つのエリアに分けてみました

作例はこけしですが、人の顔も三分割法のグリッドラインに沿わせたり、交点にレイアウトすることでバランスの良い構図になります

人物作例その2。この場合は右上と左下の交点を目印に、対角線の右側に体を配置しました。左上のエリアをあえて空けることで、躍動感や空間の広がりなどが表現できます

いかがでしょう? タテ・ヨコの線や交点になにを持ってくるかが初心者には難しく、センスが問われるポイントであることを実感しました。試しにFacebookやInstagramで数多くの「いいね!」を集めている美しい写真(有名人や可愛い&面白い系の写真は除きますよ)に、三分割法のグリッドラインを重ね合わせてみたところ、面白いようにぴったりと重なることが多かったです。

頭のなかで三分割の補助線を重ねてみると写真を見る目が肥えそうですし、自分がいいなと思った写真の構図を真似するのも、スマホ写真上達の近道かもしれませんね。

ほかにも、中~上級者向けにはさまざまな構図の型があります。三分割法で基礎を磨きつつ、シーンごとに見栄えのする構図についても、また別の機会に取り上げたいと思います。

文:熊山 准