2015/11/09

【検証】頭痛の30%以上は天候が原因? “頭痛予報”を取り入れてみる

朝起きてカーテンを開けると、どんより曇り空。体もいつもよりなんとなくダルい......そんな経験をしたことはないだろうか。かく言う筆者も天気の変化に敏感で、台風が近づいている日は特に身体が重く感じられて、ベッドから起き上がるのもひと苦労するタイプだ。

テルモ株式会社、立正大学、国土環境株式会社が、40~60歳代の一般生活者と慢性疾患患者1,500人を対象としたアンケートによると、実に81%の人が「天候と体調に関係がある」と考えているようだ。中でも、気温の変化で頭痛や目まいを経験した人は17.3%、天候の変化で頭が痛くなるという人は16.9%と、頭痛に影響があると答えた人は、合計で30%以上になる。そのほかの疾患でも、皮膚アレルギーやぜんそく、低血圧など、天候の影響を受けやすいという結果が出ている。気力でどうにかできる類のものばかりではないのだ。

気圧の変化がひと目で分かる「頭痛ーる」

特に、よく言われるのが「気圧の低下と頭痛の関係」だ。気圧が低くなると血管が膨張して神経を圧迫するから、とか、自律神経のバランスが崩れるから、とか、その原因については諸説あるものの、筆者も「下がると痛む」の経験はある。天気や気温だけでなく、気圧の変化も把握できれば、大事な予定の前に睡眠を十分に取ったり、アルコールを控えるなど、対策が取れるはず。

そのように考える人はやはり多かったのか、2013年にリリースされて1カ月で4万ものダウンロード数を記録したのが今回紹介するアプリ「頭痛―る」だ。

使い方は簡単。まず、全国1,900カ所から地点を選択すると、登録地点の6日間の天気・気温が表示され、グラフ化された気圧が表示される。グラフでは、6日先までの気圧の変化を確認することができ、気圧が大幅に下降する時間帯には注意表示がなされ、アラートの設定も可能だ。

「頭痛ーる」のもうひとつの特徴に、1時間ごとに入力できるコメント機能がある。予定帳代わりにスケジュールを書き込む使い方もいいが、その時の体調を記録しておき、同じような天気や気圧の時に備える目安にするというのがお勧めだ。

まずは自宅や会社など、1日の大半を過ごす地点を登録しておこう

定期的にグラフを確認することで、気圧に合わせて体調管理ができる。下降している時間は頭痛に要注意!

コメント機能で体調&スケジュール管理

晴れていたからといって、気圧も安定しているとは限らない。10月に入ってから関東地方は爆弾低気圧に襲われたが、その後は比較的穏やかな気候に恵まれていた。だが、5日から8日にかけて気圧は下降線が続き、8日も午前中に大きく下がった。

この日、「頭痛ーる」の予報通りに気圧が急降下し、なかなか起き上がれなかった筆者。ようやく「あたま割れそう......」と、「頭痛ーる」にコメントを入れて、午前中に細々とした雑事をこなすことは諦めてパタリ。体が慣れる午後から動き出すことにした。

どんなときに頭が痛くなったかコメントしておくと、傾向が見えてきて、体調管理に生かすこともできるかも

気圧の底は15時。空はこんなに青いのに、頭の奥にはまだ鈍痛が......。それでも幾分マシになったので、遅れていた仕事をカバー。「頭痛ーる」は、自分の体調と天候との関係を考慮に入れつつ、日々の仕事や生活に生かしていく、というのが賢い使い方だろう。また、コメント機能をうまく活用して、自身の体調が悪かったときの気圧を記録しておくと、同じような天候の際に、無理のないスケジュールを立てるなど、役立つ。よほど気圧が急降下する時には、事前のリスケも検討できるだろう。

とはいえ、頭痛の原因はさまざまだ。気圧の変化だけを過度に気にしてストレスになっては元も子もないので、あくまでも"目安"として、いいお付き合いをしたい。

ちなみに、画面の下にいるキュートなキャラクターは、それぞれ気象予報士の「ふくろう博士(ヒロシ)」とネコの「マロ」、それに「てるてるネコ」という名前なのだが、「基礎知識」の紹介によると、ストーリーが重くてどんよりする。興味のある方はご一読を。

文:ふじいりょう