2015/11/05

【検証】オバマ大統領愛用のスマートウォッチ『Fitbit』って何ができるの?

パソコン、スマートフォン、タブレットに続いて、新たなデバイスとして注目を集める「ウエアラブル端末」。なかでも今春、アップルが発売した「Apple Watch」は、メール・メッセージの到着通知がされたり、Siriを利用できたりと、気になっている人も多いのではないだろうか。

ただ、当然ながら、Apple WatchはiPhoneとの連携を前提にしたもの。そのため、AndroidユーザーがApple Watchを手に入れても、その機能を最大限に生かすことはできない。

そこで、iOS、Androidのどちらとも連動するウエアラブル端末として登場したのが、この「Fitbit」だ。サンフランシスコ発のスマートウォッチで、健康管理の機能に重点が置かれている。日本国内では、機能と価格帯によって5種類の商品が展開されている。そのなかでも、最もハイスペックな「Charge HR」は、時計としての機能はもちろん、「歩数・カロリー・距離計算」「睡眠の記録」「(階段を)登った階数の記録」「心拍数の計測」などが可能となっている。

果たして、どれほどハイスペックなのか。そこで今回、筆者が実際に利用して感じたこのデバイスの特徴をまとめてみたい。

「深い眠り」「浅い眠り」が検知できる!

Charge HRをつけたまま眠ると、睡眠時間の把握が可能だ。「12時〜6時」といった単純な睡眠時間がわかるだけではない。「浅い眠り」と「深い眠り」、さらには「寝返りをうった回数」まで分かってしまうのだ。

上の写真は、筆者のある日の睡眠を記録した「ログ」。グラフの青い部分は深い眠りについていた時間帯、赤い部分は浅い眠り、あるいは、目が醒めてしまった時間帯を示す(グラフにカーソルを合わせると、当該時刻が分かる)。また、下の写真の右側に表示されているのは、「寝返りを繰り返している状態(の時間)」と「寝返りの回数」。こうした睡眠に関するデータを取っていけば、たとえば「お酒を飲んだ日は眠りが浅い」「運動した日はよく眠れる」といった相関も見えてくるかもしれない。

従来の歩数計とはひと味違う「歩数計測」機能

Fitbitのすべてのラインナップに搭載されている「歩数計測」機能。しかし、単純に歩数を計り、そして表示するだけではない。

先にも述べたとおり、Charge HRは階段を登った階数の表示が可能。デバイス内部に高度計が内蔵されており、歩数とともに分析することで、ビルの何階分を歩いて昇降したかも分かるというわけだ。また、1万歩を超えるとバイブレーションで通知されたり、アプリ上で「友達」となっている人と歩数を競ったりできるなど、達成感を味わえる仕掛けが設けられている。これらを活用していけば、自然とエレベーターやエスカレーターなどを"自然に"使わない生活へシフトすることができそうだ。

ランニングを"科学的"に考察できる

まず、スタート前にアプリで「エクササイズの記録」を選択。Charge HRの本体にも独立したストップウォッチが内蔵されているが、このエクササイズの記録だけでも、時間のほか平均速度など、あらゆるデータを記録し、走行後に分析できる。

たとえば、走行したルート。GPS機能のついたスマートフォンとの併用により、上の写真のように走行距離を算出してくれる。

また、心拍数を計測することで、自分がどれほど激しい運動をしていたかを認識できる点は、Fitbitの大きな特長といえるだろう。筆者の年齢では、心拍数110/分〜は軽度の運動でも脂肪燃焼できるゾーンで、同135/分〜は比較的激しい有酸素運動のゾーン、同152/分〜は、極めて激しい運動である「ピークゾーン」となる(米国心臓協会による「目標心拍数」の定義による)。これをもとに、自分が行った運動はどのゾーンに位置するかが、確認できるのだ。

今回、筆者が皇居外周を走った結果、タイムは34分、消費カロリーは388kcal、そして心拍数は34分のうち33分がピークゾーンにあった。

ちなみに今年5月、Fitbit「Surge」(日本未発売)を装着してインタビューに応じるオバマ米大統領の姿が報じられ、ガジェットマニアのあいだで話題となった。Fitbitは日々の激務をこなす大統領をサポートしているのだ。

今回ご紹介したCharge HRや、オバマ大統領愛用のSurgeなどハイスペックなものでなくても、たとえば、歩数計速と時計としての機能を有する「Zip」は4,000〜5,000円台で販売されている。両親、祖父母へのプレゼントとしても、センスの良いデバイスとなるだろう。

文:藤麻 迪