2018/02/14
スマホアプリで音量・音質を自在に調整 スマート補聴器『リサウンド』が役立ちすぎる
日本で難聴や聴力の低下に悩む人は1,430万人いるといわれており、日本の総人口の11.3%となる(※1)。さらに高齢化の一途を辿る昨今、老人性難聴の有病率は男性の場合、70〜74歳で約半数にも上り(※2)、高齢者の直面する症状のひとつとなっている。
それに伴い、ニーズが増加しているのが補聴器だ。こういった問題を抱える人にとって補聴器は社会生活を営むうえでとても重要な助けとなるが、一方で課題もあるようだ。
従来の補聴器では、後方からの音声を拾いづらく、周囲との距離感を掴めないケースも少なくなかった。かといってむやみに音量を上げれば、「聞こえたくない雑談まで聞こえてしまう」「大声で話しかけられると驚いてしまう」といった別の問題が発生する。納得いくまで専門家による調整を受けたいところだが、そのためには店頭に何度も足を運ばなければならない……。
そうした課題をITのチカラで解決する次世代型の補聴器が登場し、注目を浴びている。スマートフォンを介して操作できるスマート補聴器「リサウンド・リンクス3D」だ。
専用アプリからクラウドに接続、課題を解決する「スマート補聴器」
世界的な補聴器メーカー「GNヒアリング」の日本法人から発売された「リサウンド・リンクス3D」は、補聴器をスマートフォン(iOS/Android)の専用アプリと接続し、Bluetoothを通じて音量・音質などを調整できるスマート補聴器だ。
従来の課題を解消するべく、「リサウンド・リンクス3D」では、音量・音質を専用アプリ上から詳細に設定し、Bluetoothを通じてすぐさま補聴器に反映できる。アプリの仕様もシンプルなので、高齢者でも操作性は心配ない。
さらにはクラウドを経由した遠隔操作によるサポート体制を整え、何度も店舗に行かなければならない問題にも対処してみせた。
クラウドを通じて遠隔サポート
さまざまな機能を持つ「リサウンド・リンクス3D」だが、なかでも遠隔で調整や設定を行う「遠隔サポート」は利用者にとって大きなメリットとなる機能といえるだろう。自宅にいながら専用アプリを通じ、販売店にいる専門家のサポートを受けられるのだ。
依頼方法は簡単で、「聞こえ」に関するアンケートに答えるだけ。専門家はそれを受け、アプリでは調整できない根本的な設定を変更したり、調整用のプログラムを作成・送信してくれる。また、こうしたサービスはクラウドを経由しているため、専門家は現在の設定や使用履歴も参照できる。
環境に応じて「聞こえ」を自動で調節
従来の補聴器では、環境によって「聞こえ」が左右されるのも課題だった。静かな場所と、騒がしい場所では当然ながら「聞こえ」も変わる。場所によって誰がなにを話しているのか判別しづらくなってしまうことがあるのだ。
こうした課題に対処するべく、「リサウンド・リンクス3D」は環境に応じて「聞こえ」を自動調節してくれる機能を備えた。「静かな場所」「騒がしい場所」など、環境の分類ごとに音量に調整してくれるため、快適な「聞こえ」を維持できるのだ。
ほかにも雑音を自動で抑制する機能もあり、使用者は場所を移動してもいちいち設定を変えなくていい。自動調節された「聞こえ」にしっくりこなくても、アプリ上から「レストラン」「屋外」などのシーン、「快適優先」や「会話優先」などの目的をタップで選択するだけで、音量・音質を最適化してくれる。また風の強い環境でも最大限快適に聞き取れるよう、風切り音を抑制できる機能が備わっているのも嬉しい。
GPS機能もフル活用。万一の紛失にもご安心を
GPS機能も装備し、補聴器としての新境地も開拓している。
たとえば、お好みの音量・音質を「お気に入り」に保存する機能。これをGPSと連携させれば、その場所に訪れたときに設定を自動的に適用させることができる。
耳の遠い人にとっては「うっかり補聴器を落としてしまった!」なんてアクシデントも大敵だが、これにもしっかりと対処。スマホで最後にペアリングの切れた場所をGPSから割り出せるのだ。
通信やクラウドの活用によって、今後さらなる進化を遂げる可能性を秘めているスマート補聴器。これまで補聴器を敬遠していたが「リサウンド・リンクス3D」の存在を知り、わざわざスマホに乗り換えて利用している人もいるという。
難聴を抱える人々が快適な日常生活を送るために、スマホや通信のチカラで解決策を提示した「リサウンド・リンクス3D」。こうしたIoT製品の登場は、今後の高齢化社会を支えていくカギとなりそうだ。
商品名/リサウンド・リンクス3D
メーカー名/GNヒアリングジャパン株式会社
価格/220,000円(片耳)396,000円(両耳)~500,000円(片耳)900,000円(両耳)
※1 一般社団法人日本補聴器工業会調べ(2015年) ※2 WHOの基準通り26 dB以上を難聴と定義した場合(参考:日本老年医学会)
文:佐藤宇紘