2018/01/17

ネスレが本気で作ったオフィス向けキットカット専用販売機『たのめるくん』がスゴい

仕事中、気分展開に飲める美味しいコーヒーや、小腹が空いたときにちょいとつまめる甘いものがあると非常に助かるもの。実際、最近では社員が自由に利用できる設備や施設を設ける会社が増えているようだ。

そのひとつとして有名なのが、ネスレ日本が提供する「ネスカフェアンバサダー」。このサービスはネスカフェのコーヒーマシンをオフィスに無料で貸し出すというもの。2011年11月の開始から現在では応募者数35万人を突破している人気のサービスだ。

そんなネスレ日本がオフィス向けキットカット発注システム「キットカット たのめるくん」を、ネスカフェアンバサダーに向けたサービスとして2017年12月から開始した。

これは、ハンドルを回すとキットカットが好きなだけ出てくるという、いわば「キットカット専用の小型自動販売機」。ボックス内のキットカットが少なくなったら、ボタンを押すことで追加分を自動的に発注してくれる。デスク仕事で疲れたアタマにキットカットで糖分補給……確かに魅力的だ。

実績のある2社が開発し、最新の情報技術を駆使

オフィスからキットカットを頼めるサービスというのが面白いが、こちらのサービスが最新のIoTネットワークを駆使している点にも注目したい。

追加発注をかけるボタンは、京セラグループのKCMEが開発した、低価格、低消費電力、長距離伝送を特長としたグローバルIoTネットワーク「Sigfox」専用の通信デバイスを使っている。またその発注データは「Sigfox」クラウドサーバを経由し、ACCESSが開発したオーダーサーバーに送信されるのだという。

それを開発した2社の技術もかなり本格的だ。

自社製品である通信デバイスとデータ連携APIの提供・開発を担当したKCMEは、Mobile InternetやAI、IoT、ビッグデータ、仮想クラウドなどのICT・通信分野を幅広く展開するグローバルカンパニー。

一方の「キットカット たのめるくん」の機器およびシステムの仕様策定と本体をクラウド連携させるためのサーバー開発、システムインテグレーション全般を担当するACCESSは、累計搭載実績15億台を超えるモバイルソフトウェアおよび300社以上の通信機器メーカーへの採用実績を誇る独立系ソフトウェア企業だ。

安価で簡単にオフィスに導入可能

「Sigfox」は、新無線通信技術「LPWA(Low Power Wige Area)」のひとつとして、世界中で注目されているIoTネットワーク。特別な通信環境を構築しなくても安価で簡単にオフィスに導入することができる。

類似サービスとして、自動販売機やお菓子ボックスを常設できるサービスなどもすでに存在しているが、それらに比べても効率的でコスト削減になることは間違いなさそう。

ネスレ日本では、2018年末までに「キットカット たのめるくん」の1万オフィスでの導入を見込んでいるとのこと。これが達成されれば、自前のチョコをデスクの中に隠しておく必要は、もうなくなるだろう。

文:安東 渉(EditReal)