2017/10/23
あなたにピッタリなのはどっち? iPhone 8とiPhone Xの魅力を徹底レビュー
新型が登場するたびにメディアが賑わうiPhone。iPhone誕生10周年を祝うプレミアムモデル「iPhone X(テン)」と、従来型からさらなる進化を遂げた「iPhone 8」。あなたと私の前に立ちはだかるのは「いったい、どちらのモデルを買うべきか」という大きな問題だ。
新機能や技術解説はこれまでTIME & SPACEでもご紹介してきたが、ハイスペックな機種に魅力を感じる人がいる一方で、慣れ親しんだ使いやすさを重視するという人もいるだろう。機種選びの悩みポイントは、実に多様である。
そこで今回は、「X」と「8」を色々な観点で比較を試みた。あなたにピッタリなiPhone選びの参考にしてほしい。
「X」と「8」、充電・防水などの基本性能は同じ
機能面で2つの最新モデルが同等の性能を持っている点は多い。まず容量は64GB/256GBの2種類、チップセットは最新のA11を搭載しているという点。また、防水・防塵性能はIP67(6等級の防塵性能と7等級の防水性能という意味)を誇る。充電方式は「X」も「8」もQi規格のワイヤレス充電が可能なうえ、30分で最大50%充電できる高速充電にも対応している。
基本性能に関わる部分は、両者共に高い性能を備えていることがわかる。ユーザーのニーズをハイレベルで満たしているから、機種選びで差がでるのは、デザインや新機能になってくる。
デザインの美しさなら「X」、持ったときの安心感なら「8」
新しいiPhoneにちょっとでも興味がある人なら「X」の特徴的なデザインが記憶に残っているだろう。iPhoneのアイデンティティとも言える丸いホームボタンを廃し、極限までベゼル(枠)が薄くなった大型の有機ELディスプレイを持つボディデザインは美しい。
それだけじゃない、ホームボタンが廃止されたから、アプリ操作はジェスチャーで行う。メールを見終わってホーム画面に戻るなら、画面のいちばん下から1回スワイプすればいい。マルチタスキングでほかの起動中アプリに移るときには、画面いちばん下からのスワイプを途中で止めるだけ。文字で書くとまどろっこしいが、実機を手にして操作すれば、自然に操作できるのだから不思議だ。日常のルーティーンとなったスマホ操作が、新鮮な感覚とともに新しいものに置き換わる。こんな刺激は「X」だからこそ、だ。
とにかく新しいデザインを“体験したい!”という、iPhoneファンなら、それだけで「X」を選択する理由になるだろう。
一方、「8」も前モデルとは異なり、ボディにはiPhone 4以来となるガラスを採用。見た目だけでなく強度も向上している。また、写真などではなかなか伝わりづらい部分だが、実際に手にしたときのトゥルンと吸い付くような感触に、「7」からの大きな変化を感じることができる。新モデルにふさわしい完成度の高いデザインといえる。
また、むしろベゼル(枠)があった方が持ったときに安心、という人も少なくないだろう。そういう人には「8」がおすすめだ。
ゴールド派なら「8」
2013年に登場したiPhone 5sで初めてラインナップされたゴールド。品のある美しい輝きに「iPhoneはゴールド派」という人は多いだろう。「X」のカラーバリエーションはシルバーとスペースグレーの2種類。ゴールドが欲しいなら、必然的に「8」を選ぶことになる。
スマホユーザーの多くはスマホをケースに入れて使っているが、「素がいちばん」と言ってケースをつけない派の人も少なくない。iPhoneの魅力のひとつは完成度の高い表面処理だ。手に持ったときに質感とともに、美しく仕上がったカラーリングは、眺めているだけでも飽きない。
「8」は外観にガラス素材を採用しているから、今までとは異なるしっとりとした光沢が楽しめる。ゴールド派にとって「8」はかけがえのない存在であろう。
iPhone史上最強のカメラなら「X」、今まで通りの画面表示なら「8」
「X」のカメラ性能はiPhone史上最強だ。レンズは12MP(メガピクセル)広角カメラと12MP望遠カメラを搭載。これはiPhone 8 Plusも同じだが、望遠レンズの性能は「X」の方が上。光学ズーム、デジタルズームで10倍の性能を持ち、ズームした際の画像の劣化がない。一方「8」はこれまで同様、最大5倍のデジタルズーム。「X」はあなたの写真の表現領域をズバッと広げてくれるのだ。
「8」のディスプレイ解像度は1,334×750ピクセル。これは前モデルとまったく同じだ。一方「X」は2,436×1,125ピクセルと解像度が1.4倍アップ。より高精細な画面となっている。性能的には間違いなく「X」が上なのだけれど、画面サイズが大きくなったことで、タテヨコの比率が変わっている。
これによって今まで撮影した写真を「X」で横向き表示にしたとき、写真の左右に隙間が生まれてしまうのである(Webサイトを見るときも同様)。画面が大きくなっても、サイズが合ってないから結果的に写真は小さく見えてしまう。前モデルで表示していたときのような”シックリ感”は乏しい。カメラ性能は「X」が上だけれど、今まで通りの画面表示で楽しみたい人には「8」がオススメだ。
最新最強の認証方式「Face ID」の「X」、使い慣れた「Touch ID」なら「8」
すでに話題となっているが、「X」では「Face ID」と呼ばれる最新の顔認証方式が採用されている。あらかじめ自分の顔データを端末に登録すれば、インカメラを自分に向けた瞬間にロックが解除される。大げさでなく、Face IDはスマホとユーザーの新しい関係性を構築する機能だといえる。
だが、「Face ID」の搭載は認証だけが目的ではない。
たとえば「Animoji」。「X」のインカメラはTrueDepthカメラと呼ばれるもので、人間の顔にある50以上の筋肉の動きを捉えて、12種類のキャラクターに自分の表情を反映させることができる。TrueDepthカメラとセンサーを使って実現した顔認証方式がFaceIDであり、一種のMRとして実現したのが「Animoji」だ。あなたの笑顔と同じように、画面の中のパンダが笑ったり泣いたり、変顔をしたりする。
メッセージのやり取りのなかで「Animoji」を使えば、今の気分をより楽しく、ダイレクトに伝えることができる。対応したアプリケーションが増えていけば、コミュニケーションの可能性が一気に広がりそうだ。
一方iPhone 8の認証方式は従来の「Touch ID」で、これらの機能は搭載されていない。使い慣れている認証方式がよいなら「8」が安心だ。
「X」と「8」、あなたの未来をともにするのはどっちだ?
ちなみに、Apple公式サイトにて「8」「8 Plus」「X」の詳細を確認できる。下の表は主だった特徴を比較したものだ。
あなたにピッタリなのは「X」か、「8」か。さまざまな比較ポイントがあるものの、確かに言えるのはどちらも前モデルより大きく進化し、あらたな体験ができるということ。お近くのauショップに行って自分の目で確かめてみてほしい。
文:吉田 努
※掲載されたKDDIの商品・サービスに関する情報は、掲載日現在のものです。商品・サービスの料金、サービスの内容・仕様などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。