2017/10/20
子どもの『爪噛み』『指しゃぶり』を矯正 癖に反応するウェアラブルデバイス
子どもを持つ親にとって心配ごとのひとつに、「爪を噛む」「指しゃぶり」といった子ども特有の“癖”がある。無意識にしてしまう行為だけに、放置していると気づいたときには子どもの指先がボロボロになってしまうこともある。こうした癖を治すには根気強い指導や注意が必要で、子どものうちに治さなければ、大人になっても癖が抜けないということもある。
ちなみにこちらの写真は「指しゃぶり」の癖が残る筆者の3歳の娘の指。爪や皮膚がボロボロの指先は見ていて痛々しいかぎりだ。
そんな癖を治すための画期的なウェアラブルデバイスが登場した。
パッと見ただけでは、最近よく見かけるフィットネストラッカーのように思えるこのデバイスは、米国のスタートアップHabitAwareが開発した、世界初の“癖”を感知・警告してくれるブレスレット型ウェアラブルデバイス「Keen(キーン)」だ。
このデバイスは、「髪を引っ張る」「爪を噛む」「皮膚をかく」「指しゃぶり」などの行動に対して内蔵のセンサーが反応し、バイブレーションでその行為(癖)を行ったことを本人に認識させるというもの。つまり、無意識に行ってしまう“癖”を、本人にしっかり意識させるというわけだ。
行動記録や癖の内容をスマートフォンアプリで確認
Keenは独自のジェスチャー検知アルゴリズムによって感知した癖の詳細を解析してくれる。感知した行動の記録や解析された癖の詳細は、iOS/Andoroidに対応したスマートフォンアプリで確認できるため、どの行為をどの程度行ってしまったかが一目瞭然。
親は記録された癖の回数を毎日確認してその癖が治ってきているのかがわかるほか、問題となる癖に代わる行動を提示してくれる機能などもあるので、頭を使って楽しみながら癖を治していけるという。
癖を感知した際に警告するバイブレーションは本体のボタンを押すと止まり、それと同時にその詳細が本体に記録される。アプリを起動すれば自動的にKeenを検出し、記録された癖をいつでも確認できる。
子どもに着けて使う場合はバイブレーションの止め方だけを教えれば、あとでアプリから確認ができる。親が目を離しているときでも、その癖がいつ出ているのかがわかる。
感知する癖や行動は日常行動などには反応しないように細かく設定することができる。本体はUSB充電式で、3時間でフル充電でき、1〜2日間使用することが可能だ。
癖を改善したいのは子どもだけじゃなく大人も同じ!
Keenの開発者であるAneelaさんは、過去20年以上、髪の毛や眉毛を引っ張る癖に悩んでいた。彼女はその悩みを夫と友人に打ち明け、その悩みを解決するためにスタートアップを立ち上げて、製品を共に開発したといういきさつがある。
彼女のように癖を改善したいという目的を持っているのは、子どもだけではない。髪の毛を引っ張るような癖だけでなく、皮膚をかくような癖で悩んでいる大人も多いだろう。そんな人たちは、まずその癖の回数や頻度を認識することがとても大切なのだ。
Keenのカラーバリエーションは「ブラック(スポーティーブラック)」「ブルー(スポーティーレイク)」「ブラウン(スタイリッシュ)」の3種類。現在はオフィシャルサイトにて129 米ドル(約14,400円)から販売中だ。日本からも購入可能なので、子どもの癖を治したい人や、自身の癖に悩んでいる人は、一度試してみる価値がありそうだ。
文:安東 渉(EditReal)