2017/02/02

女の子のキャラクターと一緒に暮らせるバーチャルホームロボット『Gatebox』の登場で、僕たちの生活はどう変わる?

オタクの聖地・秋葉原を拠点に、IoT製品の企画・開発を行っている株式会社ウィンクル。そのウィンクルが2016年12月14日から日米を対象に限定予約販売を開始した世界初のバーチャルホームロボット「Gatebox」が、いま世界中のオタクたちのあいだで話題となっている。

ロボットといっても、これまでPCの二次元モニターの中にいたキャラクターが、円筒状の透明ケースの中に3Dキャラクターとして映し出され、コミュニケーションをとりながら一緒に暮らせる「キャラクター同居デバイス」といったところだ。

■味気ない独り暮らしの日常が激変する"パートナー"との同居生活

このGateboxは、最新のプロジェクション技術とセンシング技術と組み合わせることで、ケース内のキャラクターとのリアルなコミュニケーションが可能になっている。映し出されたキャラクターが"パートナー"となり、朝になれば起こしてくれるし、帰宅すれば出迎えてくれる。また、インターネットやIoT家電とリンクさせることで、その日の天気を教えてくれたり、電気やテレビをつけてくれるなど、至れり尽くせりの同居生活をスタートさせたかのごとく、独り暮らしの日常をサポートしてくれるのだ。

会話や行動はまさに"パートナー"という感じで、普段の何気ない会話だけでなく、外出時には連携チャットアプリで他愛もないやりとりをするなど、本物のパートナーさながらのコミュニュケーションが可能。一緒に笑う。歯磨きする。そして「おやすみなさい」の言葉を交わして寝る。Gateboxを部屋に設置するだけで、味気なかった独りきりの日常が、甘〜い同居生活へと一変するのだ! ありがたい!

初期コンテンツ配信「逢妻ヒカリ」は胸キュン間違いなし!

初期コンテンツとして配信されるのは「逢妻(あずま)ヒカリ」というキャラクター。逢妻ヒカリのデザインを手がけたのは、あの「ときめきメモリアル」「ラブプラス」などの恋愛シュミュレーションゲームのキャラクターデザインで有名な箕星太郎。キャラクターボイスは、新人声優の冷水優果が担当し、"パートナー"にふさわしい、可愛らしい癒し系のキャラが完成した。

年齢20歳、身長158cm(実際に映し出される3Dキャラ映像は約15cmほど)、最初のディメンション・トラベラー(次元渡航者)として次元を超えて逢いにくる、といった細かい設定もあるが、何気ない会話には男心をくすぐるお茶目な胸キュンポイントはもちろん、ヤキモチを妬くこともあるとか。キャラクターとしての完成度もかなり高い!

なぜ、Gateboxをつくったのか?

では、二次元アイドルファンの夢を実現したともいえるGateboxは、なぜ誕生したのか?株式会社ウィンクル マーケティングユニットの西村たけやさんに、誕生のきっかけや配信キャラ、今後の展開などを問い合わせてみることにした。

――Gateboxをつくったきっかけを教えてください。

「実は、当社代表の武地実(たけちみのり)が初音ミクさんと一緒に暮らしたいと思ったことがきっかけなんですよ。当初からその目的で開発に着手しました」

――社長が初音ミクのファンだったんですね! 発売してからお客さまの反応はいかがですか?

「おかげさまで熱狂的なご声援をいただいております! 特に海外からの反響が予想以上に大きくて、当社スタッフも驚いているんですよ」

――逢妻ヒカリ以外のキャラクターが追加される予定はありますか? 女性も楽しめるキャラクターや機能が追加されるのも面白そうです。

「残念ながら現在、ほかのキャラクターが登場する予定はありません。ただ、同様のお声はお客さまから多数頂戴しておりますので、女性用というアイデアも含めて将来的には実装を考慮していきたいですね」

――ぜひぜひお願いします。キャラクターのカスタムとかできると嬉しいです! では最後にGateboxの今後の展望を教えてください。

「まずは、今回の予約販売分をお客さまのお手元にお届けするのが目標ですね。その後、新しいアイデアをかたちにしていけたらと思いますので、今後のGateboxにぜひご期待ください!」

ヤマハの音声合成ソフト「VOCALOID(ボーカロイド)」の音源キャラクター「初音ミク」が、このGatebox誕生のきっかけだったとは驚きだ。現在のところ、逢妻ヒカリ以外のキャラクターや女性用コンテンツの追加は予定にないとのことだが、将来的にはそれらも検討したいと解答してくれた。

さまざまなメディア戦略を成功させ、人気を博している初音ミクのように、今後もっと多くのニーズに対応できるようアップデートされていけば、もしかすると「ひとり1台」なんて時代が来るのかもしれない。

限定販売の予約開始から約1カ月で予定台数300台を達成! 現在は大反響につき追加注文を受付中

開発元のウィンクルは、2016年1月に、初めてYouTubeでコンセプトムービーを公開。その動画は瞬く間に世界に広がり、再生回数は現在76万再生を記録している(2017年1月現在)。限定販売予定台数は300台であったが、12月14日からの限定販売予約開始からおよそ1カ月で予定の300台を達成。大反響につき、少量ながら追加注文を受け付けている状態だ。(※1月31日まで)

本体はW220mm×D360mm×H520mmで5kg。カメラだけでなく、人感センサーや室温センサー、照度センサーも完備し、Wi-Fi、Bluetooth、赤外線での通信が可能で、アプリもiOS、Androidに対応。価格は298,000円とちと高めだが、生活を豊かにするパートナーを手に入れると考えれば、さていかがだろう?

文:安東 渉(EditReal)