2016/12/13

世界よ、これが日本のIT技術を結集した『スマートホステル』だ

IoTキングルームは12,800円/2室、IoTツインルーム9,500円/2室

福岡に最先端のIoTデバイスが集結したホステルがあるのをご存じでしょうか。その名も「&AND HOSTEL(アンドホステル)」。コミュニケーションロボットからデジタル窓まで、日本の最新テクノロジーを体感できるIoTルームを備えた、日本で初めての「スマートホステル」です。

8月にオープンして以来、ネットやクチコミで話題になり、関東からわざわざIoTルーム目当てに宿泊しに来るユーザーもいるとか。また、住宅業界でも話題になっており、住宅メーカーが視察に来て、今後の住宅市場の参考にしているとか。

上の写真はIoTルームの室内。一見ごく普通の客室に見えますが、実は最先端のIoTデバイスが揃っています。

まずは、&AND HOSTELで体験できる最先端デバイスをご紹介していきます。

体験できるIoTデバイスは全10種類

ホステルの全客室のうち4室がIoTルームとなっており、それぞれの部屋には10種類のIoTデバイスが設置され、滞在中は自由に使えるようになっています。

部屋に設置(※一部予約貸出)された10種類のIoTデバイス(2016年12月現在)

ホステル滞在を便利にするIoTツール

■Qrio Smart Lock/Qrio

まずは、部屋を開けるドアからIoT体験。スマホを使って開錠するスマートキーで未来気分。

■iRemocon/グラモ

スマホやタブレットと連携した高機能リモコンで、エアコンやテレビをコントロール。

■Atmoph Window/アトモフ

デジタル窓で、ホテルの部屋の窓が世界の美しい風景に変わります。

※参考記事:自宅のソファから、世界の絶景を。4K映像を映し出すデジタル窓

■スマート宅配BOX/エスキュービズム・テクノロジー

スマホをかざして開ける宅配ボックスで、不在時の荷物も安心。

ロボットから観光案内まで楽しめるエンタメ系IoTガジェット

■ヒューマンビジョンコンポ(HVC-C2W)/オムロン

人の表情や声を読み取り、年齢や性別などを判定できる「ネットワークカメラセンサー」を体験。

■PlugAir/Beatrobo

スマホのイヤホンジャックに挿して使う「PlugAir」で、動画や音楽を堪能できます。

■BOCCO/ユカイ工

お部屋にちょこんとかわいいロボットが! BOCCOに向かって話すと、フロントへのメッセージを届けてくれます。

「BOCCO」

■SmartEyeglass/ソニー

明日の予定はコレにおまかせ! 注目の透過式メガネ型端末で、福岡観光ガイドを見ることができます。

■Sleepion/ティ・アール・エイ

1日の終わりは、光・香り・音を使って快適な睡眠を誘ってくれるデバイスをセットして就寝。

「Sleepion」

「おはようからおやすみ」までを、IoTデバイスがプロデュース! これだけあると1泊2日では使いこなせないかもしれません。2日・・・・・・いや、もっともっと泊まりたくなってしまいます。ガジェット好きには、まさにアリ地獄のような魅力をもったホテルなんです。

なぜ九州に日本初のIoTホステルが誕生したのか

最新の技術が結集したIoTホステルですが、なぜ都心ではなく、九州に設立されたのでしょうか。

「&AND HOSTEL」の事業主である株式会社BIJによると、実は、ホステルのある福岡市は国家戦略特区として「グローバル創業都市」への取り組みを強化しているそうです。この「&AND HOSTEL」は、日本のIoT技術力をアピールする場のほか、IoTとIoTプラットフォームの実証実験・研究・改善の場という役割も担っています。

福岡の街から日本の技術を発信

ここに設置されているIoT機器は、宿泊客から得られたユーザーデータを企業へフィードバックするという目的で、すべて企業から無償で提供されているものです。宿泊客は特別な追加料金なしに最新のIoT機器が体験でき、ホテル側は珍しいサービスを提供可能、さらに企業は貴重なユーザーデータを獲得できるという、まさに三者が得する構図ができあがっているというわけです。

BIJでは、もともと遊休地を活用した太陽光事業をメインにしていたそうですが、近年のインバウント需要やホテル不足といった背景から、新たに遊休地を活用したホステルに乗り出したとのこと。

今はまだ斬新に見える試みかもしれませんが、数年後にはこのIoTホステルがスタンダードになっているかもしれません。九州に行く際には、こんな近未来のホステルにぜひ泊まってみてはいかがでしょうか。

2017年2月に大阪でオープン予定のアパート仕様宿泊施設「HOSTEL APARTMENT」

文:相川いずみ