2016/09/05
ウィンクがシャッターに! スパイ映画さながらの撮影が現実のものに?
SNSをはじめとした、写真を発表する新しい「場」が現れたことで、その写真を撮るカメラそのものにも、従来デジタルカメラのような「画素数」や「センサー」の大きさだけではない、新しい"価値"が求められている。このカメラはいわば、「写真の撮り方そのものの提案」だ。
シャッターはウィンクのみ
従来のスマホやデジタルカメラの「取り出してカメラを起動→構える→撮影」という一連の行動を、ウィンクひとつで済ませるユニークなカメラ「ブリンカム」が、2016年7月にクラウドファンディングをスタートした。1カ月も経たないうちに支援コースが次々とソールドアウトになり、話題となっている。
ブリンカムの最大のポイントは、カメラに触れることなく、ウィンクだけで写真撮影をできるという点。使い方は、本体のスイッチを入れ、お手持ちのメガネのテンプルに黒いラバー部分を引っ掛けて装着するだけ。自動でスマートフォンとペアリングするため、メガネを装着後、すぐに写真撮影が可能となる。撮影した写真は専用アプリをインストールしたスマートフォンへ転送され、そのままSNSなどに投稿することもできるという。さながら映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』に登場した、まばたきで撮影できるコンタクトレンズ型カメラのようだ。
特許申請中のセンサーが筋肉の動きをキャッチ
ウィンクといっても日常的に繰り返す軽いまばたきではなく、意図的な強いまばたきのみに反応するため、不必要な写真が残る心配もなく、その精度は90%を実現しているとか。現在、特許申請中のブリンカム内部に搭載されたセンサーが、こめかみあたりの筋肉の動きの強弱を検知。シャッタースピードはウィンクをしてから、およそ0.2〜0.3秒とタイムラグも少なく、見た風景をそのまま写真に収めることが可能だ。これなら被写体もカメラを向けられている感覚がないため、「構える」ことがない。子どもや家族の自然な表情を記録することができるというわけだ。
無駄を省いたシンプルなデザイン
本体のサイズは、奥行き約85mm×高さ約17mm×幅約10mmと、メガネのテンプルに沿うよう細長く設計されている。取り付け部分の黒いラバーは着脱式で、メガネのテンプルの太さに合わせて交換ができるよう、3つのサイズを同封。さまざまなデザインのメガネに対応するといった工夫もなされている。
今後はウォータースポーツにも対応予定
現在、販売はクラウドファンディングのみだが、2016年12月に製品リリースが決定しており、価格は19,800円。今後は動画撮影機能の実装や、小型化、軽量化などを検討中とのこと。さらにメガネだけでなく、各種スポーツのゴーグルに対応するよう、アタッチメントの変更や、ウォータープルーフ版の開発など、着々と準備を進めているそう。日常のスナップや旅先での利用はもちろん、各種スポーツなどのアクティビティでの活躍も期待される、個性的なプロダクトだ。
文:長浜優奈/中澤範龍(EditReal)