2016/05/02

【イベントレポ】デジモノ系バイヤーが、カメラと映像の祭典に潜入 『デジモノ×スマホ』の進化がスゴかった

"カメラと写真映像のワールドプレミアショー"ということで、2月にパシフィコ横浜で行われた「CP+(シーピープラス)」。

こちら、高級デジカメからアイディア系の自撮り棒まで、映像に関わる様々な商品がメーカーの大小に関わらず一堂に集まるという、デジモノ好きにはたまらないイベントです。最近のカメラは、Wi-Fi通信機能やスマホアプリとの連携なども進化していて、「TIME & SPACE」のテーマである"通信"にも深くかかわっているんですよね。

今回は、「OneMe Store」というデジ系ガジェットをメインとしたECサイトのバイヤーである僕、コバスチャンこと小林が、面白い商品に出会えたら即商談! の覚悟で参加してきました。その様子をレポートします。ではさっそく突入してみましょう。

朝からまさかの長蛇の列......日本人のカメラ愛!

朝10時開場の所、9時半にパシフィコ横浜に到着してみたら、なんとご覧の通りの大行列! 職業柄、これまで様々な国内外のイベントや展示会を訪れていますが、入場時にここまで長蛇の列になっているのを見たことがなかったです。

しかも、さすがカメラと映像のイベントだけあって、みなさん、カメラは標準装備。ここは戦場か? っていうくらい、ごっつい望遠レンズの一眼レフを提げてパシャパシャと撮りまくっていたりと、気合いが違います。

会場に入ってみると、ニコンやキヤノン、ソニーなどの有名メーカーのブースが目を引きました。

目当てのブースに並ぶカメラファンたち。遊園地のアトラクションのように、30分~1時間待ちの行列ができています

スマホと連動して「なにこれスゲー!」な映像体験ができるニコンのアクションカム

まずは僕が今回注目していたアクションカムを見ていきましょう。

アクションカムとは、動画用のカメラをまぁとにかく小型化して、頭の上などに装着することで、「プレイヤー視点」で撮影することができるようになったという、画期的なガジェットであります。特にスノー&スケートボード、サーフィンといったエクストリーム系のスポーツとの相性が大変よろしく、YouTubeなどを覗いてみると、どえらい数の動画が上がってますよね。プレイヤーしか知らなかった世界を見られるわけですから、いい時代になったものです。

さて、アメリカの「GoPro」から始まったこのアクションカムブーム。国内メーカーを刺激したようで、各社から続々と新製品が発表されていました。コバスチャン的に気になっていたのが、ニコンが満を持して発表した、全天球(360度)撮影ができるアクションカム「KeyMission 360」。

ニコン初となるウエアラブルアクションカム。カメラの前後に搭載されたレンズで360°全方位を、4K画質で録画可能。耐衝撃・防塵はもちろん、水深30mまで撮影可能な防水性も備えている

コレなにがすごいって、GoProさえもまだカバーしきれていない360度撮影が可能なんです。しかも4K画質。去年、YouTubeに「360度パノラマ動画」再生機能が追加され、ビヨークをはじめとして様々なミュージシャンがこの機能で再生できるプロモビデオを発表して話題になりましたけど、もちろんこちらでの再生も可能です。

スマホで再生すれば、スマホそのものを上下左右に動かすことで、再生中に動画の好きな方向を見ることができて「ウホすげー!」になります。ぜひ初体験のお知り合いに見せてあげましょう。ちなみにPCでもカーソルをドラッグしてグリグリ動かすことで同じことができますけど、ここはぜひスマホでお試しいただきたいものです。(※モバイル端末で360 度動画を視聴するには、最新バージョンの Android または iOS 向け YouTube アプリが、パソコンの場合はChrome、Opera、Firefox、Internet Explorerいずれかの最新バージョンが必要です)

・その①

・その②

ニコンが発表している「KeyMission 360」のサンプルムービーがこちら。画質のすごさはもとより、「360度パノラマ機能」での再生がおもしろい。ぜひスマホでご覧ください

サーフィンとかマウンテンバイクの撮影も面白そうですけど、個人的にはぜひドローンに乗っけて撮影してみてほしいですねー。あ、あと宇宙ステーションに設置してもらったりしたらとんでもない映像体験ができるんじゃないですかね! 発売間近ということですが、夢は広がる一方です。

カシオやソニー、リコーもアクションカムをアップデート!

カシオからは、トレッキングやサイクリングなどのアウトドア利用を想定したフリースタイルカメラ「EX-FR100」。カメラとディスプレイを切り離すことができ、通信機能を利用し、遠隔で操作できるウエアラブルカメラとして使えるというものです。

カシオは、独自のスタイルがあって好きなメーカーのひとつなんですが、なんといっても時計メーカーですよね。このカメラのいいところは、Android Wear搭載のスマートウォッチWSD-F10」と連携させられること。 カメラの映像をライブビューで手元の時計に表示したり、時計をリモートコントローラーとして使ったりできるんです。

プロモーションムービーも釣りやスノボ、サイクリングなどアウトドア推し。部屋のなかで臨場感のある映像を観ているだけで満足しちゃいそうです

山登りやスポーツ好きな方にはもちろん、通常の街使用でも充分カッコイデザインなので、Android使いだったら間違いなく買いです。ただ、iOSデバイスでは機能が制限されてしまうので注意が必要です。

分離型アウトドアカメラ「EX-FR100」。カメラ部分とモニター部分が分離でき、PRO TREK系のスマートウォッチ「WSD-F10」と連携してライブビューで動画が確認できる

ほかにソニーやリコーもアクションカムを展示。ソニーのアクションカメラのエントリーモデル「HDR-AS50」は、ブレに強いアクションカムを前面にアピール。上位機種と同様の手ブレ補正能力を持ち、自転車やバイクなどの細かな振動もカットできるとか。

・ソニーHDR-AS50

腕時計型のモニターだけでなく、スマホでもリモートコントロールが可能。個人的には、この四角い腕時計型モニターがソニーっぽくて好き

・リコーTHETA S

2013年の発売から進化を続ける360°全天球カメラ。今年3月末にはファームウェアとスマホアプリがアップデートされ、セルフタイマー撮影やライブストリーミングが可能に

謎の大陸系スマホガジェットもアツイ!

......と、目星をつけていたブースをあらかた回ったあとに見つけたのが、会場の端のほうに集まった、一見怪しい小規模ブースの群れ。たとえば、こんなブースがありました。

なんとこちらは、自撮り棒の柄の部分に折りたたみ傘を合体させた、中国発の画期的アイディア商品。その名も「自撮り傘」(papaler)です。傘の部分は分離するので、雨が降っていても濡れずに自撮りできてしまうのです! さらにスゴイのは、傘をご覧のように地面に立てれば簡易三脚にもなってしまうところ! ......まぁ、グラグラでしたけどね!

こちらはやたらゴツメの多機能iPhoneケース「ZTYLUS」。ケースの背面中心に丸型アタッチメントが付いていて、LEDライトやレンズ、さらにGoPro用マウントまで付けられてしまう超絶便利そうなケースです。だいぶゴツいので、好みは分かれそうですが、コンセプチャルでガジェット好きには受けそうです。

ZEISSの「ExoLens with optics by ZEISS」。かっこいいんですけど、お高いんでしょう?

iPhoneカメラ用のアタッチメントはいくつか出展されていましたが、僕がOneMe Storeで仕入れようかと悩んでいるのが、一流レンズメーカー、カール・ツァイスのレンズを採用したFellowesの外付けレンズキット「ExoLens with optics by ZEISS」。

こちらは望遠、広角(0.6x)、マクロレンズの3タイプがマウントできる仕様。こういった「ガジェット×ガチなレンズメーカー」という組み合わせはマニアの心をくすぐります。

ただし、今回のシーピープラスでは実機の展示はありましたが、販売時期も価格も未定とのこと。いくらだったら売れるか考えちゃいます。

カメラの世界は広かった......

今回のイベント、上で紹介したアクションカムだけではなく、発売直前で話題になっていたデジタルカメラもいくつかあり、かつ、実際に触ることができたので、会場はすごい人と熱気でした。

デジタルカメラもアクションカムも、Wi-Fiなどの通信機能が搭載されて、スマホやPCと直接、データのやりとりができるのはいまや当たり前。これからはスマホでの新しい視聴方法や表現方法が、プロだけではなく、おそらくアマチュアの人たちによってどんどん進化していくんじゃないかな~と思いました。プロ・アマ問わず、日本のクリエーターがそのときにたくさん活躍してくれると面白くなるでしょうね!

文:コバスチャン(OneMe Store)