2016/03/18
【初級編】iPhoneのウエブブラウザ、おすすめブラウザ3選
スマホでネットを閲覧するためのウエブブラウザ。有料、無料で数え切れないほどのアプリがあり、好みや目的によって自由に選ぶことができる。ところが、iPhoneにはウエブブラウザとして優秀な「Safari」が標準搭載されているので、そのまま使っている人が多い。そんな「食わず嫌い」な人にぜひ試してもらいたいのが「Chrome」「Firefox」「Opera」といった、PCでも人気が高いウエブブラウザのiOS版だ。
ブラウザそれぞれにSafariとは違った特徴があり、自分の使い方に合ったものを見つければ、より快適にネットが利用できるはずだ。それぞれの特徴を紹介しよう。
データ圧縮から自動翻訳機能まで......総合力で秀でたシェアNo.1ブラウザ
Chrome(Google Inc.)
PCのブラウザにChromeを使っている人なら、このアプリで間違いないだろう。さすが世界シェアNo.1ブラウザだけあってさまざまな機能が搭載され、総合力が高い。YouTubeやGoogle マップなど、ほかのGoogleアプリとの連携が優れているほか、独自のデータ圧縮機能(右上のメニューから設定>帯域幅>データセーバーで設定)を備えており、使ってみるとSafariと比べてページの表示が格段に速い印象だ。
ほかにも便利な機能がある。例えば、Googleの音声検索機能。キーボードの上に表示されるマイクマークをタッチするとすぐに使え、Siriのように「○○とはなに?」などと問いかけるだけで、ちゃんと検索結果を表示してくれる。Siriでは検索結果がSiri上に表示されてしまうが、こちらは検索結果が直接ブラウザ上に表示される。音声認識の精度もばっちりなので、何か調べ物をする際にはこちらのほうが便利に使えるだろう。
もうひとつ便利なのが、翻訳機能(設定>コンテンツの設定>Google翻訳をオン)。外国語のサイトを開くと、自動的に翻訳画面がポップアップして表示され、ワンタッチで翻訳してくれる。面倒な設定や複雑な操作も必要ない。この機能をうまく使えば、海外のサイトからも気軽に情報を得ることができるだろう。
Chromeは上で挙げたような先進的な機能以外にも、フリックでタブを消したり増やしたりできるなど使いやすさにもこだわっており、「迷ったらとりあえずChrome」といえるくらいのアプリに仕上がっている。
電波状況が悪い場所でも、サクサク楽しみたい人にオススメ!
Opera Mini Web ブラウザ(Opera Software ASA)
通信環境に応じて快適にブラウジングできるよう、段階的にデータ圧縮比が変えられる。これまでに節約したデータ総量が一目でわかるカウンターつき
ネットをしている時、電波が弱く、表示が遅くなるとイライラとストレスを感じる。そんな人にオススメなのが「Opera」。PCブラウザとしてのシェアは低いが、モバイルブラウザとしては評価が高い。
最大の特徴は、上述のChromeをしのぐほどのデータ圧縮機能。データをいったん「Opera」のサーバに送り、圧縮してからiPhoneに転送することで、通信量を最大90%も削減してくれる。地下にある喫茶店やビルの谷間など、電波状況の悪い場所でも快適にブラウジングすることが可能になるというわけだ。
この機能はデフォルトで設定されているので、アプリをインストールしたらそのままブラウジングするだけでもかなり軽快になる。下部に表示されている「Opera」マークをタッチすれば、さらに圧縮率の高いモードを選ぶことが可能。圧縮率を高めすぎると一部の画像や文字の装飾などが制限され、ページの見え方が微妙に変わるようだが、コンテンツを読む分には問題ない。表示速度を優先したい人にとって、実用性は十分だろう。
左が非圧縮時、右が圧縮時に表示された画面。タイトル画像や文字の装飾など、表示要素を制限することで大幅なデータ圧縮を実現しているようだ
閲覧履歴の消去もカンタン。プライバシーを守りたい人にオススメ!
Firefox Web ブラウザ(Mozilla)
他人に知られたくないサイトの閲覧履歴やキャッシュも、項目ごとに消去できる。プライベートな情報の管理がしやすいのが特徴だ
Firefoxでは、検索ワードを入力する際、キーパッド上部に表示されるアイコンにタッチするだけでTwitterやAmazonなどの検索結果を見ることができる。これも地味だがなかなか便利な機能だ
ブラウザには検索履歴やログイン情報など、どうしてもたくさんの個人情報が残ってしまう。もしモバイルを落としてしまったら......そんな、個人情報の流出が心配な人にオススメしたいのが「Firefox」だ。開発元のMozilla Corporationは一般的な営利企業ではなく、オープンソースでのソフトウエア開発を目的とする非営利団体の子会社。ソフトウエア開発過程の透明性が高く、プライバシー保護への取り組みにも積極的だ。
例えば、閲覧履歴などのプライベートデータの削除機能がよくできている。削除するデータの種類をログイン情報やキャッシュなど5つの項目から選ぶことができ、閲覧履歴のみを削除してログイン情報を残すことも可能になっている。これは、Safariにはない機能だ。
また、閲覧履歴、検索履歴、クッキーなどを残さずにブラウジングをすることができる「プライベートブラウジング」モードの起動も簡単だ。アドレスバーの横の数字をタッチし、右上に表示される仮面マークをタッチするだけ。たった2回のタッチで起動できる。
ただ、残念ながらPC版とAndroid版で提供されているトラッキング保護機能が、iOS版ではまだ非対応。iOS版はリリースされたばかりなので、このあたりは今後のアップデートに期待したいところだ。
今回紹介した3つのブラウザアプリは、いずれも無料で利用できる。気になったものを使い比べて自分にあったブラウザを見つければ、より快適なインターネットライフを送ることができるだろう。意外と知らない人も多いが、iPhoneのDockにあるアプリは他のアプリと入れ替えることができる。使い勝手のいいブラウザを見つけたら、Safariの場所に置いておこう。
文:橋カナメ