2016/03/15

スマホでアートに新しい表現を! 空中に3Dアートを描けるアプリがスゴイ

光を使って暗闇に絵を描くというアイデアは古くからあるが、描いた作品を残す方法は、写真や動画ぐらいしかなかった。Adtile Technologies社が開発したスマートフォンアプリ「Air Pencil」は、スマホの背面にあるライトを使って空中に描いたアートをそのままアプリに保存できるという、今までにない機能を持っている。

Adtile Technologiesは、スマホ利用者に向けてよりインパクトがあり、楽しめる広告手法を開発している会社である。たとえば、本体を動かした方向に合わせて表示される広告の内容が変化するMotion Adsという技術があるが、Air Pencilはそれを使って開発されたアプリのひとつである。

iPhone 6sなどに搭載されているMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の3軸コンパスや加速時計、ジャイロスコープの機能を最大限に使い、XYZの3軸方向を正確に測定することで、上下左右はもちろん、奥行きのある光のアートを描くことができる。

光を使ってはいるが、それをカメラで保存しているというわけではないので、露光時間を気にせず自在に絵が描ける。描いた絵はアプリ内に保存され、保存したデータを自在な角度に動かすことができ、オンラインでのシェアも可能だ。

Pencilと名付けていることからもわかるように、サインやメッセージを書くのにも使えるほど手軽だが、それでいて芸術性の高い作品も作れるところが魅力である。たとえば、アート作品のなかに、見る角度によって花が動物に見えるといった「だまし絵」のような立体作品があるが、Air Pencilではそうした作品や、さらなるアイデア次第で新しいジャンルのアート作品を創造することもできる。

ポイントはなんといっても、iPhoneとアプリだけで操作できるという手軽さだ。現在、開発者向けのベータ版が公開されており、申し込めば、開発キットも手に入れられる。開発コミュニケーションもすでにあり、そこで情報共有や意見交換も始まっているので、市販アプリとして手に入れられる日もそう遠くないかもしれない。

文:野々下裕子