2015/11/10

お薬は用法・用量を守って正しくお使いください

アメリカでは近年、薬のオーバードーズ(過剰摂取)によって命を落とす人が増加し、問題となっている。特に、女性のオーバードーズ問題については、2013年にアメリカ疾患予防管理センター(CDC)が発表した、処方鎮痛薬に関する死亡統計で特集が組まれて話題を呼んだ。本来、痛みを和らげるはずの鎮痛薬だが、慢性的な痛みから何日ものあいだ服用し続けることで耐性が生じ、徐々に規定量では効果を感じにくくなってオーバードーズに至るケースが多いようだ。そんななか、登場したのが、薬の摂取スケジュールを管理してくれるデバイス「Lumma」だ。

保管もこれひとつ! 健康を見守りコントロールする"管理人"

「Lumma」には3カ月分の薬を6種類保管できる「Model 6」と、12種類保管できる「Model 12」の2種類のモデルがある。

専用アプリに接続して薬の摂取スケジュールを設定しておけば、時間になるとアラート通知をスマートデバイスに送ってくれる。さらに、Lummaも光の点滅とアラーム音で摂取時間を知らせてくれるのだ。Lummaは自動的に薬を種類別に選び、その日に飲むべき薬の組み合わせを提供してくれる。曜日ごとに薬を保管するピルケースよりも圧倒的に手間がかからない上に、その日に飲むべき薬を確実に摂取することができる。もちろん、飲み忘れやオーバードーズの防止にもつながるだろう。また、避妊中で毎日ピルの摂取が必要な人や、サプリを摂取するスポーツアスリートなど、薬を飲む種類、量、時間に気を付けなければならない人にも役立つだろう。

離れて暮らす両親の健康も見守ることも

アプリでは、薬の服用状況やサプリについての情報を、友人・家族や医師と共有することもできるので、安心して治療に取り組めるだけでなく、遠方に暮らす親を見守るのにも役立つ。スマートフォンを持っていない人も、テキストメッセージ(SMS)を受信できる携帯を持っていれば、アプリ同様の機能を得られる。

「Lumma」は、Kickstarterから始まったプロジェクト。支援はすでに受付期間が終了しており、目標金額の10万ドルを上回る資金の調達に成功。現在、Kickstarterにて注文&販売を受け付けている。

文:元木美奈