2015/10/28

パソコンの中核を担う部品『プロセッサコア』

日本語では電子計算機(電算機)といわれるように、コンピュータの大きな役割は、数多くの計算を同時に実行できることである。「プロセッサコア」は、そうした計算を行う中央演算装置(CPU)の中核となる部品。計算処理能力は「GHz(ギガヘルツ、動作周波数)」という単位で表される。

数値が高ければいいわけじゃない? 注目したいプロセッサコアの「数」

パソコンのスペック表を注視すると、「1.2GHz」「2.4GHz」など、プロセッサコアの動作周波数が目立つように書かれている。高画質な動画を見る、ゲームをする、などの用途でパソコンを購入する人は、スペックの高いものを購入したいと思うはず。しかし、単純に周波数の数値が高いものを選べばよい、というわけでもない。

GHzの数値が高いほどプロセッサコア「単体」の処理能力が高いのは確かだが、パソコンには複数のプロセッサコアが実装される場合も多い。すなわち、スペックが「3GHz」と明記されていても、それがシングルコア(プロセッサコアの数が1つ)のパソコンであれば、2.4GHzのデュアルコア(同2つ)、クワッドコア(同4つ)のパソコンより演算処理は遅いということになる。

実際のパソコンを例に挙げてみよう。人気のMacBook Airで現在販売されているラインナップは、すべて1.6GHzのプロセッサコアが実装されている。3GHzのプロセッサコアが出ている今では「そんな低いスペックで大丈夫?」と感じるかもしれない。しかし、現在のMacBook Airはすべてデュアルコア。薄く軽い製品ながらサクサクとした動きを実現している陰には、複数のプロセッサコアによる働きがあるのだ。

スマホが普及し、誰もが手軽にネットが使えるようになった一方で、パソコンは進学や社会人デビューをきっかけに初めて購入する、という人もいるだろう。そんなときは、パソコン売場でまずプロセッサコアの数が「シングル」か「デュアル」か「クワッド」かを確認する、というだけでも覚えておこう。

文:藤麻 迪