2015/10/22
あなたは大丈夫? オンラインのカウンセラーも実践する、「仕事でストレスをためない4つの方法」とは?
2015年6月の労働安全衛生法の改正により、従業員50人以上の職場に対して、ストレスチェックや医師による面談などが義務付けられた(施行期日は12月1日)。企業レベルで進むメンタルヘルスケアだが、気分・感情障害の患者数は2011年の調査で96万人。このうち20~50代は59万人を占め、病院に通わない未治療患者や疾病が疑われる人は415~470万人にも上ると言われている。自分がメンタルヘルスを崩していると認めるのは難しいし、なによりもクリニックに行ってカウンセリングを受けるのには結構敷居が高い......。そう考えている人も多いのではないだろうか?
匿名もOK! Skypeで相談するオンラインカウンセリング
そういった、カウンセラーへの相談のためのハードルを下げる事業に挑戦しているのがオンラインでカウンセリングやコーチングを行う「ボトルボイス」だ。
こちらでは、Skypeとメールアドレスがあれば、1回あたり45分間、カウンセラーやコーチにオンラインで話を聞いてもらえるうえ、対話の方法もビデオ通話や音声通話、チャットから選択することができる。数十名が登録しているカウンセラー、コーチを予約時間や料金、性別などから選ぶことも。通院するまでの予約電話の手間や、身体を動かすことが困難な方もいるため、オンラインで相談できるというのは大きなメリットだ。所属するカウンセラーは、さまざまな団体が交付している資格保持者。日本オンライン協会のサポートを受けつつ、技術的な問題に対処している。
相談希望者への配慮を徹底したサービスの立ち上げには、村田光司代表自身の経験が大きく影響しているという。
「実は私の知人が自殺したんです。当時、知り合いのカウンセラーに『責任に思うことはまったくない。時間が経つことが重要な要素なので、今は仕事に打ち込みなさい』と言われて、しばらくは忙しく働いていました。ただ、3年ほど経って『やっぱりなにかできたんじゃないか』という思いが強くなっていったんです。『周囲の人間として、できることはなにか?』。そう思ったのがボトルボイスを立ち上げたきっかけです」(村田代表)
では、オンラインと対面でのカウンセリングに違いはあるのだろうか?
「相談者のなかには、顔を見られたくないという方や、しゃべりたくないという方もいらっしゃいますが、Skypeを使うので顔を見せずにチャットでの相談も可能です。当然、カウンセラーとしては『対面』することがベストですが、それ以上に、相談を受けるまでのハードルを下げることが大事だと考えています。ビデオ通話の場合、ほかのことに意識がいかずに、よりカウセリングの内容に集中していただけるというメリットもあります。また、名前や年齢を知られたくないという方は、最後まで『匿名』でカウンセリングをお受けいただくことも可能です」
「いきなりカウンセリングには行きにくい......」と躊躇している方も多いなか、ICTを活用することで、"自宅でパソコン作業をするような気軽さ"で悩みを相談できる環境が生まれている。また、ボトルボイスでは、カウンセリングだけではなく、夢や希望、目標などを明らかにしていくコーチングのサービスも扱っているという。
「カウンセリングがマイナスをゼロにしていき、過去と現在のギャップを埋める行程とするならば、コーチングはゼロをプラスにしていき、未来の自分と今の自分のギャップを埋めていく作業。『自分らしさを見つけたい』『最良のメンタルでパフォーマンスを発揮したい』という方がコーチングを利用していらっしゃいます」
今日からできる気軽なストレス対象法
ここからは、実際にボトルボイスのカウンセラーが実践しているストレスをためない4つの方法をお伝えしよう。お話を伺ったのは、登録しているなかでは唯一の20代女性カウンセラーであり、インナーチャイルドセラピスト(子どもの頃に体験したできごとに付随する感情などを癒やすセラピスト)でもある、明日香さんだ。
1.枕を投げる!?
「たとえば、イラッとしたことや嫌なことがあったときに、感情的な行動を起こして後悔することってありますよね? そういった嫌な気持ちを抑えるためには、一呼吸置くことが重要ですが、イライラしているときは自分の感情しか入ってこないので、無理やり抑えるのは逆効果。逆にイライラを感じ切ってしまって発散することが大切です。たとえば枕を投げたり、大声を上げたりと、何でもいいので自分の感情をぶつけ切ってしまうと、気分が落ち着いて自分を客観視できるようになりますよ」(明日香さん)
2.HAPPYなことを書き留める
「毎日のできごとや思ったことを"書く"こともストレスには効果的です。日々、起こることってすぐに忘れちゃいますよね。左脳を通して書き留めることによって整理ができるので、その日にあった"良かったこと"を書き留めれば、嫌な1日だったと思っていても、『良いこともあった』と気づくことができるんです。読み返すことで落ち込んだ気分を回復させる効果も期待できます。寝る前に日記をつけるような感覚で書くのがオススメです」
3.メールを無視する!?
「これは、『しなければいけない』という考えから抜け出すためのひとつの例。たとえば、メールは『すぐに返信しなければならない』と考えず、『今すぐ送らなければならないのだろうか』と考えてみると、案外、すぐに送らなければ大変な損失になるというケースは少ないはず。メールに限らず、"してもしなくても結果に大差がない"、ということに気づくことが大切なんです。自問自答ができるようにするために、カウンセラーと話をして解きほぐしていく方法もありますよ」
4.積極的に好きなことをする時間を作る
「ストレスをためないためには常にリラックスしていることが大切ですが、責任感が強い方や完璧主義者の方はリラックスしづらい傾向があります。リラックスするには、客観的あるいは楽観的に考えられるクセを付けることが重要です。そのために1日のうちに好きなことをする時間を積極的に作りましょう。1日30分はペットと散歩をする、好きな本を読むなど、なんでもかまいません。毎日、仕事以外の時間をもつことで、日々のストレスから離れて客観的、楽観的に考えることができるようになりますよ」
日々、あらゆる時に感じてしまうストレス。それを無視するのではなく、向き合っていくことで解消していく。そのために、HAPPYに感じたことを書き留めたり、気持ちを我慢せずに発散する方法を見つけてみる。それでも悩んでしまうときは、ボトルボイスのような気軽に体験できるオンラインのカウンセリングサービスを利用してみてはいかがだろう?
文:ふじいりょう
絵:鈴木麻子