2015/08/27

設計者は自分! 理想の間取りがデザインできるバーチャル3D設計ツール

理想の間取りやインテリアデザインは頭の中にあるのに、実際に図面に落とし込むのが難しくてとても実現できそうにないと思っている人にとって、「GRID VRICK」は待ちに待ったツールといえるだろう。

「GRID VRICK」は、見た目は普通のおもちゃのブロックに見えるが、それぞれのパーツにデータが登録されていて、組み立てていくとパソコンにデータが自動で送られ、ディスプレイの中にリアルタイムで家の間取りが出来上がっていく。窓やドアといった家全体のレイアウトはもちろん、テーブル、ソファ、ベッドなどのインテリアも、すべてブロックでカンタンに配置でき、位置の変更もすぐにできるから、まるで実際に家を建てているかのような気分が味わえる。ひとりで黙々とデザインを楽しむのも良し、家族や友達とみんなでワイワイ理想のレイアウトを追求してみるといったこともできる。

画像提供:株式会社ネクスト

さらに、仕上がった間取りは3Dで表示され、ヘッドマウントディスプレイを使えば、ウォークスルーで本当に家の中にいるような感覚が味わえる。パーツに登録するデータはカスタマイズが可能で、お風呂やトイレ、キッチンなどのスペースをあらかじめ用意できるうえに、室内への光の入り具合などもシミュレーションできるので、不動産や建築メーカーのシミュレーションツールとして活用したいとの問い合わせもあるという。

画像提供:株式会社ネクスト

これまでにも、パソコンで間取りやレイアウトが設計できるアプリやサービスはあったが、線や面でといった2次元の情報だけではあまりリアリティーが感じられなかった。また、部屋の大きさやインテリアのサイズを数値化するなど、使い方が面倒だったりしたが、「GRID VRICK」はブロックを使うだけなので、誰でも簡単に作業ができる。

開発しているのは不動産サービスのHOME'Sを運営する株式会社ネクストで、コストや条件などを考えず、楽しんで満足いく部屋づくりをしてもらうのが目的だという。実際に住む家をシミュレーションするのもいいが、せっかくのバーチャルなので、巨大な天窓があるといった日本の住宅事情では難しい理想の間取りをとことん追求するのにも使えそうだ。

現在は、イベントなどでシステムを体験してもらう機会を設けているだけなので、今後は一般向けに販売したり、ショールームに常設するなどしてほしいところである。

文:野々下裕子