2015/07/21

ただ“ねこ”を眺めるだけのアプリがストレスから世界を救う

気づかぬうちに積もり積もってしまうものといえば、財布の中のレシート、お腹のぜい肉、そしてなにより厄介なのが日々のストレスだ。早朝から満員電車に揺られ、客先ではペコペコ頭を下げ、帰宅するころにはもう心もカラダもボロボロ......。家で素敵なパートナーがおいしいご飯を作って待ってくれているのならまだしも、冷蔵庫に入った缶ビールだけが寂しそうに自分の帰りを待っていると思うと、「あぁ、この世に癒やしなど存在しないのではないか」とむなしい気持ちにならざるを得ない。

しかし! 今回は、そんな現代人のストレスフルな日々に一筋の光を指してくれる驚きの癒しアプリをご紹介しよう。その名も「ねこあつめ」だ。

「ゴハンとグッズを置いておき、庭先に集まってきたねこたちをただただ眺めて癒やされる。基本的にはそんなアプリです」

このように、アプリ公式サイトには非常にざっくりした説明書きが載っているのだが、先に断わっておこう、この説明こそがアプリ「ねこあつめ」のすべてである。

「ねこあつめ」に明確なゴールは存在しない。ただひたすらねこを集め続けるという至極シンプルなものなのだ。だが、なかにはちょっとレアなねこもいたりと、"運ゲー"的要素も少なからず含まれており、収集欲をすっかりくすぐってきやがる。ちなみに、現時点で最大45種類のねこがいるそうだ。

筆者のお気に入りは、エサを食べ過ぎてお腹をポッコリと膨らませた「まんぞくさん」。この子、他のねこのために置いておいたエサも全部食べ尽くしてしまう困ったヤツなんだけど、満足そうにおなかに手をあてている様子を見ると、そのふてぶてしささえもいとおしく思えてしまう。愛らしいねこたちが平和にエサを食べている様子は眺めているだけでも癒やされるが、写真を撮ってアルバムに保存することも可能だ。

そんな同アプリだが、この癒やしパワーは日本人だけでなく、ストレスと闘う世界中の人々の心さえも癒やしまくっているようだ。「ねこあつめ」は日本語版のみで展開されおり、英語やその他の言語には対応していない。しかし、そのシンプルな仕組みゆえか、Twitter上には「#nekoatsume」なるハッシュタグが既に存在しており、英語や謎の言語でつぶやかれた「ねこあつめ」関連のツイートが日に数千件も投稿されているのである。一部そのツイートを紹介しよう。

「Good morning my cats(おはよう、私のねこちゃんたち)」
「Omg look at the black kitty all smushed down in the sheep pillow!!(なんてこった! 見てくれ、黒いチビねこがヒツジ型の枕に埋もれてるぜ!)」
「Fat white cat, why do you eat all of my good food?(白いデブねこよ...なぜうちの高級なエサを食べ尽くしていくんだ?)」

ちなみに同アプリは、Android版とiOS版累計で500万ダウンロードを突破したという人気ぶり。6月には公式LINEスタンプや初の公式キャラクターブックまで発売されているとのことだ。「ねこあつめ」が世界をストレスから救う日もそう遠くないだろう。

文:田代くるみ