2017/03/14

【紳士のSNS講座】第22回 あわよくばキャリアアップ! 起業する先輩を褒めてお自慢する

3月は別れの季節。

今回のお自慢テーマは「超デキる先輩(上司)との別れを利用してお自慢する」です。

ちょっとここで本題に入る前に、よくありがちな投稿例のお話から。

会社の送別会だった。
なにもできなかった若い、苦い日々。
あの頃のオレをフォローしてくれた
ワタナベ課長に感謝!! お元気で!!!!

実はこれでも軽くお自慢は入っています。

「ごく普通の上司にきちんと感謝の言葉を述べるオレ」であり「今はまあまあできるオレ」でもあります。とはいえ別れの季節だからといってやみくもな投稿はご法度です。ただ、もし本当にデキる先輩や上司が去っていくなら全力でポスト、というのが今回。

「今ちょっといい感じに見られる」とかいうレベルにとどまらず、あなたの輝かしい将来につながる可能性のためのお自慢でもあるのです。

①先輩の実力を世間にひけらかす
②先輩とオレの関係性を世間にひけらかす
③先輩への忠誠を世間にひけらかす

ひけらかせばひけらかすほど、感じが良くなる「三段逆スライド方式」。いかなるロジックか、実例を見てみましょう。

■ポイント※①先輩アゲ・・・・・・というより、先輩の功績を世間に伝える

ディーン先輩は社内のスーパースターです。
ただ、サラリーマンなので、個人名はあんまり世間には出ていない。彼が関わってきたプロジェクトを羅列することで社外に知らしめるのが目的。アゲる必要は一切ありません。そこに必死さが漂うとむしろマイナス。

独立以降の仕事に関しては、まだよくわからないし、なんとも言えませんが「紀尾井町の44階」「大手家電メーカーとの契約」でその凄味は十分伝わるでしょう。

ともあれ冒頭で、先輩の価値をきちんとひけらかしておくこと。じゃないと、この後が成立しません。また、そこそこの先輩の場合、価値をひけらかすのにくどくど説明せねばならなくなる。このお自慢は、やはりスーパー先輩が退社する時に行うのがベターです。

■ポイント※②そんな超エライ先輩を知っているオレをお自慢する

つまり「オレ、レディー・ガガと知り合いなんだぜ!」的な話です。社内の先輩だから、前段できちんと価値を伝えておかねば、誰にもわからないというだけ。そんなスーパースターとの思い出を具体的に語り、知り合い感をアピールするのがこのパートの役割。

缶コーヒーをおごってもらったのは事実なんですから。もしレディ−・ガガにおごられたら間違いなくお自慢しちゃいますよね? それと同じ。ましてや「プレゼン直前にお手伝いをした」なんて完全なる知り合いじゃないですか! たとえ資料のコピーだったとしても。

■ポイント※③第三者経由用の先輩へのリスペクトをしたためる

最後のパートでは、「先輩ラブ!」を声高に叫びます。ただし、先輩に対してではなく、世間に対して。SNSでは友達の友達の友達ぐらいで、結構、意外な人に突き当たったりします。だからここで発信しておくことで、当の先輩の目に触れるかもしれない。

人はよく知らない相手から甘い言葉をかけられたら、勘繰るもの。ですが、後輩が世間に向けて自分のことをリスペクトしている旨を表明し、あまつさえ先輩の同期なんかから「お前のことやたらリスペクトしてる後輩がいるなあ」なんて伝えられると、本人だって悪い気はしません。むしろ直接言わないところに「後輩のしおらしさ」さえ漂います。「情けは人の為ならず」なんて言いますが、SNS上のリスペクトだって「人の為ならず」なんですね。

絵:Shu-Thang Grafix

講師:武田篤典

何気ない所作のなかにある「モテ」を顕在化し、好評を博した『スマートモテリーマン講座』著者。SNSなど各種コミュニケーションにおける礼儀作法を研究する「武田流万(よろず)礼法」家元。

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