2016/12/12

【紳士のSNS講座】第16回 年末の「プチおっさん」男子会をお自慢する

年末です。

徐々に忘年会とかも始まるので、SNSへの投稿頻度も増えることでしょう。「通勤ルートで見つけた季節の風物詩」とか「懐かしのアーティストの来日」とか「お昼に食べたちょっと美味しかったもの」みたいな日常の延長ではない、特別なお自慢のチャンスです。

年末は、普段、会社では見せることのできないあなたの別の側面を、自然にチラ見せすることができます。しかもごく自然に。それだけでこの時節のSNS界隈の住民たちは新鮮な驚きを持って「いいね」してくれることでしょう。

今回は、付属校出身者パーティーお自慢。テーマは「社会的ステイタスと少年の心の共生」。

では見ていきましょう。

■ポイント※①昔もステイタスならば、今もステイタス

完璧な導入です。

なぜか「小学校から大学まで一緒だった友達と、今でもたまに飲んでいる」と書くだけで、その背景に「名門校感」が漂ってくるからです。小学校から大学まで複数の友達と一緒だったということは、おそらく私立なんでしょうね。10年経っても会っているということは、属していたコミュニティへの誇りを持ち、今もなお愛し続けているんでしょうね。・・・・・・この導入に出身校の具体的な名前は示されていませんが、"そういう感じ"が伝わる巧妙なお自慢です。

さらに「男子会」「腐れ縁」「10年連続」・・・・・・一見ネガティブ寄りなワードを連呼しながら、でも現状の「社会的地位には別に不満ない感」を醸しましょう。ここでは「全員集まる年イチの奇跡」として、それぞれの多忙さをサラリとお自慢しています。それだけでなく、集まりながらもみんな結局は仕事の電話をしている、という"追いお自慢"を展開しておきます。

こういった場合、出身校は"幼の稚の舎"あたりが理想ですが、必ずしも"幼の稚の舎"である必要はありません。「名門校感」さえ醸成すればいいのです。学歴の格を形容や表現で変えるのは詐称に当たりますので、注意しましょう。

■ポイント※②「師走」の「師」という立場を有効活用し、少年の心をアピール

名門校出身であろうとなかろうと、昔の同級生に会えば、だいたい一瞬で昔の自分に戻ることができるでしょう。その際、便利なのが「師走」の「師」。師匠や先生を意味するこの文字との対比で、否応なしに少年っぽさが出せます。

そこでなんのフリもなく「エロバナ・恋バナ」を持ち出してみましょうか。普段からそんな話ばっかりしているおっさんだったら「いつもと同じじゃん」で終了ですが、「あのさわやかで名門校感漂う武田さんも、御学友とはそんな話をするのね。カワイイ♡」という意外性がキモになります。ここの表現は普段のご自分のキャラと相談してください。

今回の場合、あえての「悪ガキ集団」表記も、導入の「名門校感」が効いているので、「カワイイ♡」に作用します。

■ポイント※③締めはふと我に返ることで、普段とのギャップを明確にする

締めは、ティーンの頃のゲスい話をしたり、下ネタを言い合える友達との「特別な状況」に感謝しましょう。現状の仕事でそれなりの立場にいる感と相まって、今の社会的ステイタスが引き立ちます。

会社がらみのフォロワーに対しての「黙っておいてね」は、もちろん「オレのこんな一面を会社のみんなに広めといてね」の意味です。いわゆる「押すな押すな理論」ですね。

注意しておきたいのは、本当に名門校出身で、普段から出身校お自慢をしすぎていると、お自慢を通り越して嫌味になってしまいます。作例のように年末などの「ここぞ」という時のために取っておきましょう。

絵:Shu-Thang Grafix

講師:武田篤典

何気ない所作のなかにある「モテ」を顕在化し、好評を博した『スマートモテリーマン講座』著者。SNSなど各種コミュニケーションにおける礼儀作法を研究する「武田流万(よろず)礼法」家元。

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