2016/09/30

【紳士のSNS講座】第11回 コンビニの新商品ネタでイケてる俺感をお自慢する

今や「お自慢ネタの宝庫」といわれるのがコンビニです。

普通に日々生きているよりも、ずっとビビッドに季節感を取り入れて新商品を次々ドロップ。行って買ってアップするだけで、ちょっとした風物詩になるのは間違いありません。

でもそれ、普通すぎです。

「行って買ってアップすることができる人」なら、誰でもできること。コンビニ頻度の高い学生さんや、ヤングOLさんたち、あるいは"コンビニスト"を名乗って、こうしたネタのアップに情熱を注いでいる、いわば専業の人にはかないません。

なので今回は、コンビニの新商品紹介をフックに、その周辺にあるさまざまなお自慢ファクターを一網打尽にしてみたいと思います。

要となる考え方は、「いかに、コンビニの持つ日常感と逆の方向に広がりを持たせられるか」。

■ポイント※①「コンビニで買い物」という普通の案件に、いかに付加価値をつけるか

コンビニに行くことはもちろん、買ってきた新商品をSNSにアップすることもまた、もはや「普通のこと」です。老若男女誰しもコンビニに行くし、誰しも「おっ」と思えるアイテムを見つければSNSで紹介します。でも、その"誰しも"はあくまで"誰しも"。そこに留まっていてはSNSの大海に没してしまいます。

ここではコンビニに行く理由に「予約したジャズライブの発券」というお自慢フレイバーを加味しています。「期限ギリギリ」なのは、通常だらしなさの象徴にしかなりえませんが、彼の場合は逆に「仕事の忙しさ」の証明。しかもライブに行く「ボストン」は「アメリア・ニューイングランド地方」の中心都市という心配り!

物理的にはコンビニで気になったカップ麺を買っているだけなのですが、背景には「仕事にばかり意識がいって、ついついプライベートをおろそかにしてしまう」という人物像を匂わせる。なかなかのブランディングといえます。

■ポイント※②「コンビニのカップ麺」という庶民的な立ち位置からの大ジャンプ

繰り返しますが、彼はここまで、「コンビニに行って気になったカップ麺を買ってきた」だけです。で、いよいよ調理に至るわけですが、ここで「ちょい足し」。「気になるのはスープの味」と本人が謳っているように、麺を取り除いてしまうというストイックさがまずお自慢!

そしてそのスープをどう調理するか。
まずは"普段から料理してる感"を全力でお自慢。麺はおろか、もとよりカップ麺の理想的な調理のために設計されたカップすら捨て去る。で、耐熱容器を起用。これがあること自体、料理人の証です。しかも、洗うのが面倒なフードプロセッサーを深夜にもかかわらず登板。

先述の通り、カップ麺はもはやフック。普段から料理してることと、かぼちゃを取り寄せてること。パイシートを通して、タワーマンションに越した友人がいることをお自慢できれば、それはもう、"誰でも行けるコンビニ"感とはまったく違う地平にいます。

■ポイント※③こんなにシャレオツで、いろいろ気遣いできるオレ、どう?

・・・・・・というアピール。まあ、ブルートノート東京に一緒にジャズを聴きに行く彼女ぐらいはいるようなので、心の底から「彼女が欲しい」と訴えてるわけではありません。こういう、撒き餌的なことをしておくと、SNS的社交辞令として「ワタシならいつでもwww」「馳せ参じますわよwww」「料理好き男子大歓迎www」的な、やり取りも活性化します。

大人の社交的なひとこと、というやつですね。

絵:Shu-Thang Grafix

講師:武田篤典

何気ない所作のなかにある「モテ」を顕在化し、好評を博した『スマートモテリーマン講座』著者。SNSなど各種コミュニケーションにおける礼儀作法を研究する「武田流万(よろず)礼法」家元。

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