2022/12/01
新しい買い物の形で描く未来の社会 〜 auミニッツストア 渋谷店に込めたKDDIの想いとは
新型コロナウイルス感染症の流行を境に、人々の消費行動のデジタルシフトが加速し、特に若い世代を中心に、スマートフォンを利用したデリバリーやテイクアウトのサービスが世の中に浸透しました。
そのような中で、小売店舗やコンビニエンスストアの新しい形態として注目を集めているのが、近隣へのスピーディな商品のデリバリーを前提とした店舗モデル「クイックコマース」です。KDDIの「auミニッツストア 渋谷店」は、そのクイックコマースを体現したコンビニエンスストアであると同時に、ロボットを使ったオペレーションの自動化によって省人化を徹底的に追求した店舗でもあります。
日本の小売業界は、少子高齢化・労働人口減少の荒波を真正面から受け、店舗における労働力不足やそれに伴う労働単価の上昇に悩まされています。そこでKDDIでは、2021年6月にフードデリバリーを中心にした即配サービスで豊富な実績を持つmenu社に資本参加し、クイックコマース事業を本格展開する体制を整えました。
「クイックコマースの実現によって、お客さまの利便性を追求するだけではなく、店舗オペレーションを自動化する仕組みも併せて実現し、労働力不足という小売業界の課題、ひいては社会課題の解決につなげていきたいと考えました。その考えをもとに次世代店舗の構想を練り上げてauミニッツストア 渋谷店をオープンさせたのです」と、KDDIの事業創造本部LX戦略部の武田裕子は説明します。
次世代店舗の構想づくりは2021年夏ごろから始まり、その作業にはmenu社とともに、店舗オペレーションの自動化ソリューションプロバイダーのROMS社も加わりました。
「実を言えば、クイックコマースのコンセプトを持ったauミニッツストアは、渋谷店のほかに、もう一店舗(東京・九段下店)あり、こちらはロボットを使った店舗ではなくモビリティ型(移動式)店舗です。その店舗を渋谷店に先立つかたちで2022年3月にオープンさせ、それと並行してmenu社、ROMS社と渋谷店の開発・開設を推し進め、システムを完成させていきました」
人が1日の店舗オペレーションにかかわる時間は30分以内
こうして完成した渋谷店では、menuアプリを通じて入ってくる注文がロボット側に伝えられ、ピッキングと袋詰めが自動実行されるほか、商品補充・回収の作業を効率化する仕組みも整えられています。そのため、人が1日の店舗運営にかかわる時間は30分以内に抑えられていると武田は語り、次のように今後を展望します。
「渋谷店の店舗運営を通じて、menuアプリとロボットとの連携やロボットによる自動オペレーションが問題なく機能することが実証されました。渋谷店では現在(2022年10月時点)、提携しているローソンやコストコの商品を中心に約100種の商品を取り扱っていますが、今後は、商品点数をより一層充実させていく予定です」