2022/02/22
#大阪環状線をアートでつなぐぞ アーティストの描く5Gがつながる未来の駅
現在、「#大阪環状線をアートでつなぐぞ」というハッシュタグで、Twitterでリレー投稿が行われている。
ツイートのリレーは2月10日、日下部うめかさんによる未来の大阪駅の投稿からスタート。
????ずっと、もっと、つなぐぞ。au????
— 日下部うめか (@umetaro_711) February 10, 2022
とのコラボ企画で未来の大阪駅を描かせて頂きました(⊃´-`⊂)♡
お次はけーしんさん(@keisin)の福島駅です????
特設サイトも是非覗いてみてね????????https://t.co/4sIRCuFmjI pic.twitter.com/4pfq20fqxd
翌2月11日には、けーしんさんが福島駅のアートを投稿。
ずっと、もっと、つなぐぞ。au
— けーしん???? (@keisin) February 11, 2022
とのコラボで未来の大阪環状線の駅、「福島駅」を描かせていただきました!
明日はみずすさん(@tatakinofu)の野田駅です!
特設サイトも是非ご覧ください~!????https://t.co/IhA9ihRNLi pic.twitter.com/uVJ3jqInTL
けーしんさんの次はみずすさんが野田駅を描き、最終的には大阪環状線をつなぐ。
これは、ウェブやSNSを中心に作品を発表しているアーティスト19人と、「ずっと、もっと、つなぐぞ。au」のコラボ。2021年12月に、多様なアーティストたちが山手線駅の未来を描いたが、そうした取り組みの第二弾だ。
JR西日本の大阪環状線は、大阪駅をはじめ、大阪ベイエリアの玄関口・弁天町駅や通天閣のお膝元の新今宮駅、日本一の超高層ビル「あべのハルカス」のある天王寺駅などをつなぎ、市内中心部をグルリと1周する主要路線である。
KDDIでは、「鉄道路線5G化」宣言を起点に、お客さまの生活に身近な、主要路線のホーム、駅構内および駅間を中心に5Gエリア化を進めており、大阪環状線は2021年9月から、全19駅のホームと駅間で5Gサービスが使えるようになった。そんな便利で快適な路線の未来の姿を、関西にゆかりのある19人のアーティストが描いて発信する取り組みだ。
「#大阪環状線をアートでつなぐぞ」のタグで投稿されているリレーツイートは現時点(2022年2月19日)で天王寺駅まで到達している。また、投稿されたアートをまとめて見ることができる特設サイトも開設された。
この記事では、大阪環状線全19駅のうち、前半に投稿された10駅と、それらを描いた10人のアーティストについて紹介する。それぞれがどのように未来の大阪環状線の各駅を描いたのか、大阪駅から順に見てみよう。
10人のアーティストが描き出した未来の大阪環状線
■大阪駅/日下部うめか「多様な未来のあり方を認めてくれる大阪」
淡い色合いのふんわりした絵柄が特徴の日下部うめかさん。現在LINEマンガで、『キミのスキtoボクのスキ』を連載し、単行本も発売中。ほかに広告などにもイラストを提供している。
「昔から親しみのある大阪駅に、みんながそれぞれを尊重し、好きなものを好きに表現して発信できる優しい未来を重ね合わせて描きました」
https://twitter.com/umetaro_711
●今回の作品の制作について
過去に大阪駅で撮った写真や思い出などからイメージを膨らませてテーマを決めて描いていったという日下部うめかさん。
絵の全体のイメージをまず大まかに着色ラフとして描き、キャラクターを決定したら本番用の線画を制作。
そして本番用に着彩を行い、仕上げていく。
「こだわったのは、“自由に好きを発信できる未来”を表現するために、女の子の衣装を個性的に描くこと。足元に雲を置くことで、今が優しい未来へと続いていることを表現しました」
■福島駅/けーしん「下町のムードを残しながら未来へ」
書籍の装画やキャラクターデザインを中心に活動し、「ダムの擬人化」などの創作活動も行うイラストレーター。イラストに描かれる空気感や温度感、そしてそれらを表現するための色彩にこだわっているそう。
「都心と下町のふたつの魅力を持つ福島の下町の魅力を残しつつ、より楽しく暮らせる街になるよう意識して描きました」
https://twitter.com/keisin
●今回の作品の制作について
制作の進め方は「福島がどういった街なのかを調べて、その世界観と小物など、自分の好きなものをどう合わせるかを考えて描きました」と、けーしんさん。
まず福島駅のイメージと、大まかに描きたいものを入れて大ラフを作り、そこから完成像を想定したラフへと進める。
全体をどのように構成するかが決まれば、キャラクターと背景を分けてそれぞれ線画を描く。
そして、下塗り→描き込み→最後の調整へと進む。よく見ると、着物のシワの陰影や電車の窓の反射などが加わっている。キャラクターがたすき掛けにしたエコバッグや背景の看板などで生活感が醸し出されている。
「都心と下町の魅力を両立した構成が難しくて苦戦しましたが、古き良き街並みにホログラムやお店の看板を描くのはとても楽しかったです」
■野田駅/みずす「街を見下ろす巨大なお地蔵さんをARで」
和歌山県出身・在住。小説や児童書の装画、教材の表紙、広告、CDジャケットなど幅広い分野で活動中のみずすさん。最近ではSaucy Dogの配信曲「あぁ、もう。」のジャケットや、教育系YouTuber葉一さんの著書『自宅学習の強化書』のカバーイラストも手がける。
「野田名物のお地蔵さんが、巨人みたいに上から覗くARが実現したら面白そうと思って描きました」
https://twitter.com/tatakinofu
●今回の作品の制作について
今回の制作は、まず野田駅のことをネットで調べるところからスタート。そして「野田らしさ」を大まかにつかみ、それを生かした全体のラフを描いた。
初期に取りかかったのは、左のラフのような構図だった。だが、「キャラクター単体でも駅のイメージが伝わることが重要」と考え、シフトチェンジ。魅力あるキャラクターを生み出すことに注力しようと試行錯誤し、右のキャラクターラフにたどりついた。
そのうえで、野田らしさと未来感が出るように配慮して描き直したのが左のラフ。それを元に右の下描きを起こした。
みずすさんが盛り込もうとした「野田らしさ」とは、たとえば町内にたくさんあって7体にお参りすると願いが叶うといわれるお地蔵さん。そして、野田藤という藤の花。
「野田駅の情報収集と未来感を出すのに苦労しましたが、野田に縁ある人たちにいいなと思ってもらえる画作りを目指しました。みなさんに楽しんでいただけるとうれしいです」
■西九条駅/tabi「あたたかな色彩を持つ近未来都市」
レトロで懐かしい風景を優しいタッチで描くtabiさん。SNSを中心に活動し、アーティストのMVや広告、オリジナルグッズ、「HOT PEPPER」などでも作品に出合うことができる。
「見る人がリラックスできるような絵を描いたつもりです」
https://twitter.com/tabisumika
●今回の作品の制作について
「まず実際に西九条駅に行き、写真を撮影したり、駅だけでなく興味のある場所を散策したりしてイメージを膨らませました」と、tabiさん。
最初に取り組んだのが、絵の中心となる色の検討。「取材に行ったのが朝だったので、その印象をイラストに落とし込めないかと、色のパレットを数種つくり、いちばん表現したいものに沿うような色を検討しました」
そしてラフを制作。「構図や色の検討の後、大まかなイメージを決めました。この段階では現地で撮影した写真を参照しながら描いています」
線画を描いて、着彩。「人物を先に着彩しました。背景はビルの目安となるアタリを描き、バランスを見ながら描きこんでいきました。仕上げで線画は消すので、細かく描かず、塗りの目印程度にしています」
さらに、さまざまな効果を入れていく。「ビル群の窓や、人物が操作している液晶、背景の空など、パーツごとに分けて塗っていきました」
「この作品では、近未来都市でありながらあたたかな色彩を持つ街を描こうという点にいちばんこだわりました」
■弁天町駅/かねこ鮭「ベイエリアは進化してもぬくもりは変わらない」
ポップでかわいい絵柄が魅力のかねこ鮭さん。Twitterを中心に、オリジナルグッズやYouTubeの楽曲アートワークなど、さまざまな作品を発表している。LINEスタンプで展開中のぬいぐるみ型生命体・ヌコくんのようなオリジナルキャラクターが得意だ。
「せまい路地裏や部屋の中など、ごちゃごちゃして散らかった背景を描くのが大好き。線画を描くのも見るのも大好きなので、線が映える絵を目指しました」
https://twitter.com/kanekoshake
●今回の作品の制作について
兵庫県在住のかねこ鮭さん。弁天町駅周辺の記事を検索し、地図やGoogle Earthなどで地理も押さえた。そこで弁天ふ頭という港と安治川にかかる鉄橋に着目。「川がメインになる絵に決めました」
シャーペンでラフを描き、それをスキャンして真ん中の着色ラフを制作。橋と川が目立つよう右の構図に変更。
デジタルでラフまで制作したあとに、本番の下描きはあらためて手描きで行うのがかねこ鮭さん流。最初の色ラフで空を飛んでいたジンベエザメは足下の川を泳ぐことになった。
「弁天町は大阪ベイエリア開発の拠点のような街です。高層ビルがどんどん建って、道路や橋がぐんぐん伸びていく未来的な場所ではあるのですが、昔から変わらないぬくもりが残る。そんな雰囲気を絵にしました」
■大正駅/そゐち「ステキな駅舎の佇まいは未来もそのままに」
DUSTCELLの楽曲「火焔」MVのディレクション&アニメーション担当に、スマホゲーム「駅メモ!」のキャラクターデザイン、「にじさんじ×SHIBUYA TSUTAYA」ポップアップストアの衣装デザインなど、多方面で活躍中のそゐちさん。
「大正駅はいまの駅舎が好きなので、その雰囲気を残しつつ優しい未来感が出したいと思って描きました」
https://twitter.com/huseso
●今回の作品の制作について
普段の制作においては「ほとんど背景を描かない」というそゐちさん。得意のキャラクターデザインを生かしながら、背景となる大正駅とのバランスを見て、キャラクター、背景ともども微妙に調整した。
こちらは着色したラフ。左に比べて右は微妙に色味が濃くなっている。こうして全体のバランスを見る。
そしてキャラクターと背景を仕上げたあと、あらためて背景の濃淡や明暗、さらにデザイン要素を加えるか否かを検討する。
四角く罫線で囲うのかどうか、キャラクターの足下に影のような効果を入れるのか、試行錯誤。
「大正駅らしさを自分なりに解釈して進めていきました。普段、ほぼキャラクターしか描きませんし、近未来をモチーフにして制作することもほとんどないので、苦労しました(笑)。でもそれがとても楽しかったです!」
■芦原橋駅/中村杏子「太鼓という伝統を守る街がどう変わるか」
古き良き銭湯の什器や家具をカラフルに描いた「心斎橋PARCO」でのイベントのキービジュアルや、祇園の和菓子屋さんのパッケージなども手がける中村杏子さん。どこか懐かしい世界を、強烈にポップに仕上げる世界観が特徴だ。
「芦原橋は太鼓の産地で、そうした伝統を大切にしていると感じたので、イラストにも太鼓のモチーフをたくさん取り入れています」
https://twitter.com/n_muragoya
●今回の作品の制作について
現地に取材に赴き、街のあちこちに太鼓があることに驚いたという中村杏子さん。「公衆電話やバス停、公園の時計台など、いたるところにあったんです!」
そして、作品にも太鼓をそこかしこに盛り込んだ。左から背景ラフ、線画、キャラクターの着色中画像。
ラフから本番の線画に至る段階でディテールの描き込みが緻密に。キャラクターはフィルターをかけ、描き込みを加えて仕上げられた。
「江戸時代に全国的な和太鼓ブランドとして知られた『太鼓屋又兵衛』の屋敷があるのがここなんですね。跡地の公園のからくり時計など、現地で見た風景と自分が想像する未来の光景を組み合わせて制作しました」
■今宮駅/蒼木こうり「ストリート感覚あふれる住宅街の未来像」
モノクロ中心のリアルなタッチでストリート感あふれる男女を描く蒼木こうりさん。CDジャケットやMV、本の装画、アパレル展示など幅広い分野で活動中だ。蒼木こうりさんは、ならではの表現で、自身の作品で描くキャラクターを「治安悪そうな人」と称する。
「今宮駅がある街のシンボルフラワーの菩提樹を盛り込み、ストリートっぽい要素を表すのにメインキャラクターをスケートボードの少年に設定して描きました」
https://twitter.com/kouri_aoki
●今回の作品の制作について
制作にあたり、今宮駅とその周辺のリサーチからスタートした蒼木こうりさん。都心のわりには住宅街であること、シンボルフラワーの菩提樹とストリートらしさを象徴したスケボーの少年といった、絵を構成する要素をまず決めた。
左は、そうした要素を盛り込んでどのような構図にするかを構想した大ラフ。これを元に描いたのが右のラフだ。このときに要素の配置以外に作品の方針も決めた。
「キャラクターは3Dイラストで描くことが多いのですが、背景をあえて二次元的に描くことで未来のイメージを表現することにしました」
そして、左はラフをさらに進めた段階。右が完成直前。キャラクターの3D化の処理が加わっている様子がよくわかる。
「さらに未来感を加えるために、背景に要素を追加し、色味の調整を行って完成にもっていきました」
「普段は背景も、バーチャルやファンタジーな要素を描くこともないので、想像上の街並みを自分の画風に落とし込むのに苦戦しましたが、新たな挑戦でいろいろな発見もあり、楽しく描くことができました」
■新今宮駅/イケガミヨリユキ「ずっと変わらないカラフルで情報量の多い街」
画家としても活動するイラストレーターのイケガミヨリユキさん。2019年「ボローニャ国際絵本原画展」入選の実績があり、2021年公開の細田守監督作の映画『竜とそばかすの姫』にキャラクターデザインでも参加している。担当した新今宮駅は、通天閣のお膝元である新世界の最寄り駅だ。
「未来になっても新世界のカラフルで情報量の多い風景は変わってほしくなくて、そこを残しつつもっと賑わいが広がっているような世界を想像して描きました」
https://twitter.com/yoriyukiii
●今回の作品の制作について
イケガミヨリユキさんはスケッチのために天王寺動物園に訪れることがよくあり、その際に新今宮駅を利用しているそう。
「今回この駅を描くことになり、これは絶対に新世界の景色を描きたい!と思いました。キャラクターより先に背景を決定し、その後に夜景でも映えるようなキャラを考えました」
その制作中の一コマ。先に描いたカラフルで温かみのある新世界の風景に合うキャラクターを模索している様子がよくわかる。
動画がこちら。仕上げの段階を収録したものなので、先にキャラクターがいる画面に背景の要素が配置されていくのだが、イケガミヨリユキさんがこだわる新世界の雑多でカラフルな様子はヴィヴィッドに伝わってくる。
「お祭りみたいな街で元気に走り回ってきたキャラデザインにしたつもりです。あと、新世界といえば将棋というイメージなので、駒を持たせています」
■天王寺駅/原田ちあき「ヒョウ柄、アメちゃん、動物園フォーエバー」
アーティストグッズや書籍出版などを多数手がけ、京都芸術大学の講師も務める原田ちあきさん。「女の子」「ホラー」「カラフルでレトロ」「ポップ」を描くのが大好きだそう。マンガ好きのあいだで話題になった『手から毒がでるねこのはなし』など著書も多数。
「天王寺の街が持つ元気で明るい雰囲気を出すことにこだわりました」
https://twitter.com/cchhiiaakkii
●今回の作品の制作について
まず背景に駅舎や動物園の門を配置し、描きたい要素を盛り込んだラフを作成。
「天王寺はよく遊びに行く街で、象徴的なものが多いのでテーマを決めることには苦労しませんでした。とくにヒョウ柄、アメちゃん、動物園は絶対に入れたい!と思っていました」
そして線画に。さまざまな要素を描き込んで、いったんキャラクターを配してバランスを見ながら構図を調整していく。ビルのビジョンにはビリケンさんが登場。看板や「アメちゃん」があちこちに加わり、フグの気球から吊された「名物串かつ」も地上の看板に変更。いろいろな天王寺要素がギュッと凝縮された下絵になった。
文字やアメちゃんの位置を調整し、着彩していく動画がこちら。
「たくさんいろんなものを描き込んでみたので、じっくり見て楽しんでもらえると嬉しいです!」
カラフルで多様な大阪環状線の未来にワクワク!
と、ここまで現時点(2022年2月19日)で投稿されている10人のアーティストによる大阪環状線駅の10の個性あふれる未来像を紹介した。
そして、天王寺駅以降の駅を担当するアーティストたちもリレーツイートを継続している。大阪環状線・寺田町駅から先をどんなアーティストがどのように描いているのか、Twitterや特設サイトでもぜひチェックしてほしい。
また「TIME&SPACE」でも、残る9駅の作品とアーティストについて、その作風や制作工程を後日まとめて紹介する。さらに、大阪環状線全駅のアートが出揃ったあとには、ウェブやSNS以外でも作品が観られる予定だ。
auとアーティストがコラボした、#大阪環状線をアートでつなぐぞは続いていく。そして、KDDIは「ずっと、もっと、つなぐぞ。au」をスローガンに、お客さまの生活に身近な鉄道路線を中心に5Gエリアを広げ、さまざまなパートナーとともに、ワクワクする体験価値をつくりだしていく。
文:TIME&SPACE編集部
※掲載されたKDDIの商品・サービスに関する情報は、掲載日現在のものです。商品・サービスの料金、サービスの内容・仕様などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。