2021/08/14
実物大の恐竜が現れる!5G×スマートグラスを「DinoScience 恐⻯科学博」で体験
映画や図鑑で見る恐竜を実際に目の前で見てみたい…そんな思いを実現するサービスとして、今までもスマホやタブレットをかざすことで現実世界に恐竜を呼び出すARを紹介してきたが、神奈川県横浜市で開催中の「Sony presents DinoScience 恐竜科学博 ~ララミディア大陸の恐竜物語~」において、よりリアルな恐竜を目の前で体験できる「スマートグラス」に対応したAR恐竜が誕生した。
多彩な骨格標本が並ぶ「DinoScience 恐竜科学博」の魅力とは
「DinoScience 恐⻯科学博」は、かつて白亜紀後期に存在していた幻の大陸「ララミディア」で生きていたという恐竜たちの骨格標本や化石の展示をはじめ、リアリティにこだわった恐竜の映像体験も楽しめる “新しい恐竜展” だ。
代表的なティラノサウルスをはじめ、映画でも有名になったダコタラプトルや…
海の支配者モササウルスなど、人気恐竜の姿を見ることができる。
最新AR技術で目の前に現れる実物大の恐竜
その特別展示コーナーで体験できるのが、最新AR技術とスマートグラスで再現される「au 5Gで恐竜がよみがえる!スマートグラスをかけてAR体験」だ。
今回の目玉は、特別展示コーナーに展示されている日本初公開のトリケラトプスの実物化石と、躍動感あふれるティラノサウルスの標本展示。
KDDIのスマートグラス「NrealLight」をかけてこの骨格標本を見ると、標本に重なって実物大の動く恐竜の姿が目の前に現れるというわけだ。
報道向けのプレ体験会で、実際に体験した日向坂46の潮 紗理菜さん、丹生明里さん、松田好花さんも、目の前に現れた実物大の恐竜の姿に驚いた様子。
いったいこのAR恐竜は、どんな技術で実現したのか。この映像を実現した、KDDIでスマートグラスNrealLightのコンテンツ開発担当者に話を聞いた。
サービス統括本部 担当部長 栃本英源
スマートグラスでのAR恐竜誕生の裏側は?
―――体験した人も驚いていましたが、このスマートグラスではどんな映像を見ることができるのでしょうか。
白石:スマートグラスNrealLightをかけると、まるで化石から生き返ったように、実物大の恐竜が目の前に出現します。この恐竜展では実物化石や標本の展示が中心ですが、来場される方により楽しんでいただける体験を提供したいと思い、主催者の皆様と共に、動いている恐竜をこの展示場に出現させようとなったわけです。
―――今までもスマホやタブレットを通してAR恐竜を生み出す技術を見てきたのですが、今回はなぜスマートグラスを採用したのでしょうか。
白石:スマホ越しの四角い画面の中に見るのではなく、できるだけ視界いっぱいに、少しでもリアルなものを目の前で体験してほしいという想いから、スマートグラスでの体験にしたいと考えました。トリケラトプスの化石「レイン」は、初めて米国外に出た、非常に希少な価値のあるものです。ティラノサウルスの骨格標本「スタン」も、学説を検証し生存していた当時のポーズが再現されています。会場も雰囲気ある仕上がりになった恐竜科学博という素晴らしい企画の中で、本当に恐竜の生きていた時代に迷い込んだような、そんな体験を目指しました。
王:すでに一般にも販売を開始し好評を得ているスマートグラス「NrealLight」が、今回の実物大の恐竜を楽しむデバイスとして最適だと考えました。「NrealLight」は、スマートフォンと接続して動作します。「NrealLight」はいわば立体的な表現を可能にするモニタで、スマートフォンで演算や描画の処理を行っています。複数の恐竜や、鱗状になった体の表面など、細かい部分まで再現したCGデータをスマートグラス上でなめらかに表現するには、高いコンピューティングパワーが必要です。そこで今回は、スマホでもリアルな恐竜を再現できるよう、5G通信を活用したクラウドレンダリングという配信方法を採用しました。
王:レンダリングとは、元データから映像や音声を生成する仕組みなのですが、そのレンダリング処理をクラウド上で行うことで、出力デバイスの処理能力に依存せず、ブラウザやアプリ上で映像を表示することができるようになります。今回はKDDIの独自開発により、スマートグラスで見るという視聴スタイルは解決しましたが、もうひとつの課題がでてきました。
福井:スマートグラスでの視聴は、グラスをかけている人が位置を移動したり顔を上げ下げしたりするたびに、その行動に応じた映像をスマートグラス内に表示しなければなりません。つまり、その人が立っている「位置」と顔の「向き」にくわえ、目線の「高さ」という6次元の情報が決まった瞬間、クラウドからその情報に応じた視点映像を遅延なく配信しなければならない。この課題を解決したのが、5G通信と「AWS Wavelength(エーダブリューエス ウェブレングス)」です。
福井:「AWS Wavelength」は、AmazonとKDDIの技術です。従来の通信はスマホから基地局を経てインターネット上にあるサーバーとデータをやり取りしていますが、「AWS Wavelength」ではau 5Gのデータセンター内にAWS(Amazonのサーバー群)を置くことで、インターネットを通さず、すぐにスマホとデータのやり取りができるようになります。
福井:KDDIにはこのau5Gのデータセンター内にサーバー群を置く「MEC」という技術を使った経験もあり、その低遅延配信のノウハウを元に、映像配信パラメーターをきめ細やかに調整し、今回の恐竜博でも映像の低遅延・安定化を実現することができました。Amazonのサーバーを利用する「AWS Wavelength」は、同時に利用できる人数も増減にあわせてフレキシブルに変更可能で、今回の多くの人が訪れる恐竜博のようなイベントにはピッタリの技術だと考えます。
福井:さらに、クラウドレンダリングで特筆すべき点は、スマートグラスやスマートフォンごとにそれぞれ別の映像を見るのではなく、同じコンテンツを同時に見ることができるという点です。体験している人すべてが同じ対象物を見ているため、一緒に来ている人と「この部分見てみて!」など、体験を共有することができます。このスマートグラスと「AWS Wavelength」の組み合わせにより、ARやVR、そしてその複合技術であるXRの可能性がまたひとつ広がるのではないでしょうか。
―――5Gの時代になると、本当にいろんなことができるようになるんですね。
栃本:はい、5Gエリアが広がることで、ARやVRなど、映画で未来として描かれていた世界が、未来のものでなく、身近で一般的なものとして体験できる機会が増えてきました。今回の恐竜博では、先ほどのスマートグラスでの恐竜体験をはじめ、会場の外でも、街の奥⾏きを認識するVPS(Visual Positioning Service)技術を活⽤し、都市空間にARコンテンツを表⽰するアプリ「XR CHANNEL」とのコラボレーションにより、みなとみらいの街を背景に巨⼤な恐⻯の姿を見ることができます。
栃本:ほかにも、5Gを活用して、会場に設置された複数のカメラで「レイン」と「スタン」と一緒に映像を撮影し、自動で編集してあなただけの来場記念ムービーをお持ち帰りいただくサービスもご用意しました。
栃本:このように今回の恐竜博では、恐竜というテーマを通じて、KDDIの5G最新技術だけでなく、ソニー様の空間再現ディスプレイや10Kの4Dシアターなど、最新の映像・音響などの技術を身近なものとして触れていただく良い機会です。ぜひ会場にて体験いただけたらと思います。今後もKDDIの5GやXRによる新体験を楽しみにしていてください。
■Sony presents DinoScience 恐竜科学博
~ララミディア大陸の恐竜物語~ 2021@YOKOHAMA
・公式サイト:https://dino-science.com
・開催期間:2021年7月17日(土)~9月12日(日)
・場所:パシフィコ横浜 展示ホールA
※入場料やスマートグラスの体験料金など詳細は、公式サイトにてご確認ください。
文:TIME&SPACE編集部
※掲載されたKDDIの商品・サービスに関する情報は、掲載日現在のものです。商品・サービスの料金、サービスの内容・仕様などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。