2021/08/05
標高3,776mでau 5Gがつながる!安心・安全な富士登山のためのKDDIの取り組み
日本最高峰の山「富士山」。登山好きならずとも「一生に一度はこの山の頂上に立ちたい」と願う人は少なくないだろう。
KDDIは2009年より、スマホの利用が多く見込まれる富士山の開山期間(7月上旬から9月上旬まで)にあわせて、登山者が安心して富士登山を楽しめるよう、登山道や山頂における通信エリア対策を行ってきた。
そしてKDDIは2021年夏、富士山の通信エリア対策をさらに拡充。従来から提供していた4G LTEやWi-Fiサービスに加え、高速・大容量・低遅延な次世代通信サービス「5G」を山頂に整備した。
これにより、日本最高地点である標高3,776mで、5Gを利用できるようになったのだ。
KDDIが富士山における通信エリア対策を行う背景とは?登山中にスマホが使えることは利用者にとってどのようなメリットがあるのか?富士山の電波状況を確認するエリア対策担当のKDDI社員の富士登山に密着取材した。
電波測定用に大量のスマホを用意
2日間に及んだ今回の富士登山取材。まずは1日目の朝、集合場所の富士山富士宮口五合目(標高2,400m)に着くと、真剣な表情でスマホを操作している2人組を発見。
彼らが富士山の通信エリア対策を担当するKDDIの社員たちだ。
左はKDDIエンジニアリング中部支社・金沢フィールドグループの小淵敦喜、右は同・名古屋フィールドグループの若松洋介。2人とも登山慣れしているわけではないものの、若さとガッツを武器に今回の富士登山に挑む。
「今回の私たちのミッションは、富士山の電波状況を測定すること。ここ五合目から山頂まで、登山道や山小屋の電波状況をスマホの専用アプリでチェックしながら登っていきます。富士登山は久しぶりですが、気合いで頑張りたいと思います!」(小淵)
「登山中はスマホの電波測定アプリを常時起動したままにするほか、各山小屋では時間をかけて電波状況を測定し、下山後に分析。電波品質の改善に役立てます。用意したスマホは計8台。電池切れに備えてモバイルバッテリーも欠かせません」(若松)
富士宮口五合目から山頂までの所要時間は、標準的なペースで登りは約5時間、下りは約3時間。加えて今回は、山頂をぐるりと一周する、いわゆる「お鉢巡り」も行程に含まれ、こちらの所要時間は約1時間半。山小屋での宿泊や休憩も含めると丸一日以上に及ぶ長時間の山行となる。大量のスマホとモバイルバッテリーを持ち歩くため、通常の登山よりも荷物は重い。気力と体力が要求される仕事だ。
登山しながら電波状況をチェック
午前11時、登山スタート。天候は曇り時々雨。濃霧が立ち込めて視界が悪いなか、登山道を一歩一歩進んでいく。
ルート上にある各山小屋ではいったん足を止め、スマホを取り出して電波状況をチェック。通信状況の確認のほか、電話をかけて通話品質を確認することも。
山の天候は変わりやすい。周囲を覆っていた霧が晴れたと思ったら、急に雨が降り出し、バケツを引っくり返したような土砂降りに見舞われた時間帯も。
11時に五合目をスタートし、この日の宿泊先となる八合目の山小屋(標高3,250m)に着いたのは16時過ぎ。ルート上の各山小屋で電波測定しながらの登山であり、標準的なペースよりもやや遅れての到着となった。
八合目の山小屋に到着後、周辺の電波を測定。本日の業務はこれで終了となる。悪天候のなか5時間以上も歩き続けてきた2人。さすがに疲労の色は隠せない。
山の夜は早い。山小屋にチェックイン後、夕食をとり、19時過ぎには就寝。翌日に向けて英気を養う。
山頂で5Gがつながることを確認!
そして2日目。夜中の1時半に起床し、2時過ぎに八合目の山小屋を出発。
暗闇のなか、前方をヘッドランプで照らしながら登山道を進む小淵と若松。前日に降り続いた雨はほぼ止み、空には星がきらめく。
東の空が白み始めた午前3時半頃、九合五勺(標高3,590m)に到着。夜明けは近い。山頂まであとひと息だ。
しばらく歩を進めるうちに、午前4時過ぎ、ようやく山頂に到着。
しかし、休む間もなく再び歩き始める。今回のミッションは登頂したら終わりではない。山頂を一周する「お鉢巡り」をしながら、日本最高地点「剣ヶ峰(標高3,776m)」を目指す。
荒涼とした山頂の登山道を歩いているうちに、日の出の時間が近づいてくる。歩を止めて東の空を見つめていると、雲の切れ間から太陽が顔をのぞかせた!
真っ赤に燃える朝日にしばし見入る小淵と若松。前日は終始悪天候で、御来光は期待できないかと思われたが、このタイミングで晴れ間がのぞいたのは幸運と言うほかない。
電波状況を測定しながら、山頂をぐるりと一周。日本最高地点である剣ヶ峰を含め、au 5Gがつながっていることが確認できた。急ピッチで通信エリア対策が進む5Gだが、ここは富士山頂という特殊な環境であり、「えっ、こんなところで5Gの高速通信が使えるの?」という驚きがあった。
登山者の安心・安全のために
登山口から山頂まで、電波を測定しながら富士山に登頂するという任務を終え、担当の小淵と若松はなにを思ったのか?また、電波測定の結果はどうだったのか?本人たちに聞いてみた。
――電波測定しながらの富士登山、お疲れ様でした。
小淵:体力的にはハードでしたが、山頂にたどり着いたとき、それまでのツラさが吹っ飛ぶほど達成感がありました。
若松:達成感は半端じゃなかったですね。山頂では御来光を拝むことができましたし。
――測定の結果、電波状況はいかがでしたか?
小淵:細かいデータは会社に戻ってから分析して確認しますが、手元のスマホで見た限りでは、登山口や登山道では4G LTEが安定してつながっていること、そして山頂では5Gがつながっていることが確認できました。
若松:電波状況は概ね良好でしたが、改善の余地があると思われる箇所もありました。そこは今後の通信エリア対策に活かしていきたいと思います。
――実際に富士山に登ってみて、どのようなことを感じましたか?
小淵:山でスマホが使えることの大切さを実感しました。登山道や山小屋でまわりの登山者を見渡すと、みなさん当たり前のようにスマホを使っています。また、スマホは道迷いや遭難を防ぎ、安全に登山を楽しむための重要なライフラインのひとつ。通信をつなぎ続けることは命を守ることにもつながります。私たちにはみなさんの期待に応える責務があることをあらためて感じました。
若松:山頂で写真や動画を撮ってSNSに投稿したり、天気予報を確認したり、家族や仲間に無事を伝えたり。自分が実際に富士山に登ってみて、山でスマホがつながることの重要性がよくわかりました。高速大容量な5Gがつながることで、登山者のみなさんはより便利に快適にスマホをご利用いただけるはずです。みなさんが安心して登山を楽しめるよう、これからもつなげる努力を続けていきたいと思います。
この夏、富士登山を検討している人は、スマホを上手に活用して、安全に登山を楽しんでほしい。そして無事に登頂したあかつきには、日本最高峰からの絶景を高精細な動画や写真でシェアするなど、5Gを通じてその感動を家族や友人と分かち合ってほしい。
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富士山に行けない人へ、バーチャルな楽しみを
2021年夏、KDDIは静岡県御殿場市と共同で、安心・安全な富士山観光のためのさまざまなサービスやコンテンツを提供している。
■「勝俣州和の富士山バーチャルガイドツアー」
御殿場市の観光親善大使である勝俣州和さんがARや動画で見どころや歴史を解説する「バーチャルガイドツアー」。XRプラットフォームアプリ「5G XR VIEWER SATCH X powered by STYLY」のAR技術が活用されている。富士山御殿場口新五合目の「Mt.FUJI TRAIL STATION」や「富士山自然休養林ハイキングコース」で楽しめるほか、一部のコンテンツは自宅などでも見ることができる。提供期間は2021年7月12日〜10月下旬。
■リモート一眼レフ撮影サービス「マチカメ」
富士山御殿場口新五合目の「Mt.FUJI TRAIL STATION」にて、富士山を背景にした高画質な記念写真が撮影できるリモート一眼レフ撮影サービス「マチカメ」が無料で提供されている。他の登山者にカメラを渡す必要がなく、接触を避けられるので安心。提供期間は2021年7月12日〜9月10日(予定)。
■au XR Door「バーチャル富士登山」
360度VR映像で富士登山を疑似体験できる「バーチャル富士登山」。スマホアプリ「au XR Door」で楽しむことができる。
■5Gを活用した富士山頂からの生配信
8月8日の山の日にあわせて、2021年8月8日10時〜12時、5Gがつながる山頂からの360度映像を「au XR Door」を通じて生配信する(天候等の理由で変更や中止の可能性あり)。富士山に行くことが難しい人は、自宅で富士登山気分を味わってほしい。
生配信は、VR空間が楽しめるスマホアプリ「au XR Door」またはWebで体験可能。
アプリの場合:「au XR Door」をダウンロードし、トップページから「バーチャル富士登山」へ。
Webの場合:スマホの最新ブラウザからこちら
文:榎本一生
撮影:橋本成亮
※掲載されたKDDIの商品・サービスに関する情報は、掲載日現在のものです。商品・サービスの料金、サービスの内容・仕様などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。