2021/06/24

スマホで動物の性格や家族構成がわかる!動物園を最大限に楽しめるアプリ『one zoo』を東山動植物園で体験

「one zoo(ワンズー)」は、KDDIが提供する全国の動物園と動物園ファン、動物好きをつなぐアプリだ。

全国の動物園から、毎日、動物たちの動画が届くだけでなく、赤ちゃん誕生などの最新ニュースを配信しているので、自宅にいながら動物園の楽しさを味わうことができる。

動画は、各動物園のさまざまな動物たちがあくびをしたり餌を食べたり、ときには飼育員さんにじゃれついたり。まさに日常を捉えた何気ないものが中心だが、それによって動物たちの普段の様子がよくわかる。気づけばついつい起動して見てしまう。

「one zoo」のトップページと動物園から配信される動画 「one zoo」では、毎日、動物園から飼育されている動物たちの日常の様子を捉えた動画が配信される

この「one zoo」は、動物園の疑似体験をスマホで楽しむことだけが目的のアプリではない。園内マップや見たい動物がいるところまでのナビ機能、音声ガイド、デジタルスタンプラリーなど、実際に動物園に行った際に、現地での体験をより充実させる機能も多数搭載されている。

2021年6月には、「one zooスコープ」という新機能が追加され、園内でアプリを起動して動物にかざして見ることで、名前や性格・家族構成といった各個体の情報が瞬時にわかるようになった。動物園で飼育されている動物たちのことを深く知り、より楽しんでもらうことを目指している。

現在、「one zoo」は下記の全国9つの動物園と協力してサービスを提供している。

・旭川市旭山動物園(北海道)
・よこはま動物園ズーラシア(神奈川)
・金沢自然公園金沢動物園(神奈川)
・野毛山動物園(神奈川)
・天王寺動物園(大阪)
・福岡市動物園(福岡)
・のんほいパーク(愛知)
・とべ動物園(愛媛)
・日本平動物園(静岡)
※2021年4月22日現在

そして、2021年6月より「one zoo」10カ所目の動物園として愛知県名古屋市の「東山動植物園」が加わった。実際に「東山動植物園」で、ひと足先に「one zooスコープ」を体験してみた。

名古屋「東山動植物園」で「one zooスコープ」を体験

こちら「東山動植物園」は名古屋駅から電車で約20分の東山公園内にあり、敷地面積は日本最大級。飼育している動物は日本一の約470種(!)。

東山動植物園の動物たち

写真集やイメージDVDが大ヒットしたイケメンゴリラのシャバーニや、オジサンのような声で吠えるフクロテナガザルのケイジなど、名の知れた動物たちでも有名な動物園である。

では早速「one zooスコープ」を使ってみよう。まずは気になる動物がいる獣舎へ。

東山動植物園のゴリラ

アプリから「one zooスコープ」を起動するとカメラが立ち上がるので、動物にかざす。画面下部に表示される丸いボタンをタップすれば、四角い枠で動物を認識。「スキャン」が開始され、このゴリラの正式な種の名前と、個体の名前が表示される。

こちら、ニシゴリラのシャバーニである。

「one zooスコープ」で通してみた 東山動植物園のゴリラ シャバーニ

この画像ぐらいの距離感で画面内に動物を表示すれば、認識するまでは数秒。スマホで写真を撮るのと同じような感覚で使える。枠の下の「98%」という数字は認識の精度を表しており、「この動物がニシゴリラのシャバーニである可能性は98%ですよ」という意味だ。
※画面は開発中のものです。

この四角い枠をタップすると、シャバーニの詳しい情報が表示される。

「one zooスコープ」に表示される各種画面のイメージ 「one zooスコープ」で動物を認識すれば、個体の性格や家系図、絶滅危険度が表示される

動物園でのエピソードや、そこからわかった性格、家系図、さらには絶滅危険度まで、詳細な情報をその場で得ることができるのだ。

「one zooスコープ」でスキャンした動物は、自分の「one zoo」アプリ内に保存し、いつでも見返すことができる。ただし「one zooスコープ」が使えるのは、動物園に行ったときだけ。現地で実際に自分がスキャンした動物を、あとで思い出しながら確認するのも楽しそうだ。

ほかの動物でも「one zooスコープ」でスキャンしてみた。こちらのゾウは、アジアゾウの「ワルダー」と認識。

東山動植物園のアジアゾウ

そしてこちらのトラは、スマトラトラの「ダマイ」と認識。

東山動植物園のスマトラトラ

「one zooスコープ」は、瞬時に10,000種の生き物を見分けることができるAIレンズ「LINNE LENS(リンネレンズ)」の技術をベースにしている。そのAIモデルと膨大な数の生き物の学習データに、各動物園に暮らすそれぞれの個体の特徴を追加。個体ごとに異なる大きさや足の長さ、耳やたてがみの形状、体の模様といったさまざまな特徴をAIに学習させることで、個体の判別が可能になっているのだという。

東山動植物園のアミメキリン

なお、「one zooスコープ」に表示される動物たちの解説は、動物園の飼育担当者から話を聞いて一つひとつ丁寧に制作されたもの。

6月の公開当初は、東山動植物園、旭山動物園、ズーラシア、天王寺動物園の4園に暮らす12品種54個体の認識に対応。今後、順次全国に拡大していく予定だ。

東山動植物園に聞く「one zoo」がもたらすもの

では、動物園では「one zooスコープ」でどのように楽しみが広がると考えているのだろうか。東山動植物園の広報担当・太田雅也さんに、「one zooスコープ」がユーザーにどんな体験を提供できるのか、期待するところについて聞いてみた。

東山動植物園の広報ご担当・太田雅也さん 名古屋市 緑政土木局 東山総合公園管理課の太田雅也さん

「動物園の楽しみというのは、生で動物に会えることです。動物たちは実際に見るとやはり大きいですし、鳴き声もすごい。そうした迫力を生で体感しながら、単なるキリン、ゾウではなく、名前を知り、性格を知ることで愛着が湧き、『また会いに来たい』と思っていただきたい 。そして、より多くのお客さまにリピートしていただくことが、『one zooスコープ』にもっとも期待している点です」

一方で、自然界の深刻な状況を知るきっかけになることも期待しているという。

「現在、東山動植物園で飼育している約470種の動物のうち、約120種が絶滅危惧種にあたります。アミメキリンやアジアゾウなど、動物園でおなじみの動物たちが絶滅の危機に瀕していることをほとんどのお客さまは知りません。ですが実際には、いま飼育している個体がいなくなったら、その動物園では二度と見られない可能性もあります。『one zooスコープ』を利用していただくことで、そうした事実を多くのお客さまに知っていただけるのではないかと考えています」

東山動植物園では、獣舎の解説ボードや絶滅危惧種の動物を巡るスタンプラリー、小中学生向けの環境教育プログラムなどを実施し、来園者に向けて、動物たちの情報を広く伝える工夫をしている。

東山動植物園の園内表示 左上/コアラ舎前の解説パネル、右上/絶滅危惧種の動物たちを知るウォークラリーも実施、左下/世界三大珍獣といわれるコビトカバ、右下/動物園でおなじみのアジアゾウも絶滅危惧種

昨年度からは、絶滅危惧種の啓発のためにポスターを制作し、名古屋市内の地下鉄などへの掲出も行ってきた。

東山動植物園制作のポスター
東山動植物園制作のポスター 左上から時計回りにレッサーパンダ、キタイワトビペンギン、コツメカワウソ、ライオン。東山動植物園制作の絶滅危惧種啓発ポスターは、ほかにもアミメキリン、スマトラトラ、アジアゾウ、ニホンメダカなど全14種

「私たちが独自に行っている、絶滅危惧種の啓発や動物の生態の発信をデジタルの力で全国に広げ、これまで以上に動物たちの現状と東山動植物園に興味を持っていただけると嬉しいですね」

「one zoo」の動物園をさらに楽しむ機能

「one zoo」にはほかにも、いくつもの機能が搭載されている。動物園をより快適に、楽しくしてくれる機能を紹介しよう。

「one zooマップ」

one zooマップ

園内全体のマップが表示され、自分と動物の位置がわかる。動物のアイコンをタップすれば情報も見られる。好きな動物を重点的に見ながら動物園を巡ることができる。なお、東山動植物園では、獣舎までのナビゲーション機能も搭載。

「デジタルスタンプラリー」

デジタルスタンプラリー
デジタルスタンプラリー

対応する動物の獣舎前にスタンプ台が設置されており、足跡型のスタンプをスマホにタッチすると、その動物の足跡をゲットできる。さらに、園内すべてのスタンプを集めるとプレゼントも。

「音声ガイド」

音声ガイド

動物園ごとにオリジナル音声ガイドが用意されており、さまざまな動物についての情報を聴きながら園内を巡ることができる。アプリを起動した状態で音声ガイド対応の動物に近づくと、設置されたビーコンに反応してスマホから自動的にガイドが流れるので、非常に便利。

「ARカメラ」

ARカメラ

園内に設置された「3D PHOTO WALL」にスマホをかざせば、スマホ画面に動物たちがARで出現。このように一緒に記念撮影することができる。
※5月6日現在、「ズーラシア」でのみ期間限定で実施

「one zoo」を使えば、動物園に行けない時でも自宅で動画やニュースを楽しんだりすることができる。そして動物園に行ったときには、現地で動物への知識や愛情をより深めたり、園内をより快適に巡ったりすることもできる。「one zoo」は通信のチカラで自宅と動物園をつなぎ、動物園での体験をより豊かにすることができるアプリなのだ。

KDDIは5G時代のテクノロジーをもとに、XR技術などをさらに活用し、心をつなぐ。そして、ワクワクを提案し続けるために、さまざまなパートナーとともに新しい体験価値をつくりだしていく。

撮影:稲田平
文:TIME&SPACE編集部

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