2021/04/07
360°視点動画で子どもの次世代体験!「ぐるっと自由視点」体験会レポート in キッザニア
2021年3月11日、子どもが楽しみながらさまざまな職業を体験できるキッザニア東京で、KDDIの自由視点技術を使った「ぐるっと自由視点」の体験イベントが開催された。この技術とはどんな内容で、どのような体験ができるのか。その仕組みや裏側を、実際に体験した人の声とともに紹介しよう。
「ぐるっと自由視点」体験イベントとは
「ぐるっと自由視点」体験イベントは、KDDIの「ぐるっと自由視点 撮影サービス」を活用し、ゲームセンターにあるプリントシール撮影のように、自分の姿を3D動画で撮影できる体験イベントだ。まわりにぐるっと設置されたカメラで撮影した自分の立体的な動画をさまざまな背景と組み合わせ、15秒のオリジナル動画として持ち帰ることができる。
撮影も非常にかんたんで、参加者は合成したい背景を選択したあと、複数のカメラに囲まれたスペースで好きな動作をするだけ。数分で背景、BGMが合成された動画が完成。スマホに動画をダウンロードできる。
では、実際に設営されたブース内容など、詳細を見ていこう。
8台の深度測定カメラで人物を撮影
今回のイベントでは、8台の深度測定カメラを設置したブースが用意された。
入口はこのような形で、外で待つお母さんに内部の様子が見えて安心できるよう、モニターで様子を伺い知ることができるようになっている。
まずはどんな背景を合成したいか、オーロラ・シロクマ・花畑・深海の4種類から背景を選択。背景が決まったらブース内へ。
ブース内はグリーンバックを背景に、8台のカメラが360°等間隔に並ぶ。
中に入ったらすぐに撮影開始。約15秒ほど好きなポーズを取る様子を撮影。
撮影終了後、数分するとQRコードから動画をDL。選んだ背景が合成された自分の15秒動画を見ることができる。実際に体験したお子さんも「楽しい!!」とかなり喜んでくれた様子。
キッザニアの担当者からも「5Gという新しい技術に触れる機会を提供できました。体験した子どもたちも大変喜んでいたので、今後もこのような新しい体験をKDDIとともに提供していきたいですね。」と好評のイベントとなった。
所要時間としては、内容の説明から始まり撮影からDLするまで約10分。今まで3Dの自由視点映像はスタジアムでの動画視聴のように、準備も撮影も大掛かりなイメージをもっていたが、ここまで手軽に体験できることに驚いた。
このイベントの実現に至った技術「ぐるっと自由視点 撮影サービス」は、KDDIの「自由視点撮影システム」を簡易化することで実現したサービスで、設置場所の確保や大がかりな機材の準備、動画編集スタッフの確保など、3D動画を手軽に体験するための課題を解決することで実現したという。
具体的にどう実現したのか。自由視点撮影サービスの企画を担当するKDDI 5G・xRサービス企画開発部 氏原佳彦と浅井拓己に話を聞いた。
―――そもそもなぜ簡易化を考えたのでしょうか。
氏原:これまでKDDI総合研究所の自由視点映像という技術を使って、プロ野球やサッカー、バレーボールなど、スポーツ観戦を中心とした新たな体験を試みてきましたが、機材のセッティングやオペレーション、および放映権の関係上、スタジアムやその現場に来た人しか楽しめないということを課題に思っていました。そこでもう一歩先の体験を提供したいと考えた際、まずは「スマホを持っているすべてのお客さまが体験できる仕組みをつくれないか」ということにチャレンジしようと思ったわけです。
そこでメンバー内でも話し合った結果、映像をその場で見るだけでなく、その映像を思い出として持ち帰るところまで広げたいと思い、今の自由視点映像システムの簡易化に取り組み始めました。
―――簡易化にあたり、課題はどのあたりだったのでしょうか。
浅井:お客さまの提供範囲の拡大を考えますと、大がかりな機材を持ち込みセッティングが必要になることに加え、プロカメラマンによる事前のオペレーションテストや、当日の動画編集など入念な事前準備が必要なことが課題でした。
浅井:そこで撮影するスペースを簡易筐体としてつくることで設備の低価格化を行い、設定も一度プロが設定してしまえば使える形にし、映像処理もKDDI総合研究所と協力することで、画像マスクや人物の切り出し、3Dレンダリング処理など専用のソフトをつくり、撮影からお客さまが動画を持ち帰るまですべて10分以内で行えるオペレーションを実現することができたというわけです。
氏原:さらに今後5Gのエリアが広がれば、場所を問わずセットを組んでサービス提供することができますし、高画質な3D動画データのアップロードやダウンロードも高速化することで、より早くお客さまにデータをお渡しできるようになります。この簡易自由視点映像ができたことにより、従来の自由視点システムとあわせ、より多くのお客さまに体験いただける体制が拡充できました。
―――今後このシステムを使い、どのようなサービス提供を考えているのでしょうか。
浅井:今回は、キッザニアさまに「思い出を持ち帰るという点」と「非日常のドキワク感を味わえる」というところに共感いただき、一緒にイベントに取り組みましたが、今後はレッスンなど動きをさまざまな角度から見れることに価値があるジャンルや、動物や美術造形品など平面の写真だけではわかりにくいものなどへの展開を考えています。
氏原:技術自体を見ても、この簡易自由視点では自分の3Dデータを撮影できるので、今後はそのデータを自分のアバターとして、バーチャルシティやバーチャルステージなどVRの世界に映し出すことも考えています。モーションキャプチャーをつけて動かすことができるとより楽しんでもらえそうですね。今はまだ3Dの世界を楽しむにはスマートグラスなどデバイスの普及が必要との声もありますが、この手軽に楽しめる「ぐるっと自由視点 撮影サービス」が、3D映像の世界を身近に感じていただくきっかけになればと思います。
ーーースタジアムから自分のスマホへと、今後より身近になる映像体験。それを支える通信やIT技術の進化を実感できる機会が増えてきているいま、KDDIはワクワクを提案し続けるため新しい体験価値をつくりだしていく。
文:TIME&SPACE編集部
※掲載されたKDDIの商品・サービスに関する情報は、掲載日現在のものです。商品・サービスの料金、サービスの内容・仕様などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。