2021/03/17
ORANGE RANGEが「音のVR」バーチャルライブ 時を越え「以心電信」で心をつなぐメッセージ
auと、今年結成20周年を迎えるロックバンドORANGE RANGEのコラボレーションが実現した。KDDIのコンセプトショップ「GINZA 456 Created by KDDI」をステージとしたバーチャル空間から、「新音楽視聴体験 音のVR」でのライブの配信だ。
「GINZA 456」は、au 5Gや先端テクノロジーを活用したさまざまな体験型コンテンツが楽しめるスペースだ。そして「音のVR」は、スマホやタブレットを使って360度動画の見たい・聴きたい部分に自由自在にフォーカスできる技術。
「GINZA 456」ではこの「音のVR」をはじめ、望遠鏡型のデバイスを覗けば簡単にVR映像を楽しめる「VR View Scope」、目の前に100インチ相当のスクリーンが現れたりAR体験ができたりするスマートグラス「NrealLight」などが公開されている。
今回のコラボでは、「音のVR」のバーチャルライブ配信のほか、収録の模様を「XR Door」で体験できるというもの。「XR Door」はスマホから見た現実の風景にドアが映し出され、それを開くとVR空間に旅することができる技術だ。
実はKDDIとORANGE RANGEのコラボは初めてではなく、2004年には彼らが出演したCMが制作されている。こちらは当時のCM画像だ。
CMで演奏した「以心電信」は、今やORANGE RANGEの代表曲のひとつ。それから16年がたったいま、この曲で歌われた“離れていても人の心はつながっている”というテーマの力強さに改めて着目、彼らの20周年イヤーを記念して、5G時代の通信技術と融合させたいまのかたちで配信することになったのだ。
ORANGE RANGE×au GINZA456から届ける音のVRバーチャルライブ
こちらは今回のコラボの中身をまとめたメイキングムービーだ。
「音のVR」はKDDI総合研究所による独自の技術で、スマホやタブレットで専用アプリを使い、演奏中の好きなパートを画面上でピンチアウト(拡大)すると、映像と同時に、その歌声や楽器の音色にも近寄って視聴することができるというもの。
こちらが完成した「音のVR」コンテンツだ。
「GINZA 456」のB1イベントフロアを再現したバーチャル空間に6面のディスプレイを設定。それぞれにYAMATOさん、HIROKIさん、RYOさんのボーカル3名と、ギターのNAOTOさん、ベースのYOHさんを配置。スマホやタブレットの専用アプリを使って360度動画で再生しながら、引きで視聴すると一体感あるライブを体感でき、それぞれの画面にズームすれば、それぞれの歌声や楽器の音色に近づけるという、インタラクティブな視聴体験ができる。
「音のVR」バーチャルライブでは、「以心電信」のほか、昨年リリースの「KONOHOSHI」も視聴することができる。
制作の舞台裏を「au XR Door」で体感ツアー!
そしてもうひとつ、収録の舞台裏とORANGE RANGE20周年のスペシャルコンテンツが「XR Door」で配信されている。
「XR Door」とは、ゴーグルなどの専用機器は使用せず、手軽にXR体験ができる技術。スマホを通して現実の世界を見ればVR空間へのドアが出現し、スマホをかざしたままドアをくぐれば、今回の収録現場などのバーチャルな世界に入っていくことができる。
ORANGE RANGEのコラボ制作に密着!
今回の収録は、神奈川県川崎市の「CLUB CITTA'」で行われた。「TIME&SPACE」はその1日に密着。どのようにバーチャルライブが制作されたのか、メンバー5人の思いとあわせてお伝えする。
「CLUB CITTA'」は1988年に開業した、大型ライブホールの先駆け。2004年に制作されたORANGE RANGE出演のauのCMも、実はここで撮影された。ボーカルのRYOさんは「勢いのまま探り探りやってました。みんな表情が硬かったのを覚えてます。」と当時を振り返った
収録は、まず「音のVR」での楽曲のレコーディングから始まった。通常は客席となるフロアで演奏。
中央に360度マイクを設置。これで「音のVR」の音源を収録する。赤丸のついた機器がそうだ。
ORANGE RANGEは、それらを取り囲むようにして演奏した。この収録でのメンバーの位置関係に基づいたライブ音源を、VR空間で再現するのである。
「クーッ、緊張するー。プレッシャー半端ない(笑)」と叫ぶボーカルHIROKIさんに、「大丈夫」と親指を立てるRYOさん。「やわらかーい気持ちでいこう」と声をかけるのはボーカルのYAMATOさんだ。
コロナ禍で、ライブパフォーマンス自体が久しぶりなのだそう。リーダーでギターのNAOTOさんは「ステイホーム中はキーボードを使って曲作りばっかりやっていたので、ギターをちゃんと弾けるよう“リハビリ”してから臨みました」と笑う。
中高時代からバンド活動をはじめた5人ならではの空気感に包まれた現場はとても和やかな雰囲気に。徐々にテンションも上がり、「以心電信」「KONOHOSHI」の演奏は見事な仕上がりとなった。
バンドの本領発揮! 熱く盛り上がったライブシーン
続いて、場所をステージ上に変え、ライブシーンを撮影。
臨場感たっぷりの「音のVR」を、ここで撮影する迫力あるライブ映像と合わせることで、バーチャルライブが完成するのだ。
レコーディングでの緊張感と打って変わって、メンバーたちはリラックスしてライブパフォーマンス自体を楽しんでいるように見えた。
YAMATOさん、HIROKIさん、RYOさんの3人のボーカルは、スマホの向こうにいるオーディエンスに向けて歌を届け、ギターのNAOTOさんとベースのYOHさんは正確でかつ熱い演奏でその盛り上がりに拍車をかけてゆく。メンバーはもちろん、現場のスタッフの熱気も間違いなく高まっていた。
進化する通信テクノロジーと変わらない音楽への気持ち
今回、16年ぶりにKDDIとの取り組みを行ったORANGE RANGE。今回のコラボについて、当時と劇的に変わったスマホでの音楽視聴体験について自らの音楽活動、これから目指すところなどの話を聞いた。
RYOさん(ボーカル)
「音のVRを体験したときは正直鳥肌が立ちました。作り手として“こんなバランスで聴いてほしい”というのはあるんですが、聴く側が自由に好きなバランスで映像と音源を同時に体験できるのは画期的ですよね。
僕らの音楽活動で大事なのは自分たちが変わらず好きなことをやっていくこと。実はコロナ前から僕たちは、自分たちの生活のテンポのなかで音楽を作っていこうとしてきていたので、意外と変わらず音楽に取り組んでいけています。それは今後も変わりません」
HIROKIさん(ボーカル)
「今回みたいに、まさに“音”が重要になるプロジェクトに参加し、いきなり人前でライブするのはめちゃくちゃ緊張しました。聴いていただくみなさんは、『音のVR』で、より自由に音楽が楽しめるので素晴らしいと思います。
2004年に僕らが出演したCMは『着うたフル』でしたから、音楽の発信の仕方は大きく進化しましたよね。伝え方は変わっても僕たちは変わらずこれからもシンプルに楽しくやっていこうと考えています」
YAMATOさん(ボーカル)
「音のVRの収録は、20年やってきたなかでも初めての感覚でした。ここから未来につながっていくんだなと。自分たちが20年もバンドを続けてこられるとは思ってませんでしたから、いい経験ができましたね。
僕らは“音楽って心や体で感じるもの”だっていう意識を常に考えて活動してきました。だから、これからも自分たちが純粋に楽しむことをモットーにやっていきたいと思っています。それが新しいテクノロジーと結びついて、多くのみなさんに楽しんでもらえたらよりうれしいです」
NAOTOさん(ギター)
「今日の収録は、ライブとは違うプレッシャーがあったんですが、新しい技術に触れて僕らも成長できたと思っています。『音のVR』の各パートに近づいて聞ける技術って、楽器をやってる人には気になるところだと思います。どんなふうに弾いてるのかを映像で見ながら、音も聴けるのがいいんですよね。
僕らはこうした新しいことは大好きです。音楽への姿勢とか自分たちが好きなものにはこだわっていきながら、できる限りなるべく新しい音を求めながらやっています」
YOHさん(ベース)
「16年ぶりと聞いて驚きました。『音のVR』は一つひとつの音にズームできるのがすごく面白くて、こういう技術の進化は楽しみながらやっていきたいですね。
僕たちは音に関しては、なにかしら新しくかたちになっているものは取り入れてやっていこうと考えています。そうした姿勢は昔から変わりません。だから、こうした新しい技術はどんどん試していきたい。そして、なるべく早く実際に音が出せてみなさんに集まっていただける場所に戻りたいなと思っています」
エンターテインメントの新しい体験価値をテクノロジーで提供していく
トリプルボーカルというスタイルのロックバンドの楽曲を新たに録音し、「音のVR」コンテンツとして配信する。この新しいエンターテインメント体験について、開発者であるKDDI総合研究所の堀内俊治に話を聞いた。
「ORANGE RANGEさんは、高音域、中音域、低音域の3人のボーカル、ギター、ベースのみなさんで、ドラムと共にとても心地よい絶妙なバランスの楽曲を提供されています。
制作チームも、その絶妙なバランスを大きく変えることなく、パートごとにフォーカスすることができるという“絶妙なバランス”を目指し、音源そのものとアプリ上での効果の両面で工夫しました。見応えのある映像と合わせて、グルーブ感あふれる仕上がりになったと感じています。
私たちはこれまでにさまざまなジャンルにチャレンジしてきました。今後も、通信技術やXR技術を活用し、音楽鑑賞やスポーツ観戦などをより能動的に、お客さまに寄り添った新しい体験価値としてご提供していきたいと考えています」
KDDIは、着うた、LISMO、うたパスなど、その時代ごとに、スマホで楽しめる新しい音楽視聴の提案をしてきた。今回は、かつて着うたの時代に人と人をつなぐ通信でのコミュニケーションを歌った「以心電信」に改めてフォーカスし、直接会えない状況でも人と人の心はつながっているのだというメッセージを最新テクノロジーを活用して発信した。
KDDIは通信技術で心をつないでゆく。そしてこれからもワクワクを提案し続けるために、さまざまなパートナーとともに新しい体験価値をつくりだしていく。
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ORANGE RANGE
沖縄出身の5人組ロックバンド。2001年に結成し、2002年2月22日アルバム「オレンジボール」でインディーズデビュー。翌年2003年「キリキリマイ」でメジャーデビュー。ジャンルにとらわれない自由かつ高い音楽性と、卓越したポピュラリティが話題となり、数々の名曲を送り出し続けている。
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ORANGE RANGE -KONOHOSHI- マルチアングルSONG powered by au 5G
au 5Gプロジェクトのために特別に撮り下ろしたライブ映像をお届け。ひとりひとりの想いがこの世界を作っていく、という優しくも凛としたメッセージが込められた珠玉のミディアムナンバー"KONOHOSHI"を、auスマートパスプレミアムでもお届けします。ORANGE RANGE初のマルチアングル映像でお楽しみ下さい! ※auスマートパスプレミアムはauユーザー以外の方はもちろん、iOS、Androidでも視聴が可能です。
詳細はこちら
文:TIME&SPACE編集部
写真:正慶まゆみ
※掲載されたKDDIの商品・サービスに関する情報は、掲載日現在のものです。商品・サービスの料金、サービスの内容・仕様などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。