2020/10/27
秘境駅にもauの電波は届く?乗り鉄アイドル伊藤桃が「南海高野線」を調べてきた
都会の喧騒を離れ、ゴトゴトと列車に揺られながら、知られざる日本を楽しむ「秘境駅の旅」。今回、TIME&SPACEが訪れるのは「南海高野線」。
大阪のど真ん中からスタートし、和歌山県にある世界遺産・高野山につながるこの路線は鉄道ファンにも人気の秘境駅が存在する。
取材の目的はTIME&SPACEによる「秘境駅でもきちんとauの電波がつながる?」の調査。JR全線を完乗し、秘境駅めぐりが趣味という“ガチ系”乗り鉄アイドル・伊藤桃ちゃんにナビゲートしてもらい、いざ秘境駅の旅スタート!
「南海高野線」とは?
大阪の中心地・なんば駅を起点に、高野山の玄関口・極楽橋駅が終点となる高野南海線。
桃「大都市へ伸びる通勤電車としての顔と、山岳鉄道としてのふたつの顔を持つ魅力的な路線です。基本は郊外を走る路線なので、ローカル線色になってくるのは橋本駅以降になります。途中、上古沢駅から紀伊細川駅間は130mほどの標高差があり、車窓や駅からも山岳地帯のパノラマが望むことができますし、沿線には鉄道ファンに人気の撮影スポットもたくさんあるんですよ
今回は桃ちゃんおすすめの「九度山(くどやま)」駅から南海高野線の山岳サイドを中心に世界遺産・高野山を目指す。
鉄道ファンの隠れた名所とグルメが楽しめる「九度山駅」
まず最初に降り立ったのは九度山駅。駅のある九度山町は、かの戦国武将・真田幸村が隠れ住んだとされる町。駅の玄関口をはじめ、駅構内には「赤備え」や「六文銭」といった真田家ゆかりの演出が。レトロなつくりに朱色の差し色が映える駅舎だ。
桃「立派な駅舎の九度山駅ですが、実は無人駅なんです。でも、構内には評判のおにぎり屋さんがあって、イートインスペースは隠れた鉄道スポットになっているんです。今日は、沿線で坂や山道をたくさん歩く予定なので、まずは腹ごしらえしましょう!」
確かに、始発のなんば駅から九度山駅までおよそ2時間弱。「真田の赤備え」のなかでひと際カラフルで目立つ売店が、沿線でも評判のおむすびスタンド「くど」を訪問。
木札に書かれたお品書きが雰囲気たっぷり。指差してさっそく注文する桃ちゃん。
注文スタンドの横にはこんなものが。
桃「これは本物の電車の網棚を再利用したテーブルですね。イートインスペースはもっとすごいので、そこでおむすびをいただきましょう!」
そうして向かったのは、ホームの裏手にある不思議な建物。
入り口には、手書きの「イートインスペース」の文字。中に入ってみると……
むむ!まるで豪華寝台列車のラウンジを思わせる空間のさらに奥には……
桃「これは1963年(昭和38年)当時、難波駅に設置されていた本物の南海沿線の案内図なんです。ほら、ここに九度山駅もきちんと載ってます」
桃「奥にあるのは、最近まで高野線で使われていたCTC(列車集中制御装置)ですね!本物のCTC見ながら飲食できちゃうなんて鉄道ファンにはたまりません(笑)」
さながらプチ鉄道博物館の洗礼に興奮醒めやらぬ桃ちゃんのもとに、できたてのおむすびが到着。地元、和歌山産のお米を使ったおむすびは、店内のカマドで炊いた贅沢仕立て!ポリ製茶瓶のお茶も鉄道の旅には欠かせないアイテムだ。
雰囲気たっぷりのホームを眺めながらおむすびは美味しさ倍増。
そしてauの電波がバッチリ届いていることを確認。
大正建築の無人駅の駅舎はホテルだった?
次に下車したのは、「高野下(こうやした)」駅。
桃「駅名の由来は、大正時代に高野山へ向かう高野線の終着駅だったから。当時は高野山駅だったんですが、その後、路線が延伸され現在の高野下駅になったという歴史ある駅なんです」
駅舎下に道路が貫通しているという一風変わった佇まいもおもしろいが、この駅にはさらに一風変わったサービスがある。それは……
桃「高野下駅も無人駅ですが、実は駅舎がホテルになっているんです」
2019年に駅舎ホテルとしてオープンした「NIPPONIA HOTEL 高野山 参詣鉄道 Operated by KIRINJI」は、かつて乗務員が使用していた宿直室と待機所の2室を改装したもの。「天空」「高野」と名付けられた客室には、引退した南海鉄道の電車・7100系の座席や網棚、プレートなど、各種パーツが部屋中にあしらわれており、鉄道ファンにも人気なんだとか。
桃「大正時代の駅舎そのままの雰囲気のなかで、目の前には高野線の車両の走る姿が好きなだけ見られる。ずっと窓辺で佇んでいられますね。あーいつか泊まってみたい!」
桃ちゃんには申し訳ないが、今回の取材ではこちらでの宿泊は叶わず。高野山への道のりはまだまだはじまったばかりなのだ。
沿線の人気撮影スポット「丹生川(にゅうがわ)橋梁」
桃「次は、高野下駅から九度山駅方面に歩いたところにある、近代化産業遺産にも登録される丹生川橋梁に行きましょう」
南海高野線の九度山駅から高野山側の沿線駅には、たくさんの散策スポットが点在している。丹生川沿いは、そんな山麓の自然が楽しめるスポットだ。
桃「橋梁の赤色と山の緑が見事にマッチしてますね。近年、化粧直しをしているということでとてもきれいですね」
この絶景をauのXperiaでパシャリ。
桃「この先に少し気になる場所があるので行ってみましょう」
と、さらに九度山駅方面に進むと、そこに現れたのはレンガ作りの小さなトンネル。
桃「これは大師第16号橋梁といって、大正時代につくられたものが当時のまま残ってるんです。農作物の運搬に使われるトロッコの軌道がいいですね」
いにしえのレンガアーチをバックにauの電波の確認。ここでもauの電波はつながってました。
改札を降りたとたんに絶景が広がる「下古沢(しもこさわ)駅」
続いて降り立ったのが下古沢駅。
桃「ここまで来ると、路線が山側を登ってきているのがわかりますよね。あー空気がおいしい!」
駅舎からは集落を一望!南海高野線が停車するごとに秘境駅感はいよいよ増してくる。
山道に突然出現する大迫力の「トレッスル橋」を目指す
次に訪れたのは「上古沢」(かみこさわ)駅。
こちらの駅も山の斜面に寄り添うかたちで佇んでいる味わい深い木製駅舎だ。
桃「ここから歩いて20分ほど山道を歩くと路線屈指の絶景ポイントがあります。行ってみましょう」
鬱蒼と生い茂る木立を歩いていくと、そこには巨大建造物のシルエット!
近代の建造物なのに威風堂々たる佇まいはどこか神々しい中古沢橋梁の姿が。
桃「山道が薄暗くて少し心細かったですが、これを見て元気がでました。この中古沢橋梁は南海高野線が通る現役の橋で、トレッスル橋という全国でも数少ないかたちなんです。橋脚まで鉄骨で作られているのが特徴で、鉄道ファンには隠れた穴場スポットなんですよ」
たまらない様子でスマホのシャッターを押しまくる桃ちゃん。橋梁下には近年作られた展望デッキがあり、絶好のシャッターチャンスが狙えるよう通過時刻表が設置されている。
ひとしきりシャッターを切ったあと、橋梁から上古沢駅へ戻る途中で目に入ってきたのは、巨大カエルのレリーフ。
この巨大カエルに誘われるがままドライブインに入る桃ちゃん。するとここは土地の名物である柿を使った名物「柿の葉寿司」で評判の店だった。すかさずゲット。
もちろん、auの電波はここ上古沢駅でもばっちり。旅の途中経過もSNSできちんとご報告。
#timeandspace のロケで、南海高野線に取材中です\^^/
— 伊藤桃@JR全線完乗! (@itomomomo) September 15, 2020
下古沢駅ー!
実は初めてなのです。ちゃんとお仕事だからおしゃれしました。笑
まだまだがんばります♡ pic.twitter.com/UzXncNSZwu
山岳鉄道の駅らしい高台の秘境駅
南海高野線の旅は、一気に363mの標高にある「紀伊細川(きいほそかわ)駅」へ。
駅から麓の集落をまるでジオラマのように眺めることができる。
桃「この階段、見てください!」
集落へと続く階段道もご覧のとおり。
そんな険しい立地がよくわかるポイントが、駅のホーム端から見ることができる入谷トンネル。
桃「このトンネルを出た直後、電車をRのきつい急カーブと転轍機(てんてつき/路線を変える装置)が待ち受けるシーンを一度見てみたかったんです。南海高野線が山岳鉄道だという一面をわからせてくれる貴重な撮影ポイントです」
名シーンを生み出す紀伊細川駅でもauの電波はバッチリ届いていた。
民家も売店も自販機もない!沿線随一の秘境駅「紀伊神谷(きいかみや)駅」
さあ、いよいよラストスパート!次に降り立ったのは、沿線のなかでももっとも秘境風情がたっぷり味わえる「紀伊神谷(きいかみや)」駅。
駅に降り立ってみるとこんな感じ。
駅前通りは、自販機ひとつない山道だ。
桃「紀伊神谷駅は全国秘境駅ランキングで67位に入っています。古い駅舎ですが、手入れがいき届いていて廃墟に近い秘境駅が多いなかでとても美しい駅ですね」
電車を待つあいだ、駅舎内を見わたしていると寄せ書きノートを発見。
紀伊神谷駅の思い出をノートに書き込んだ桃ちゃん。
沿線随一の秘境駅でもご覧の通り、auの電波を確認。
高野山のお膝元、終点「極楽橋(ごくらくばし)駅」
いよいよ南海高野線の終着駅、「極楽橋(ごくらくばし)」駅に到着。高野山へは、構内にあるケーブルカー駅で行くことができる。
まずは構内を散策。ケーブルカーの駅に向かうコンコースから、駅名の由来にもなった極楽橋が見える。
桃「構内は最近リニューアルされたばかりでとてもきれい。高野山の玄関口の駅らしい装飾がとても素敵です」
ケーブルカーに乗って高野山に向かう前に、桃ちゃんから駅周辺を散策しようという提案が。
しばらく道を歩いていると、トンネルの上につながる道路を発見!
桃「車窓を眺めていたらちょうどここが見えて、あてずっぽうで歩いていたんですけど来ることができましたね!」
実は桃ちゃん、車中から良さげな撮影スポットを発見し、移動する前に立ち寄ってみたというのだ。さすがは全国の鉄道を巡った乗り鉄アイドルならではの勘のよさ!
桃「なにも調べないで駅を降りることもよくあります。お店も自販機もないような駅で、ひとりで1、2時間歩くのは苦じゃないんです。でも、こういう思いがけない光景に出合えると、秘境駅の旅がグッと面白くなるんです」
ガイドブックに載っていない感動に出合えるのも旅の醍醐味。やっぱり知らない土地であれば、なおさらスマホが使えれば頼もしいもの。桃ちゃんが発見したこのベストスポットでauの電波は届いている……?
ばっちり届いてました!
そして聖地、高野山へ
極楽橋駅からケーブルカーに乗り込み、向かうは旅の最終目的地、高野山。
桃ちゃんはある場所をゴールとして目指していたのだった。それは世界遺産、高野山の聖地中の聖域「奥の院」。
桃「まずは原木杉の迫力も、苔生した五輪塔もすごい迫力ですね。父が神社仏閣好きで、今回の話をしたらすごくうらやましがっていたんです。実際に訪れてみて、その気持ちがよくわかりました」
参道にならぶ20万基近い墓碑や供養塔に、今回の南海高野線の旅の無事を報告する桃ちゃん。
もちろん、奥の院でもきちんとauの電波は届いていました。 ※御廟橋以降の撮影は固く禁じられております。
今回の旅は終了。auの電波はバッチリ届いていた!?
こうして無事、なんば駅からはじまり、九度山駅から高野山までの計8駅のau電波調査を終了した桃ちゃん。南海高野線はいかがでしたか?
桃「橋本駅までは都市型の交通ながら、九度山駅以降は、車窓の景色も山岳鉄道のような感じを味わえるのがとても面白い路線でした。木造駅舎はどれもとても古い建造物なんですが、クラシックな感じが逆に気品を感じさせて、写真をたくさん撮ってしまいました。今度来るときは、ぜひ高野下駅の駅舎ホテルに泊まってみようと思います」
auの電波はいかがでしたか?
桃「今回調査した駅舎ではどこもフルアンテナでしたね。びっくりしたのが、駅から離れた山あいの道やハイキングコースのような登山道でもしっかりつながっていたのが印象的でした。ぜひ南海高野線にはauのスマホを持っていきたいですね」
というわけで、南海高野線は桃ちゃんお墨付きの「auおすすめ秘境駅コース」に認定!秋から冬にかけて、その神秘な度合いを深めていく南海高野線の秘境駅の旅。ぜひ、auのスマホ片手にお出かけしてみてはいかがですか?
文:TIME&SPACE編集部
撮影:稲田 平
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