2020/07/30
【au20周年】センターに問い合わせろ! 女子高生たちの『ケータイの思い出20年』
こんにちは! モンゴルナイフと申します。みなさんはご存知でしたか? 2020年7月でauは20周年なんです!
『ケータイの歴史を作ったのは女子高生だ』という言葉があるらしいので、今回は元女子高生&現役女子高生で集まって、20年分のケータイの思い出についておしゃべりしたいと思います。
▼登場人物
ひにししゃん「ひにしあい|WEBライター|20年前は女子高生
モンない「モンゴルナイフ|Webディレクター|15年前は女子高生
あしゅかん「菅 明日香|モデル・タレント|10年前は女子高生
なかがわしゃん「中川 千尋|アイドルグループ『アップアップガールズ(2)』のメンバー|現役の女子高生
みんな世代がバラバラなので「話が弾むんだろうか……?」と不安でしたが、歴代の携帯電話がズラッと並ぶ会議室に入った途端……
「このケータイCHANELのハンドクリームみたいでかわいい!!!!!!!」って話で盛り上がってエンジンがかかりました。
ちなみにこの棚には左から古い順にケータイ名機が並んでたんですが、「懐かしい」「これ使ってた」と食いつく位置が見事に世代別でした。
ではさっそくみんなに話を聞いてみましょう!
首からストラップが人気?
モンない「それではひにしさんからケータイの思い出を聞かせてください」
ひにししゃん「20年前といえば西暦2000年。プレイステーション2が登場したり、慎吾ママの『おっはー』が流行語になったあたりですね。当時の女子高生のケータイはこんな感じでした!」
ひにししゃん「ケータイのアンテナが光っていたり、ラインストーンでデコったり、首からストラップで下げるのが死ぬほど流行ってた」
あしゅかん「首からストラップって、施設のスタッフさんがよくやってるあれ???」
ひにししゃん「そうです。それが普通に流行ってました」
左は当時のひにしさんの友人、右はライブ会場で知り合ったhydeのコスプレの人(無関係)
モンない「ケータイをゴチャゴチャと飾り付けるのは、私の世代も覚えがありますね。ラインストーンとか、懐かしい」
なかがわしゃん「キラキラにデコったりするのは、古(いにしえ)の流行として聞いた覚えがあります。ギャルの方とかがやっていたやつですよね? アンテナというのは……?」
ひにししゃん「昔の携帯には、電波をよく捉えるためのアンテナがあったんです。着信があるとそのアンテナをピカピカ光らせてる人が結構いましたね。」
※携帯電話の改造は電波法に違反する可能性があるのでご注意ください
あしゅかん「???なんで光らせていたんでしょうか?」
ひにししゃん「当時はそれがおしゃれだったからです」
なかがわしゃん「えぇ~!? 確認しますが、ラインストーンもストラップもアンテナも、20年前は“おしゃれ”だったんですね?」
ひにししゃん「……そうです。何だこの恥ずかしさは」
一番右が高校生の頃のひにしさん。左の人は何を……?
ひにししゃん「これは友達が携帯のアンテナを伸ばして鼻に入れようとしているところです」
モンない「そんなところに電波はないのに……」
ひにししゃん「この頃の名残なんだけど、いまだに電波が良いとき『ここバリ3だよ』って言っちゃう」
※当時の携帯電話には電波接続状況を示す3本線のマークが表示されていて、3本立っていると「バリバリに接続できる」という意味でバリ3と言われた
モンない「わかる。電波が良いという意味をバリ3って単語で覚えちゃってるかも。よく考えたら麺の硬さみたいだ」
あしゅかん「私もわかります。でも今は電波を表すマークは5本立っているよね。ということは、バリ5って言うの……?」
なかがわしゃん「言わないです……というか、そもそも『電波が良い』のは当たり前なので気にしたことがないかもしれません。似た意味で言うとしたら『Wi-Fi通ってる』とかかな。WiFiがつながっていて、データ通信量がかからない状態のことは電波が良いって思います」
あしゅかん「電波が良いのが当たり前って羨ましい! じゃあ、部屋の中で一番電波がいいところを探したりしたことないんだ?」
なかがわしゃん「ないですね、どこでもつながるので」
ひにししゃん「私は動物園のクマみたいに、電波を求めてウロウロしてた」
モンない「じゃあセンター問い合わせって知らない!?」
あしゅかん「な、懐かしいセンター問い合わせ!」
なかがわしゃん「センターってどこ???」
ひにししゃん「電波が弱いところにいるとメールが届かなかったりするんだけど、そのメールはセンターって場所で止まってるんだよね! 電波が良くなってから、そこに問い合わせると、『そういえばメール来てましたよ』って感じでメールが届くのよ」
なかがわしゃん「電波が悪いと、こっちから問い合わせないと届かないってことですか? 不便!!!」
モンない「でもね、返事が返ってこない場合、メールを無視されているんじゃなくて、センターで止められてるだけ! 私が嫌われてるんじゃなくてセンターが悪い!ってことにできるよ!」
あしゅかん「悲しすぎるよ……」
着信メロディの文化
ひにししゃん「じゃあ続いての思い出を。昔の携帯はピピピ……みたいな着信音しかなかったんですが、私の世代あたりから音楽が流れる携帯が出て大流行したのね」
あしゅかん「着信メロディってやつですね」
ひにししゃん「そう。着信メロディは用意されているものを買うこともできたんだけど、自分で音階を打ち込んで自作する人が多くて。それ用の本が流行ってた」
なかがわしゃん「電話とかの着信があった時、音楽で知らせてくれるってことですよね? それを自分で打ち込んでたんですか?」
ひにししゃん「そうです。単音の頃でも驚愕だったんですが、すぐに三和音とかが出回り始めて。周りが音楽好きな友達ばかりだったからか、み~んなその本を買って自作してた」
あしゅかん「大変すぎ。知らなかった……」
モンない「今やれって言われたらダルすぎるけど、高校生だったら楽しめそう」
ひにししゃん「そう、実は楽しかったんですよね。まだ携帯電話が音楽プレイヤーとしての機能を持っていなかったから、好きな曲を自分の携帯から鳴らせるだけで幸せだった。新曲が出るたびに着信メロディ自作本も出続けたし、めっちゃ人気だったんだよね」
モンない「私の時代にはもう“着うた”でしたね。浜崎あゆみさんとか倖田來未さんとか流行ってました」
ひにししゃん「単音から三和音へ、さらに進化していくと楽譜もどんどん難しくなっていって、自分で打ち込むのはさすがに無理になった。トドメとして着うたが出て、一気に自作の文化は廃れたんです。一つの歴史が終わった感じがしました」
メールアドレスに込めた想い
モンない「15年前は西暦2005年。ドラえもんの声優が水田わさびさんに変わり、YouTubeが誕生した時代です。当時はコミュニケーションツールのメインはメールでしたよね」
あしゅかん「あったあった! 今はLINEとかメッセンジャーでやりとりしているけど、当時はメールだった」
モンない「というわけで私からのケータイの思い出はこちらです!」
モンない「マストじゃろうがい! 友達は『sukidayo-daichan@』みたいなのにしてた」
あしゅかん「わかる(笑)」
なかがわしゃん「ええ!? アドレスに彼氏の名前入れてたら、別れた時とかどうするの?」
モンない「それはすぐにアド変して一斉送信でみんなに連絡よ。ちょっとした知り合いくらいの子がアド変したとき、入っているイニシャルで誰と付き合っているか察したりしてた」
ひにししゃん「誰と誰が付き合ってるか、友達グループの中で筒抜けじゃん」
モンない「私は彼氏がいなかったから、好きな韓流スターの名前をアドレスに入れてましたけどね」
≠″ャ」レ文字言売めゑカゝナょ?
モンない「続いての思い出なんですが……まずは皆さん、これ読めますか?」
なかがわしゃん「全然読めない!……ひなろり???」
ひにししゃん「私も読めない。いわゆるギャル語ってやつ?」
モンない「そう、記号とか文字を駆使した言葉が流行ったんです! ちなみにこれ『ひさしぶり』って読むの」
なかがわしゃん「あぁ~、言われればそう読め……なくもない、ですね」
ひにししゃん「ポケベルの時代も『あ』なら11、『か』なら21、みたいな感じで入力するから、結果的に暗号になってた。女子高生は暗号が好きなのかも」
あしゅかん「ちなみに私の時代にもこんな言葉が流行りました」
あしゅかん「s2と書いて何と読むか、わかります?」
ひにししゃん「エヴァンゲリオンに登場する使徒の動力源、S2機関のこと?」
モンない「スト2(ストリートファイター2)??」
あしゅかん「全然違います。これ『s』と『2』でハートなの!」
ひにししゃん「あ~~~~そういうことか! 言われたらわかる」
なかがわしゃん「ギャル語はよく理解できなかったんですが、s2に関しては――」
なかがわしゃん「キュンですね~」
あしゅかん「今は暗号みたいなのはないのかな? ィとかゥが小文字だったりするのはいまだに使われているのでは?」
なかがわしゃん「あ! それは今でも使ってます。『ヵヮィィ』とか!」
モンない「ξぅナょωナニ″~!」
なかがわしゃん「???」
※ξぅナょωナニ″=そうなんだ
あしゅかん「2010年はAKB48の『ヘビーローテーション』が発売されたり、映画だと北野武監督の『アウトレイジ』が公開されたりしました。その頃のケータイの思い出といえば、これ!」
あしゅかん「最近だとLINEとかQRコードで読み込むと思うんだけど、昔は赤外線で連絡先を交換していたんです!」
モンない「うわ~懐かしい。あれは革命だった!」
ひにししゃん「アドレスでも画像でも、何でも赤外線で送れたんだよね。それまでは手で入力するのが当たり前だったから、『未来きた!』って思ったよ」
なかがわしゃん「今で言うとAirDropみたいなことですよね?」
ひにししゃん「それのスケールをぐっと小さくしたものです……というとなんかショボいみたいに聞こえますが、当時は赤外線を駆使できるかどうかが『今どき』かどうかの分かれ目だった」
モンない「赤外線通信のおかげで友達が増えましたよね。プリクラ機の前で他校の知らない子と『落書きがかわいい~』とか言って盛り上がってプリクラの画像とか連絡先を交換したりしたわ」
あしゅかん「機能自体が珍しくて使ってみたくて……知らない子とでも気軽に連絡先を交換できたのは、良かったな」
通知のライトの色、何色にしてた?
あしゅかん「ケータイといえば、やっぱり恋の話! ということで続いてはこんな話を」
あしゅかん「好きな人からのメール通知のライトはピンク、でしたよね~?」
ひにししゃん「そうそう、通知のライトの色が変えられたよね」
モンない「ピンクだった~~~! あまり光ったことはなかったけど」
あしゅかん「嫌いな人は変な色にして、好きな人はピンク。着信音とかも人によって変えてたよね」
なかがわしゃん「今は着信お知らせを人によって変えたりはしないけど、そういう風に好きな人はこの色!とか設定すると、特別感があって素敵ですね!」
あしゅかん「そうそう。メールが来たときに『わ~ピンクだ!』ってテンション上がるんだよねえ」
モンない「好きな人が青い服ばかり着ていたからライトを青にしてた」
ひにししゃん「ナウシカが恋人だったの?」
あしゅかん「ひょっとしたら好きな人から連絡が来るかも!? と思ってお風呂にも携帯持っていってました。シャンプーしてる時でも『あっ! ピンクに光ってる!』ってわかると嬉しかったな」
モンない「わ~か~るぅ~~~」
なかがわしゃん「キュンですねぇ~~」
ひにししゃん「修学旅行の夜みたいな会話で最高」
告白はDMでする
なかがわしゃん「では続いて西暦2020年、現役高校生の私から思い出を語らせてください。まずは、今の女子高生はこういう感じで活用してますというのを……」
なかがわしゃん「好きな人への告白はLINEのDMで行います。あ、私はアイドルなのであくまで周囲では、というお話ですよ」
あしゅかん「文字で告白? えー!!!」
モンない「告白なんていう大事なイベント……直接会って伝えるものじゃないんだ!?」
ひにししゃん「ちょっと待って! 知り合う、好きになる、告白する……最初に直接会うのはどこなの?」
なかがわしゃん「まず知り合うのはインスタグラムで、ですね。同じ学校の子を見つけてフォローして、フォローバックされてって感じで最初の会話が生まれます」
あしゅかん「こっちは向こうのことを知ってても、向こうはこっちのことを知らないのでは?」
なかがわしゃん「でも、インスタ見てたらその人の性格とか好みとか、交友関係までわかりますよ?」
モンない「そうか、むしろ情報がまとまってるのか。めっちゃ合理的じゃん」
ひにししゃん「そう考えると、昔の『あまり喋ったことがない先輩に直接 告白する』って手法は、ほぼ情報量ゼロでしたね」
なかがわしゃん「オンラインのマークが付いていたら今相手がインスタにいるとかわかるんですよ。その時にDMを送ったらすぐ返って来る」
ひにししゃん「合理的だな~」
なかがわしゃん「LINEだと要件がないと話せないけど、インスタだとその人がストーリーとかにあげてることについて話せるから会話がはずむっていう良さもありますね」
あしゅかん「『告白はLINEのDMで』ってことだけど、今のところインスタの話だけですよね? LINEはどこで出てくるの?」
なかがわしゃん「インスタ上で恋が始まるんですが、インスタって通話機能がないから、次はLINE交換しましょうって流れになります。LINEで通話するようになったら直接会って、遊び行って……という感じですね」
モンない「じゃあ今は、突然のKissから恋が始まったりしないの?」
なかがわしゃん「今の時代にはないですね」
ひにししゃん「いつの時代もないよ」
モンない「気になる点として、インスタに載せてる写真ってフィルターとかで顔が盛れてるじゃないですか? それも含めてお互いOKってこと?」
なかがわしゃん「もちろんOK! こっちも写真を盛ったりするので」
あしゅかん「直で会って、こんな人だったの……ってならない?」
なかがわしゃん「直接会う時には、恋の魔法っていうフィルターがかかっているから、もっと素敵にみえちゃう」
モンない「最高なんだが? 今の女子高生もやってみた~~~~~い」
授業もiPadや自分のスマホを使う
なかがわしゃん「最近は、授業もiPadや自分のスマホを使ったりするし、宿題とか先生からの連絡もスマホに来たりします」
あしゅかん「ひええ? 未来?」
ひにししゃん「自分がすごい古代人みたいに思えてきたよ」
なかがわしゃん「未来ということで言うと、黒板もタッチパネルの液晶だったりしますよ。学校から支給されたiPadに直接ノートを取って……」
あしゅかん「iPad支給されたすぎる」
モンない「まず学校にスマホを持って行っていいっていうのが驚きなんだけど!」
ひにししゃん「昔はケータイなんか学校に持っていったら、即没収されてたなぁ」
なかがわしゃん「ええっ! じゃあどうやって生活してたんですか!???」
モンない「どうにもできないよ。抜き打ちのカバンチェックとかで毎月没収されてた」
なかがわしゃん「今も、基本的に遊びで使うのはダメですよ。とはいえ、授業中に個人的なメッセージとか、面白コラ画像をAirDropで送って遊んじゃいますけど」
あしゅかん「昔で言う紙の手紙を回す文化が、形を変えて受け継がれてるんだね」
モンない「ツールは変われど、女子高生のやることはいつの時代も同じですなぁ」
LINE通話は繋ぎっぱなしで勉強
なかがわしゃん「学生の本分はお勉強!ということで、続いては勉強に関する思い出をお話させてください」
モンない「ええ!つなぎっぱなしってこと?」
なかがわしゃん「2~3時間くらいつなぎっぱなしですね。グループ通話しながら問題の解説をしてもらったり、画像を送ったり」
ひにししゃん「今ってLINE通話は無料だもんな~。昔は料金を気にして長電話できなかったし、そもそもグループでワイワイ話すなんて夢物語だった」
なかがわしゃん「繋ぎっぱなしといえば、寝落ち電話って知ってます?」
あしゅかん「なにそれ?!」
なかがわしゃん「夜に寝落ちするまでお喋りして、朝起きるまで通話を繋ぎっぱなしにするやつ!」
あしゅかん「良い~! 永遠に修学旅行の夜が繰り返せる!」
モンない「でもそれ高校生だからできるんだと思う。今は寝落ちするまで喋り続ける体力がない……」
なかがわしゃん「あと300人くらい人が入ってる学校のグループLINEとかありますね」
ひにししゃん「生徒のほとんどがグループに入ってる感じなのかな。『今日は休講です』みたいな連絡、すごく楽そう」
なかがわしゃん「学校LINEに入っていれば先輩ともつながれるし、クラスの気になる子とかもそのLINEから探せるという。そして、自分が好きな子の友達がLINEグループに入っていれば、それとなく本人と繋げてくれたり……」
ひにししゃん「うわー! めっちゃいい~~」
あしゅかん「疑似体験でいいから今の女子高生になってみたい!」
モンない「羨ましすぎる。」
なかがわしゃん「でも、もっと未来になったら『2020年、不便すぎ~!』って言われますよ、絶対」
あしゅかん「これ以上の未来ってあるの!? 想像もつかない」
ひにししゃん「未来のケータイ(スマホ)には、こういう機能があったらいいなっていうのは、ある」
モンない「欲しい機能、確かにある! いつか実装されるのかな。詳しい人に聞いてましょう!」
未来のスマホについて知りたいこと
というわけで、女子高生たち(もと含む)のケータイ20年を振り返ってみましたが、では、21年以降の―これからの携帯電話はどうなるのでしょうか?
KDDI総合研究所の新井田さんと共に、未来の携帯はどんな形状になるのか、こんな機能をつけてほしい!などを話してみました。
新井田 統
株式会社KDDI総合研究所 ユーザ・イノベーショングループ グループリーダー。工学・心理学のバックグランドに基づく顧客視点でのコミュニケーションサービスのインタラクション分析、および共創型のサービスデザインの研究に取り組む。
モンない「よろしくお願いします! 新井田さんはどういった研究をしてるんですか?」
新井田さま「私の部署は心理的な部分でどのようにお客さまのニーズに合わせて行けるか、というような研究をしていますね。みなさんが不満に思っていることを解決するのが仕事です。未来のケータイについて何か知りたいことや、要望はありますか?」
モンない「あります! 世界中の人と気軽におしゃべりするのが夢なんですけど、翻訳って今後どうなっていくんですか?」
新井田さま「その分野はこれからものすごい速度で、そしてものすごい精度でよくなっていくと思います。ただ自動翻訳機のような、海外旅行に持っていける翻訳の機械はすでにありますし、スマホの機能というか、アプリ的に進化していくんだろうなと」
あしゅかん「言葉の壁を感じずにコミュニケーションできたら、楽しい世界になりそう!」
ひにししゃん「すでに音声認識って数年前とは比較できないほどの速度で進化してますよね。翻訳も近いうちに完璧なものが出るかも!?」
新井田さま「使う人が増えて、データが集まれば集まるほど、AIが学習を重ねていって精度が高くなります。そのうち語学を勉強する必要はなくなるかもしれませんね」
なかがわしゃん「えっ! じゃあもう英語の授業は寝てていいですか!?」
新井田さま「あともうしばらくだけ、ちゃんと授業を受けてください……」
充電ってどうなるの?
なかがわしゃん「動画とか見ながら学校に行くと、すぐ充電がなくなっちゃうんです。充電器がなくても、無線でどこでも充電ができるようにできませんか?」
あしゅかん「それすごくいい、歩いてるだけで充電されてほしい」
ひにししゃん「腕時計とかは100年前から自動でゼンマイを巻く仕掛けがあるんだから、スマホでもできるのでは?」
新井田さま「はい、もうちょっとでできます」
モンない「できるんかい! 私達が想像したことはすでに研究されてる……」
新井田さま「無線充電の研究はかなり進んでいます。最大の問題は、有線と違って発生した電気を充電する効率が悪いってことですね。だから街中のどこでも無線充電できるようになるには、まだ時間がかかるかもしれません」
なかがわしゃん「じゃあ、特定の……例えば学校の教卓とかに電力を発生させる仕掛けがあって、教室に入りさえすれば無線で充電されるとか……」
新井田さま「そういうことなら可能だと思います。電車のイスとか、レストランのテーブルとか、特定の物から無線で充電できる、みたいなことなら、近い将来に実現するのではないでしょうか」
モンない「くぅ~早くそんな時代になってくれ~!」
相性がわかるスマホ
あしゅかん「私が未来のケータイに欲しい機能は……これです! 自分と相性の良い人がわかる機能!!」
新井田さま「それは……すでにマッチングアプリとかがあるのでは?」
モンない「マッチングアプリは限られた情報でしか判断できないじゃないですか。でも今やスマホには個人の情報がほぼすべて集約されてますよね。買い物の傾向とか、好きな俳優を検索した回数とか」
あしゅかん「そうそう! そういうデータをもとに『あなたにはこの人がピッタリの相性です』って教えてくれたらめっちゃめちゃ役立つと思うんですよ! 運命の赤い糸のようなものを、スマホ同士が繋げてくれたら最高でしょ!? ね!?」
ひにししゃん「必死すぎません?」
なかがわしゃん「クラスのまったく喋ったこともないような男子に『この人が運命の人です』って判定が出たら……次の日から急にドキドキして意識しちゃうかもですね」
新井田さま「恋愛の相手はさすがに複雑過ぎますが、その人がネット上で何をクリックしているのか? どんな経路でWebページを見ているのか、などを活かしてマッチする広告を表示する技術はすでに使われています。この研究が進めばもしかしたら恋愛に応用できる可能性も……」
あしゅかん「わーい!!! やったー!!!」
ひにししゃん「必死すぎません?」
モンない「ただ、それは怖くもありあすよね。自分の情報がガンガン収集されて好き勝手に利用されたらと思うと……」
新井田さま「そうですね。恋愛に関して言うと『ある人に好きだと思われたい』という時、その人のデータを収集して好みの髪型や趣味嗜好などを自分に反映させれば……好きにさせるようにコントロールできるかもしれない」
なかがわしゃん「やだ~なんか怖い~!」
ひにししゃん「そもそもAIに『この人を恋人にしなさい』『この服を買いなさい』『5分休憩しなさい』みたいな命令をされて、言われるがまま生きるとしたら……その場合の“自分”って何なんですかね」
モンない「そのAIこそが“自分”となり、今の自分はAIの意思を実行するためだけの道具に成り下がる……」
なかがわしゃん「やだ~なんか怖い~!」
あしゅかん「気軽に聞いただけなんですけど……なんかすいません」
新井田さま「未来のケータイはもっともっと便利になるのは確実です、でも、研究者も利用者も『そういう世界が来ていいのか?』という自問自答を続けなければいけませんね」
モンない「なるほど。ケータイによって、未来の世界がより良くなることを祈ってます。今日はありがとうございました」
ひにししゃん「まさか最後にこんなサイバーな話になるとは」
ケータイ座談会を振り返って
というわけで今回は現役女子高生や、20年前に女子高生だった人のケータイの思い出を聞いてみました。
スマホを使いこなしている今どきの女子高生、羨ましいですねえ。一方で、日進月歩で「カメラ」という機能がついたり、液晶が高精細になったり、音楽や映画を楽しめるようになったり……そういった変化に盛り上がって楽しめた昔の時代も、それはそれで良かったな~なんて思いました。
未来のケータイは今よりもっとすごくなると思うけど、友達と繋がっていたい! 恋したい! みたいなのってずっと変わらないんでしょうね!