2019/09/05

キッザニアに『南極研究所』 最新技術で実現する新しい職業体験

南極の仕事を体験し、地球環境の未来を学ぶ

2019年7月、こども向け職業体験施設「キッザニア東京」「キッザニア甲子園」に、KDDIおよび国立極地研究所の協力による期間限定パビリオン「南極研究所」がオープンした。
※イベント期間:「キッザニア東京」(東京都江東区)では2019年10月31日まで、「キッザニア甲子園」(兵庫県西宮市)では2020年1月31日まで

キッザニア甲子園の南極研究所

南極研究所では約30分間、生物学者の仕事を体験できる。この体験を通じてもらえるお給料は8キッゾ(キッゾ=キッザニア内のみで有効の独自通貨)。

キッザニア甲子園の南極研究所 入り口にはANTARCTIC RESEARCH CENTER(南極研究所)の看板
キッザニア甲子園の南極研究所 日本と南極・昭和基地の時差は-6時間。日本の午後2時は、南極では同日の午前8時だ

ここではこども達が、南極大陸の天文・気象・地質・生物学の観測を行う「南極地域観測隊」の一員になり、南極の自然環境について学習。南極での仕事を体験することで地球環境の未来について楽しみながら学ぶことができる。
※お仕事体験の対象年齢:3~15歳

キッザニア甲子園の南極研究所

まずは南極の地球上における位置や気候といった基本的な知識についてスタッフからレクチャーを受ける。

キッザニア甲子園の南極研究所

続いてペンギンについての説明。ペンギンには様々な種類がいるが、南極・昭和基地周辺に生息するのは中型の「アデリーペンギン」。顔は黒く、目のまわりとお腹は白い。

キッザニア甲子園の南極研究所
キッザニア甲子園の南極研究所

パビリオン内にはペンギンの写真やミニチュアも。自分とは関係のない遠い世界に感じてしまう南極だが、ペンギンというかわいらしい動物がいることは、こども達の興味の入り口としてわかりやすい。

この「南極研究所」において、KDDIはVR(Virtual Reality)をはじめとする先端技術を提供。「キッザニア甲子園」に設けられたドーム型スペースでは360°映像によるリアルな南極を体験できる。

キッザニア甲子園の南極研究所

左奥にあるのがドーム型スペース。右奥には南極観測隊が実際に現地で着用する極地対応のダウンジャケットが展示されている

キッザニア甲子園の南極研究所

ドーム型スペースの内部には南極の映像がプラネタリウムのように投影され、まるで実際に現地にいるかのように眼前に広がるリアルな映像に、こども達から感嘆の声が上がった。

また、こども達は南極観測隊員の一員として生物学者の仕事を体験。「キッザニア甲子園」では、タブレット端末を用いた360°VR映像で南極に生息するペンギンの個体数の観測を行う。

キッザニア甲子園の南極研究所
キッザニア東京の南極研究所
キッザニア甲子園の南極研究所のタブレット画面 タブレット端末では360°見渡しながらペンギンの数をカウントする

南極のリアルな映像やペンギンの生態にこども達は興味津々。ペンギンの個体数の観測はゲーム感覚で楽しめたようで、夢中になってタブレットと向き合っていた。

「キッザニア東京」では展示内容が若干異なり、南極のペンギン生息地を再現したジオラマを用いて個体数の観測を行う。

キッザニア東京の南極研究所
キッザニア東京の南極研究所

ジオラマは精密につくられており、こども達は楽しみながらペンギンの数をカウントしていた。

KDDIと南極の関係とは?

ところで、国立極地研究所に加えて、通信会社であるKDDIがなぜ、南極をテーマにしたパビリオンに協力するのか?

実は、KDDIと南極は密接な関係にある。KDDIは2005年から毎年1名の社員が、南極や北極に関して科学的観点から観測、実験、総合研究を行う国立極地研究所に出向し、南極地域観測隊の一員として現地に派遣。観測隊員は14か月の間、昭和基地内および日本とのあいだのネットワーク全般の保守運用に携わり、日本と南極間の通信を支えている

南極昭和基地のインテルサット用レドーム

こちらは南極・昭和基地の写真。写真左下にある球体状の施設は「レドーム」と呼ばれ、内部には14,000km離れた日本と通信を行うパラボラアンテナが収められている。キッザニア甲子園の「南極研究所」に設けられたドーム型スペースはこれを模したものだ。

南極昭和基地のインテルサット用レドーム内部のパラボラアンテナ

こちらは南極・昭和基地の「レドーム」の内部のパラボラアンテナ。上のほうに見える人はKDDI社員の齋藤勝。パラボラアンテナの保守作業を行っている。

南極昭和基地のインテルサット用レドーム内部のパラボラアンテナで作業する第59次南極地域観測隊の齋藤勝

こちらがその齋藤。第59次南極地域観測隊として南極に派遣され、現地で約14カ月間過ごし、2019年3月下旬に日本に戻ってきた。

昭和基地内で光ケーブルの敷設作業をする第59次南極地域観測隊の齋藤勝

昭和基地内で光ケーブルの敷設作業を行う齋藤。南極と日本のあいだの通信だけでなく、昭和基地内のネットワークの管理や新たな設備の設置も重要な任務だ。

南極について学ぶことの大切さ

南極昭和基地で放送機材を操作する第59次南極地域観測隊の齋藤勝

齋藤は南極において様々な任務を担当した。放送の仕事もそのひとつ。昭和基地から日本に向けた情報発信として、南極と日本の小中学校や科学館とのあいだで「南極教室」と呼ばれる、衛星を利用した生中継が一年を通して行われる。その際、現地で機材の操作を担当していたのが齋藤だ。

そんな齋藤は、キッザニアにオープンした「南極研究所」企画においても、意見交換や映像提供などのかたちで携わっている。この南極研究所での体験を通して、こども達にどのようなことを伝えたいと考えているのだろうか。

キッザニア甲子園の南極研究所 「キッザニア東京」の「南極研究所」にて

「南極について学ぶことは、地球の過去を知り、未来を予測すること。自分自身、南極地域観測隊の一員として実際に南極を訪れて、地球環境を守ることの大切さを再認識しました。次世代を担うこども達には、このパビリオンを通じて南極に興味を持ってもらい、これからの地球環境を支えていってもらいたいと思います。

また、南極というと、多くの人が“自分には一生縁のない場所”と思いがちです。しかし、実はその扉はいろんなところに開かれています。南極地域観測隊は、あらゆるプロの集合体。学者や研究者のほか、医師や料理人、建築や機械の専門家など、様々な分野のプロで構成されています。私自身も通信のプロです。もし、キッザニアの『南極研究所』を訪れたお子さんが、『自分もいつか南極に行きたい!』と思ったら、私はこうアドバイスしたいですね。どんな分野でもいいので、一芸に秀でて、その道を究めてください、と」

エデュケーションとエンターテインメントを融合した「エデュテイメント」を推進するキッザニアと、VRのほか5GやIoTといった先進技術を通じて新しい体験価値の提供を目指すKDDI、極地の観測や総合的研究を行う「国立極地研究所」の協力でオープンした「南極研究所」では、それぞれの持ち味がかけ合わさることで、これまでにない職業体験が可能となっている。南極について学ぶきっかけづくりとして、そして地球環境の大切さを考える第一歩として、ぜひお子さんと一緒に足を運んでみてはいかがだろうか。

なお「auスマートパスプレミアム」会員なら、1名あたり入場料1000円割引の期間限定特典があるので、ぜひチェックしてみよう。

文:榎本一生
撮影:稲田 平

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