2019/03/26
キャンプ場でスマホがつながる仕組みとは? auが使えるキャンプ場を紹介
家族や仲間とグループでキャンプを楽しむ、ソロキャンプで自分だけの時間を満喫する。
――春から秋のハイシーズンだけでなく、冬でも雨でも季節を問わず、最近は好きなスタイルでキャンプを楽しむ人が増えている。そんなキャンプに欠かせないのが、スマホやケータイだ。
天気や気温の確認をはじめ、写真をSNSに投稿したり、友だちと共有したり、いざというときに緊急連絡をとったり。「スマホやケータイがつながる」という当たり前のことが、キャンプでの快適さや楽しさ、安心感を生むためにひと役買っている。ひと昔前は「キャンプ場は圏外が多い」ということもあったが、携帯会社が電波対策を行ってきたことで、いまはスマホがつながるキャンプ場が増えている。
KDDIでもキャンプ場の電波対策を強化しており、「キャンプ場でauがつながらない」という声をいただくと、可能な限りでそのエリアの電波対策を行う。今回はキャンプ場でauのスマホがつながる仕組みや、キャンプ場の電波状況をチェックできる便利なWebサイトを紹介する。
基地局が近くにないと「圏外」になる
そもそも、スマホやケータイに電波を送っているのが「基地局(アンテナ)」だ。たとえば電話をかけるときは、スマホから発した電波は近くにある基地局に届き、光ケーブルから交換局を経由して、相手に近い基地局を介して電話がつながる。
山や森林の奥にあるキャンプ場でスマホが通じない場合は、その近くに基地局を設置することが電波対策となる。しかし、こういった場所に基地局を建てるためにはいくつかの条件がある。
樹木が電波を邪魔する?
自然に囲まれ、多彩な地形を有するキャンプ場で基地局を設置するために、さまざまな工夫を凝らす。都会の場合は遮蔽物の少ないビルの上に基地局を建てることが多い。キャンプ場は、高い建物が少なく、景観への配慮もあり、地面に近い高さに基地局を建てることが多い。問題はまわりの樹木だ。電波は光に似た性質を持っていて、遮蔽物にぶつかると、反射したり、曲がったりしながら進んでいく。基地局から発射された電波は波のように広がっていくが、樹木にぶつかると弱くなってしまうのだ。実際にあった例で説明しよう。
写真は、手前に基地局が、周囲に高い樹木がある。樹木よりも高い位置に基地局を設置できればいいのだが、ここは自然公園法で定められた特別地域になっており、法律によって高さ13mを超える工作物を建てることが難しいのだ。基地局よりもまわりの樹木のほうが高いため、適切な場所に設置しないと電波の通りが悪くなってしまう。
このケースでは、少しでも樹木の遮蔽が少ない場所を調べ、事前に希望の場所まで電波が飛ぶかを実験したうえで位置を検討し、適切な場所に基地局を設置。そうすることでキャンプ場まで電波を飛ばすことができた。このようにキャンプ場では樹木が電波を弱める要因になってしまう。ちなみに葉が生い茂る夏と、葉が枯れ落ちた冬では電波の飛び方が異なるという。
2つのアンテナを使い分ける
キャンプ場に電波を届けるためには、樹木などの遮蔽物がなるべく少ない場所に基地局を立てることが重要だ。とはいえ、近くに電気が通っていない、地面の強度が足りないような場所に基地局を建てることはできない。こういった条件を考慮しながら慎重に検討していくと、基地局を設置するのに適した場所は非常に限られてくる。
そこで用途に応じて2つのアンテナを使い分ける。アンテナには、電波の広がりが狭いセクターアンテナ(指向性アンテナ)と、電波が360度に広がるオムニアンテナ(無指向性アンテナ)がある。セクターアンテナは限られた方向に電波を送りたい場合に、オムニアンテナは障壁が少ない場所で全方向に電波を送る場合に使用する。セクターアンテナのほうが電波の広がりが絞られているぶん、強く、遠くまで電波を送ることができる。
キャンプ場の電波対策は、キャンプ場の形状や地形に合わせてアンテナを選択する。上記イメージのようなキャンプ場の場合は、人がいない森林を避けて、キャンプ場や駐車場などに向けて電波を飛ばせるように、セクターアンテナを使用するのが一般的だ。一方で、まわりに森林などの遮蔽物が少ないキャンプ場ではオムニアンテナを使用するケースもある。
景観を配慮して基地局を「茶色」に塗装
ほかにも、自然に囲まれたキャンプ場ならではの手法がある。通常、基地局の色はグレーだが、キャンプ場の場合は茶色に塗装し、写真のように樹木や土などまわりの景観になるべく溶け込むように配慮しているのだ。
全国キャンプ場のau電波状況がわかるWebサイト
もしも、これから行くキャンプ場でスマホがつながるかどうかを知りたい方は、auのWebサイトをチェック。こちらは、auの4G LTEを利用できる全国のキャンプ場を掲載している。キャンプに行く前にチェックしておけば、安心感がグッと増すはずだ。
いまではスマホやケータイがつながるのは当たり前の時代。その電波がどこからきているかなんて考えることは少ないかもしれない。だが、その裏にはお客様の声に耳を傾け、その場所の形状や地形に合わせた電波対策や景観への配慮といった地道な取り組みがある。
いざというときに電波がつながらなくて困ることがないように、また、通信によるコミュニケーションの楽しみが半減することがないよう、auは今後もキャンプ場の電波対策に取り組んでいくのだ。
文:TIME & SPACE編集部
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