2014/02/21

ウエアラブルデバイスで姿勢を直して積極的に

カリフォルニア州Palo Altoのスタートアップ、Lumo Body Tech社は、昨年、腰に巻くバンド型の姿勢モニター機器「LUMOback」を発売した(『ハイテク猫背矯正バンド』を参照)。スマートフォン用アプリと連動して、装着した人の姿勢をベルトの傾きなどから割り出して表示する。画面からのフィードバックだけでは仕事中に常にスマートフォンを見ていなければならないが、LUMObackは、姿勢が悪くなると、4秒後、11秒後に振動で知らせてくれる。価格は約150ドルだ。

発売後に集めたユーザーの声から同社が開発した新製品が「Lumo Lift」だ。小型軽量で、マグネットで上半身の衣類(シャツや上着など)に装着し、前屈みになっていることを検出すると振動で知らせてくれる。歩数や消費カロリーなどを計測するトラッカー(運動量計)としても機能し、計測結果をスマートフォンに表示できる。発売時期は今春で、予約注文価格は79ドルだ。

そもそも同社の最初の製品であるLUMObackは、腰痛や首の痛みを姿勢矯正で緩和するために開発された。創業者が腰痛持ちだったそうである。正しい姿勢を保ちたいというニーズはほかにもあって、いわゆるフィットネスの効果を高める上でも有効だし、メンタル面での効果もあるそうだ。背筋を伸ばし顔を上げると見栄えが良くなるので、商談や就職にも有利だし、ホルモン分泌にも影響して、自信が出てきて明るく積極的になれるのだそうだ。

同社製品はFDA(アメリカ食品医薬品局)の承認を得ることを狙っている。将来的に医療機器として腰痛治療に使ってもらいたいからだ。すでに同社は医療機関との提携に着手しているとのことである。

著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発にあたる。現在はビジネスアーキテクツ社にてモバイルヘルス分野の新事業立ち上げに従事。同志社大学ビジネススクール嘱託教員として「技術開発と事業化戦略」を担当している。