2015/07/07

四次元ポケット的電子看板は『デジタルサイネージ』

ひと言で言えば「電子看板」、それがデジタルサイネージ。実はすでに、私たちの身の回りにはこのデジタルサイネージが溢れている。例えば、東京渋谷のハチ公前交差点の巨大な街頭ビジョンもデジタルサイネージの一種だし、自動販売機の広告も兼ねたディスプレイもデジタルサイネージ。山手線の電車の乗降口上のディスプレイもデジタルサイネージである。つまり、紙のポスターではなく、ディスプレイや映像プロジェクターに静止画や動画などのデジタルデータを表示させる広告手段が、デジタルサイネージというわけだ。

もちろん、ただの表示にとどまるだけでなく、デジタルであるがゆえのさまざまなメリットや可能性が多く存在する。

ディスプレイの設置地点や時間に応じて、臨機応変に表示内容を変えられるのはもちろんだが、このコントロールがインターネット経由の遠隔操作で行うことができ、自動化・一元化も可能なのはデジタルならではである。

また、カメラをディスプレイ脇に設置し、撮影された画像から、見ている人物の性別や年齢を顔認識テクノロジーによって判別、その人にマッチした広告を瞬時に選択して表示するシステムもあり、近づいた利用者におすすめのドリンクを表示してくれるなど、すでに清涼飲料の自動販売機などで活躍中だ。

また、タッチパネルにすれば、インタラクティブ(対話式)な広告も可能だし、検索・案内といったツールとしても使ってもらえる。現在、人感センサーなどの各種センサーと連動させたもの、視聴角度によって見えるコンテンツが変わるディスプレイを用いたもの、3D表示のものなど、最新のデジタルサイネージが次から次へと登場している。用途も広告に限らず、博物館や美術館の情報ツール、ホテルのコンシエルジェ役、交通案内システムなど、さまざまに広がっているのだ。

文:太田 穣