2016/01/12

スマホの充電は街角で シティチャージで充電難民はいなくなる?

忙しい仕事の合間に、ふと立ち寄った街角で携帯電話を充電する。休日に訪れた旅先で、休憩がてらにスマートフォンをチャージする。そんなシーンを日常的な光景にしてくれそうな新サービスが、ソーラーパネルで発電した電気を使ってスマートフォンなどを充電できる、ソーラー充電スタンド「シティチャージ」だ。

ソーラー充電スタンド「シティチャージ」は、各種携帯電話やスマートフォンに対応する充電用端子を備えた、誰もが無料で利用できる設備。東京都や(公財)東京都環境公社が推進するプロジェクトで、現時点では、東京タワー付近と虎ノ門ヒルズ、としまえんの3ケ所に設置されている。

「公募事業として設置事業者の募集があり、応募しました。50年以上にわたり太陽電池に取り組んできた当社の技術やノウハウを生かせる事業だと考えました。実際に当社では、太陽電池はもちろん、ソーラー充電スタンドの開発に必要な蓄電池やLED、スマートフォンなども手掛けています。将来的には、『シティチャージ』を通して、太陽光発電の啓発のみならず、地球にやさしい"スマートシティ"の実現に貢献していきたいですね」

そう語るのは、「シティチャージ」の開発を手掛けたシャープ株式会社広報部の田中絵麻氏だ。太陽電池の利用と聞くと不安になるのが天候や時間帯だが、「シティチャージ」には蓄電池が搭載されているので、蓄電池に充電されてさえいれば、雨天時や夜間でも問題なく利用可能。LED照明の使用や、風速60mにも耐え得る安全性の高い設計も、"スマートシティ"の実現に向けた大きなポイントだ。

「シティチャージ」1台でスマートフォン3台まで同時に充電が可能。供給されるのは、太陽光パネルで発電されたエコな電力。蓄充電池を内蔵しているので、夜間や晴れの日以外でも使用できる

それ以外にも、細長いソーラーパネルや、「シティチャージ』のシンボルとなるようなピクトグラムをつけるなど、未来的でスタイリッシュなデザインを追求している。

「ビジネスパーソンはもちろん、国内外からの旅行者の方々にもどんどん利用していただきたいと考えています」

単にスマートフォンなどを充電するだけでなく、非常用電源としての側面も併せ持つ「シティチャージ」。2020年に予定されている東京オリンピックに向け、安全で地球にやさしい東京、そして日本を国内外に印象づける、新しい"おもてなし"になりそうだ。

文:大久保和則