2014/03/13

au2014春モデル特集『Xperia(tm) Z Ultra SOL24』 大画面の使いやすさをパスポートサイズに凝縮

スマートフォンとタブレットの間に位置する大きさと使い勝手を持つ「ファブレット」。日本にもこのジャンルの製品が登場しはじめた。その中でも一段と大きな画面を備えているのが「Xperia™ Z Ultra」だ。6.4インチの大画面をXperia™の洗練された薄型ボディーに収めた姿は、スマートフォンとは一線を画する迫力がある。Xperia™ Z Ultraのコンセプトから、想定する利用シーンまでを、ソニーモバイルコミュニケーションズで商品企画を担当する市野利幸氏と、KDDI 商品統括本部の林清鎮に解き明かしてもらった。

片手で持ててポケットに入る最大サイズをとことん追求

Xperia™ Z Ultra SOL24

――ファブレットとしては最大級の画面を持つXperia™ Z Ultraの狙いは、どこにあるのでしょうか。

林:まず、Xperia™ Z Ultraは、auスマートフォンとして他社にない「オンリーワン」を目指した製品だということをお伝えしたいと思います。通話もできる大画面のスマートフォン、いわゆる「ファブレット」の中でも6.4インチという画面は群を抜いた大きさです。

市野氏:企画段階では、大画面スマートフォンのさらに1つ上の物を作ろうという方向性がありました。スマートフォンは当初は4インチ程度の画面が主流でしたが、今では5インチ前後が主流です。それに伴い、使い方も変わってきたと思います。通話やメールから、SNSやビデオ、Webコンテンツといった画面を使う側面が重視されてきています。持ち運ぶことを最優先にするならば、端末は小さいほうがいいはずです。しかし、情報を活用したりエンターテインメントのコンテンツを楽しんだりするようなITリテラシーが高い人には、大きな画面を見たいという要求もあるはずです。Xperia™ Z Ultraは、持ち運びよりも大画面のメリットを得る側にバランスを振った製品というわけです。

――6.4インチという画面、ボディーのサイズはどうやって決めたのですか?

商品企画を担当した、ソニーモバイルコミュニケーションズの市野利幸氏

5インチディスプレイを搭載したスマートフォン「Xperia™ Z1 SOL23」と並べると、画面の大きさが際立つ

開発担当者のKDDI林 清鎮

市野氏:新しいサイズ感のものを作るのは悩ましいものです。サイズを決める際には、5インチから7インチまでのモックアップを作り、どのサイズがいいかを検討しました。映像や写真はもちろん、電子書籍も本のように見やすいサイズというと7インチに近くなり、持ち歩きに便利でポケットに入るサイズとなると小さめになります。そこで重視したのは「幅」でした。スーツのポケットにも入り、片手で持てる幅、それがパスポートのサイズでした。パスポートの幅は多くの国で90mmです。この90mmを意識しながら、手にフィットする丸みを付けると92mmという幅になり、この幅に入る最大のディスプレイが6.4インチだったんです。

林:片手で持てる最大サイズを狙った結果が、6.4インチでした。Xperia™ Z Ultraのために新しく6.4インチの液晶を作ってもらったのです。初めて見たときは「デカイねー」と思いました。でも、使っているうちに、当たり前のサイズに思えてきました。ブラウジングなどで画面が見やすく、5インチのスマートフォンを持つと小さく見えるようになるほどです。長財布のように持ち歩いてもらえたら、と思っています。

市野氏:画面は5インチのスマートフォンに比べて面積が6割以上大きく、初期の3インチ台のスマートフォンの画面なら3つ並べたのと同じほどあります。大きな画面を採用していますが、どこから見てもバランスが取れている「オムニバランスデザイン」を採用し、片手で縦に持っても、映像を見るために両手で横に構えても違和感ないボディーを作りました。

林:スマートフォンは横並びの製品が増えてきました。その中での差異化をどう図るか。スマートフォンは大画面化が進んでいるといっても、現在の5インチ中心から次のシーズンで5.2インチ中心になる程度でしょう。6インチを超える製品は、これから開拓する市場だと考えています。でも、一度使うと、本当にもう小さい画面には戻れない感覚なんですよ。

――大型ですが、薄さも際立っています。

市野氏:薄さにもこだわりました。6.5mmという薄さは、フルHDのディスプレイを採用したスマートフォンとしては世界最薄です。薄くできれば、その分だけ軽くできます。モノとしては大きいのですが、薄くすると軽快感が生まれます。何よりも、カバンやポケットへの出し入れがスムーズにできて、使いやすいのです。

林:約214gという重さをどうやって伝えたら分かりやすいか考えたのですが、やっと見つけたのが缶コーヒー1本分の重さでした。手にしてみればわかるとおり、片手で持ってもそんなに重くないですよね。

市野氏:薄くするために、新しい実装技術も取り入れています。通常のスマートフォンの基盤は両面実装が多いのですが、Xperia™ Z Ultraでは片面実装にして薄さを稼ぎました。基盤とケーブルをつなぐコネクターもなくして、貼り付ける方式にして厚さをなくしています。バッテリーも3000mAhの大容量タイプですが、専用品を作って薄さを実現しました。世界最薄を実現するために、各チームが一丸となって開発に取り組んだ成果です。

1台でスマートフォンとタブレットの用途を兼ね備える

――大きさに目が行きがちですが、その他に力を入れた点を教えて下さい。

林:ディスプレイは、大型であるだけでなく、高い色再現性を実現した「トリルミナスディスプレイ® for mobile」を採用しています。

市野氏:赤や緑はディスプレイでは再現が難しい色ですが、トリルミナスディスプレイは赤も緑も広い色域の色を表現できます。また、ソニーと言えば、映像とともに音に魅力を感じる方も多いと思います。音楽再生用のWALKMAN®アプリは、音楽再生時には別の機能を起動しないように最適化を突き詰め、100時間もの長時間再生を可能にしました。

林:WALKMANアプリから、auのLISMOなどのサービスを直接利用できるような作り込みもしています。

市野氏:さらに、ブラウザやタイマー、電卓などのアプリを小さなウインドウで起動できる「スモールアプリ」が大画面だと便利に使えます。画面が広いので、今使っているアプリの上に小さくブラウザなどを開いてもジャマになりません。スマートフォンでは難しかった、アプリを複数同時に開くという新しい使い勝手が得られます。一方で、文字入力などは画面が大きすぎると使いにくくなるケースも考えられますので、文字入力の「POBoxTouch」は、表示サイズを自由に変えられるだけでなく、ワンタッチで自分が設定したサイズに切り替えられるようにしました。大きくても使い勝手を損ねないための工夫です。

バッテリー内蔵カバー
「Power Cover For Xperia™ Z Ultra」

通話用ハンドセット
「Smart Bluetooth Handset SBH52」

――オプションによる利用方法の広がりも楽しそうですね。

林:専用オプションには、例えば、バッテリー内蔵カバー「Power Cover For Xperia™ Z Ultra」があります。カバーにも、本体と同じ3000mAhのバッテリーが入っており、本体だけの時の2倍近いバッテリーの持ちを実現します。パソコンなどを持ち運ぶことを考えれば、ずっと軽い情報端末ともいえます。

市野氏:大型のボディーですが、スマートフォンなので音声通話機能も備えています。ただ、このサイズだと顔に当てて通話をするには抵抗がある人もいると思います。そのためBluetoothで接続する通話用のハンドセット「Smart Bluetooth Handset SBH52」を用意しました。SBH52はイヤホンを付けて会話することもできるのですが、本体にもスピーカーとマイクを内蔵しているため、ハンドセットを携帯電話機のように耳元に当ててXperia™ Z Ultra経由で通話もできます。これなら抵抗なく通話ができます。もちろん、イヤホンをつないで音楽を聴いているときに電話がかかってきたら、そのまま通話することもできますし、単体でFMラジオとしても使えます。BluetoothのペアリングもNFCを使ってタッチするだけでOKです。

――どんな人にお勧めしますか?

市野氏:これまで、タブレットとスマートフォンは用途によって使い分けをしなければなりませんでした。ところが、Xperia™ Z Ultraは、大画面のユーザー体験とスマートフォンとしての機能を併せ持っています。タブレットとスマートフォンを2台持っているような情報感度が高い人やエンターテインメントを重視する人にはこうした端末の姿は受け入れられると思います。一方で、画面が大きいため文字が見やすくタッチしやすいことから、年配の方の利用も想定しています。ボディーカラーもXperia™シリーズのプレミアムモデルの定番となった、ホワイトとブラック、パープルの3色を用意しています。ボディーのサイズが大きいのでキラキラ光るような塗装処理はせず、ストレートな色合いの3色で、過度に主張せず、どんなライフスタイルにもフィットするナチュラルさを演出しました。

林: auにしかないモデルなので、新規やMNPのお客さまが多い印象です。「auならでは」のXperia™ Z Ultraが、ファブレット市場の火付け役になってくれるといいですね。

文:岩元直久  撮影:高橋正典

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