最新のICT用語をシンプルに解説

2014/04/08

高音質通話機能『VoLTE』とは? 相手の声がクリアに聞こえる秘密は4G LTEにあった

  • 35
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

VoLTEと書いて「ボルテ」と読む。おそらく、スマホのパンフなどで見かけたことがあるかもしれない。

なんのことかというと、スマホで電話をしているときの声がクリアで高音質になり、しかも通話しながら同時にメッセージが送れたりWEBで検索できたり、相手と画面を共有したりができるようになるという優れた機能がVoLTEなのだ。

ただし、この高機能をエンジョイするには、あなたのスマホがVoLTEに対応している必要があるし、VoLTEを使用する契約もいる。また相手のスマホも同じキャリアでかつVoLTEに対応していなければならない(高音質通話以外の機能は相手が対応していなくても大丈夫だ)。

4Gでも音声通話は3Gだった

VoLTEとは「Voice over LTE」の略で、LTEを使った音声会話という意味だ。LTEとは、携帯電話のための最新の通信システムのこと。4G LTEとも言われ、3Gよりも通信スピードが高速だ。スマホでサクサクWEBや動画が見られたりゲームができるのは、このLTEを用いた高速通信回線のおかげなのだ。

だが、これまでこのLTEの恩恵を受けることができたのは、パケット通信のみ。つまり、メールやWEBなどのデータのやり取りに限られていて、電話という音声のやり取りは3Gシステムに依存していたのだ。なぜか。

電話という通信方法では、自分と通話相手とを1本の回線でつなぐ必要があったからだ。糸電話を想像してもらってもさしつかえない。3Gは、通話中の二人をいわば電子の糸で結びつけたままにする。つまり、1通話1回線という仕組みだ。

だが、4G LTEはそもそもパケット通信向けにつくられているから、1通話1回線のように通話者に回線を独占させるということができない。そこで現状では、音声通話のときだけ、自動的に3Gシステムに切り替えているのだ。それでは面倒だ、回線がもったいない、というわけで開発されたのが、このVoLTEというわけだ。

あたかもバスレーンを走るバスのごとく

VoLTEの仕組みは、LINEの無料通話やiPhoneのFaceTime、Skypeといった、いわゆるインターネット電話とほぼ同じだ。つまり、音声をデジタル化して圧縮し、パケット通信で相手に届けている。でも、インターネット電話は回線の混み具合によっては、音声が遅れて届いたり、途切れ途切れになるなど、欠点も多い。ということは、VoLTEも同じなのか?

そうはならない。なぜなら、携帯電話ネットワークの中では、VoLTEの通信が優先されるように特別扱いされるからだ。ふつうのインターネット電話では、その音声を運ぶパケット通信は、WEBやメールや動画などほかのデータとまったく同じ扱いだ。一般のインターネット網を通らなくてはいけないし、そこで渋滞が起きれば、スピードが遅くなる。

ところが、VoLTEのデータは携帯電話ネットワークの中だけを通り、しかも優先度が高く設定されているので、あたかもバスレーンを走るバスのごとく、スイスイとパケットが送られていくのだ。つまり、遅れも途切れ途切れもほとんど発生しないというわけだ。

VoLTEが当たり前の時代がやって来る

音声通話では4Gから3Gへといちいち回線を切り替えていると説明したが、そのために実は発着信に若干のタイムラグが生じる。だが、VoLTEでは切り替えなし、4GのままでOKなので、相手へのコールも素早く届くし、相手からの着信も素早い。これもVoLTEのメリットだ。

最後に、なぜVoLTEの音質がよいのかだ。これは、音声データを圧縮したり、それを復元したりする装置が、3Gで使われているものより高機能だからだ。つまり、届けられる情報量がぜんぜん違うのだ。

この高音質のVoLTEで通話すると、まるで相手が目の前にいるように聞こえる。そうなると、コミュニケーションの質も変わってくるだろう。4G LTEが日本中をカバーしている今、音声通話はVoLTEというのが当たり前となる時代がやって来るのかもしれない。

文:太田 穣

CLOSE

さん