2014/06/11

災害時に頼れる無線LANアクセスポイント『00000JAPAN』 緊急時には通信会社各社がWi-Fiスポットを開放

読み方は「ファイブ・ゼロ・ジャパン」。5月27日、無線LANビジネス推進連絡会(以下連絡会)が発表した災害用統一SSID(無線LANアクセスポイント名)「00000JAPAN」は、普段は通信事業者が自社ユーザー向けに提供している無線LANアクセスポイントを、大規模災害発生時には「誰でも使える」ように無料開放する取り組みだ。

災害用統一IDは、連絡会が策定した「大規模災害発生時における公衆無線LANの無料開放に関するガイドライン」の中で定められたもの。このガイドラインでは、公衆無線LANを提供する通信事業者などが検討しておくべき対応や留意事項についてまとめられている。

無料開放は大規模災害発生から72時間以内に、「携帯インフラが広範囲に被害を受け、携帯電話やスマートフォンが利用できない状態が長時間継続する恐れがある場合」にあたるかどうかを通信事業者が判断して行うとしている。「72時間」という時間は、人命救助及び被災者の救護活動を行う災害の初動対応の目安。人命優先で可能な限り迅速に行う必要がある初動対応に、通信事業者もできる限りの対応をする。

無料開放を行う際には、通信事業者各社は該当地域の無線LANアクセスポイントに「00000JAPAN」を設定する操作をリモートで行う。A社が提供するWi-Fiアクセスポイントが不通になっていても、B社が提供するアクセスポイントが稼働していれば、A社ユーザーもB社のアクセスポイントを利用して無線LANを利用できるようになる。

もう一つの重要な役割が、海外からの救援隊やボランティアのためのモバイル通信回線の確保だ。東日本大震災時には海外から多くの救援隊や医療関係者、ボランティアなどが来日したが、彼らが困ったのが「日本には手軽に接続できる公衆無線LAN環境が整備されていない」ことだったという。「00000JAPAN」はそうした通信ニーズにも対応する。

災害用全国統一SSIDの取り組みは、世界初。ちなみに「00000JAPAN」になった理由は、スマートフォンの「無線LAN設定」で一覧表示される無線LANアクセスポイントのリストで一番上に来るように「0を5つ」並べ、その後ろに日本全国で統一であることが分かりやすいよう「JAPAN」を続けたとのことだ。連絡会では、2015年3月に仙台で開催される「国連防災世界会議」で、災害用統一SSIDによる無料開放実施を予定しており、各通信事業者が準備を進めている。

2014年3月末時点で、主要通信事業者(NTT東西、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル)のWi-Fiスポットは全国で90万カ所。直近3年で約70倍に急増した。普段はサービスで競争している通信事業者も、非常時にはできる限り多くの利用者に通信手段を提供するために協力する。あまりこのSSIDを使う日が来てほしくはないが、万一のための備えとして、記憶しておきたい。

著者:水島みなと

IT系コンサルティングファームを退職後、フリーのITコンサルタントとして独立。エンタープライズICT分野を中心に執筆も行う。趣味は散歩、特に建物めぐり。最近猫を飼い始めて、ペット関連サービスの情報を収集中。

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