2014/02/18

GPSに頼らず利用者が協力して位置検知する愛犬追跡

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ペットの首輪などに通信機能のあるGPSデバイスをつけておけば、迷子になっても居場所がすぐに分かる。そうした製品はすでに多数、世に問われている。難点は、GPSと携帯電話網を利用した通信機能を利用すると、デバイスのコストは高くなるし、通信料金も毎月かかってしまうし、頻繁に充電もしなければならないことだ。

台湾のBeLuvv社が作っている「Puppy」(英語で子犬という意味)という名のトラッカー(追跡装置)は、犬の首輪に取り付ける点は従来からある製品と同じだが、携帯電話網とはつながらないし、GPSチップも持っていない。その分、価格を抑えていて、予約注文段階では29.95米ドル。通信にはBluetoothを使い、連動するスマートフォンから犬が離れると、飼い主に警告が発せられる。どのくらい離れたら警告が出るかは飼い主が設定できる(もちろん、Bluetoothの通信可能範囲の中で)。

ただし、GPSがないから居場所までは分からず、離れてしまったことだけが分かるだけだ。雌犬のマリリンに逢いたくて沖縄の阿嘉島から海を泳いで対岸の座間味島に渡った雄犬のシロのように遠くへ行ってしまったら居場所は分からない(余談だが、1988年に公開された映画「マリリンに逢いたい」は、実話を基に制作された)。

そこで、あらかじめ、家族やご近所の友人に協力を依頼しておき、iOSデバイスにアプリをインストールしておいてもらう。そして彼らのBluetooth通信範囲に愛犬が入ったら、その位置が通知される仕掛けだ。ちょっとしたクラウドソーシングといえなくもない。

「be loved」から名づけたというBeLuvv社は、「Guardian」という、子どもが迷子にならないようにする製品を昨年10月から販売している。仕組みは「puppy」とよく似ており、子どもが近くから離れるとスマートフォンに知らせてくれたり、仕事等で子どもと離れている際には、家族の誰がそばにいてくれるかが分かる。もし子どもが通信範囲外に離れてしまうと、迷子になっているかもしれないので緊急アラートが発信される。すると「Guardian」のアプリを利用しているすべての人々のスマートフォンに通知が出されて、誰かのそばに迷子になった子どもがいれば、居場所を特定して通知してくれる。こちらも、利用者同士が知らない間に協力し合うことで成立する、新しいかたちの見守りシステムといえる。価格は29.95ドルで、3万セットほど売れているようだ。

著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発にあたる。現在はビジネスアーキテクツ社にてモバイルヘルス分野の新事業立ち上げに従事。同志社大学ビジネススクール嘱託教員として「技術開発と事業化戦略」を担当している。

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