2020/01/24

『ながら運転』厳罰化! 改正後の内容や、違反の線引きは? 気になる疑問を解説

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ながら運転

2019年12月1日、道路交通法が改正された。ご存じの人も多いだろうが、自動車やバイクを運転中にスマホを使用する「ながら運転」に関する罰則が強化されたのだ。

具体的になにが変わったのか。厳罰化されたことは知っていても、「運転中はスマホを持つだけで罰金?」「信号待ちでもスマホは見ちゃダメ?」「カーナビを見てもダメ?」など、今回の法改正の具体的な内容について正確に理解していない人もいるだろう。

そこで改正された道路交通法の内容や、「ながら運転」にまつわる注意するべきポイントについて、警察庁などに問い合わせた内容を踏まえ解説していきたい。

ながら運転厳罰化 改正前後でなにが違う?

まずは、今回の道路交通法の改正について整理してみた。

ながら運転厳罰化の改正前と改正後の内容 携帯電話使用等の違反点数・罰則・違反金の一覧
(「罰則等の強化」(警察庁)をもとに編集部作成 )

今回の改正により、反則点数は「3倍」となり、罰金や反則金の額も引き上げられている。また「携帯電話使用等の保持」(携帯電話を手に取って通話やディスプレイを注視する行為)の罰則については、改正前は罰金だけだったが、刑事罰の適用も追加。携帯電話の使用により事故を起こすなど交通の危険を生じさせた場合にいたっては、即刻免許停止処分の対象となる。

道路交通法が禁止している行為

今回の改正は、「ながら運転」に関する罰則の厳罰化がメインだが、道路交通法では「ながら運転」をどう定めているのだろうか?

内容を正しく理解するためにも、「ながら運転」を規制する第71条5号の5の条文を今一度見てみよう。

道路交通法
第71条(運転者の遵守事項)
車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。

五の五 自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百十八条第一項第三号の二において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。同号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第十六号若しくは第十七号又は第四十四条第十一号に規定する装置であるものを除く。第百十八条第一項第三号の二において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。(2020年1月24日現在)

条文には「保持」、「注視」、「当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置」……とある。警察庁のホームページにある留意事項を併せて読むと、

① 停止中を除き、自動車などを運転中に、手に保持しないと送信や受信など操作ができないスマホやケータイを通話のために使用すること。
② 停止中を除き、自動車等に取り付けられたカーナビやタブレットなどに表示された画像を注視すること。

という、大きく2つの行為を禁止している。

つまり、病人の搬送など緊急時、赤信号などで自動車が停止しているとき以外、運転中の通話やカーナビを含む画面や画像の注視は取り締まりの対象になるのだ。

よそ見運転の危険。2秒でクルマは何メートル進む?

メールや着信の確認がどれほどの危険があるのか?

「やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用」という警察庁のウェブサイトに以下のようなデータが紹介されている。

ながら運転で自動車が2秒間に進む距離のグラフ ながら運転で自動車が2秒間に進む距離のグラフ(出典:警察庁ウェブサイト

上記のグラフは、ある速度で走った自動車が2秒間に進む距離をグラフ化したもの。たとえば、時速60kmで走行していた場合、スマホやカーナビを2秒見ているあいだに約33.3m「前方不注意」で走行することとなる。「着信相手を確認」しただけの行動も、前方を走っていた自動車が急ブレーキをかけたタイミングと重なれば追突事故を起こす可能性がある。

次のグラフは、スマホやケータイ、カーナビを注視中の事故の増加を表したもので、2018年(平成30年)の「携帯電話使用等に係る交通事故件数」は、過去5年間で約1.4倍に増加している。なかでも、「カーナビなどの注視」による事故が増加傾向だ。このことからも、スマホに限らず運転中によそ見をすることがいかに危険かということがわかる。

携帯電話使用等にかかわる使用状況別交通事故件数の推移 携帯電話使用等にかかわる使用状況別交通事故件数の推移(出典:警察庁ウェブサイト

さらに、携帯電話使用に限ってみると、使用なしと比較して使用中の死亡事故率(※1)は、約2.1倍に増加している。
※1 「死亡事故率」は死傷事故に占める死亡事故の割合

平成30年度の死亡交通事故率比較 平成30年度の死亡交通事故率比較(出典:警察庁ウェブサイト

今回のような厳罰化のニュースは、その罰則の内容ばかりについ目を向けてしまいがちになるが、上記のデータからも、いちばん重要なことは「ながら運転は危険な行為」である認識を強く持つことだ。

スマホを保持する必要のないハンズフリーでの通話や、音声入力でのカーナビの操作については今のところ道路交通法には触れられていないが、なるべく長電話をしないようにするなど、各々で十分に注意する必要がある。

運転中のスマホは触らず「ドライブモード」に!

それでは、運転時のスマホの取り扱いはどうすればいいのか?

① 運転中、どうしてもスマホやケータイを使わなければいけないときは、安全な場所に停車してから使用する。
② 運転をするときは、スマホやケータイの電源を切る。または「ドライブモード/サイレントモード」に設定する。

「ドライブモード/サイレントモード」は、運転中に通話を控えたいときに設定する機能だ。iPhoneではドライブモードを設定すると、着信があっても着信音がミュートされるほか、着信があった場合、留守電のように電話に出られない旨の音声が流れるというもの。不在着信として履歴も残るため、停車中に着信を確認してかけ直すこともできる。

【iPhoneのドライブモードの設定】

ドライブモードの設定画面 iPhoneのドライブモード

1.[設定]から[コントロールセンター]を選択し、[コントロールをカスタマイズ]をタップ。[運転中の通知を停止]の横にある[+]をタップ。

2. スワイプして[コントロールセンター]に「自動車の形のアイコン」があることを確認し、オンにする。

また、Androidのスマホでは、着信音をバイブレーションで知らせる「マナーモード」、または着信音やバイブレーション、視覚的な通知を止めることができる「サイレントモード」という設定があり、運転中などはこれらの設定をオンにしておくとよいだろう。

ちょっとした脇見が事故につながる危険性があることからも、運転中は、「スマホ・ケータイは使用しない」ことを前提に、ドライブモードを設定するなど、自分の身を守ると同時に、周囲に配慮した運転を心がけてほしい。

文:よもぎ三太郎

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